『タイガー&ドラゴン』 第3話。〜茶の湯〜

昨日の日記に書いたように、シリアスな部分に色々と考えさせられたりもしましたが、沢山の小ネタに楽しませて頂きましたよー。面白かった!今回の小ネタはドラマにハマってる人ほど、より笑えたんじゃないかな。変化球が多かったもんね。でも、ご新規さんには全く分からないって程内輪ネタでもなかったし、小ネタについては絶妙のバランスだったと思います。ただ、心配なのは荒川良々がお茶の間に受け入れられたかだけで。(笑)私達は免疫あるけど、初めて見る人にあの顔にスーツ姿に近鉄帽ってどう映るんだろう?許容範囲内だといいんだけど。(笑)居るだけで笑えるってホント卑怯だと思う。遺伝子レベルの笑いですよ。誰も敵わんわ〜あれは。その笑いを倍増させた長瀬君の中のスタイリストさんはお見事!只者じゃない雰囲気は十二分に出てましたよ。長瀬君は『真夜中の弥次さん喜多さん』で金々に黄金のスケベイスを持たせた男ですからね。彼はスタイリストとして凄い才能の持ち主かもしんない。あと、胡散臭い流行仕掛け人・BOSS片岡役で大森南朋が登場。荒川良々とは違う意味で怪しさ爆発で、登場して2秒で嫌なヤツだと分かりました。大森さんは職人だなぁ。
そんな個性的なゲストが軸になって話が進むんだけど、でも今回の話は虎児と竜二の二人の主人公の内側にきっちりピントを合わせた話だったかな。だから、いつもよりメッセージ性が強かったですよね。これから話が進んでいく中で、この3話がキャラクターの根っこになるんだろうと思います。クドカンの事だから、話の途中で二人が無茶苦茶な行動を起こしたり、眉を顰めるような事を言うかもしれないんで、根っこに熱い物を持ってる奴なんだってはっきりと示した事は良かったと思います。
実は私、今回のお話での虎児や竜二のナニワ節的な熱いメッセージに戸惑いがあったんですよね。私はクドカンドラマの何に惹かれたかというと、寸止めの美学と申しますか、クサくなるギリギリでかわす所が好きだったんですよ。『木更津キャッツアイ』なんてそれの最たるもので。真面目になると必ず変な邪魔(大抵うっちー)が入って、その馬鹿馬鹿しさでうやむやになってしまう。でも、その方が真面目な部分が妙に残ったりしてね。あの照れ隠し的な世界観が凄く心地よかったんですよね。だから、『タイガー&ドラゴン』の直球勝負には正直、抵抗があったというか、ちょっと恥ずかしかったというか・・・・・・でも、何度も見てるとその直球勝負もカッコ良く思えてきました。虎児の「必死だからだよ」という言葉も素直に聞ける。カッコイイと思える。この言葉に他の意味を考えちゃいけないんだよね。よく、ストレートな虎児に対して屈折した竜二が「直球っすね」って言うけど、ここがクドカン流の照れ隠しで自分に対するツッコみな訳で、竜二の言葉がクドカンの言葉なんだな。だからツッコみは入れてるけど、ストレートな言葉はそのまんまの言葉なんですよね。ついつい照れ隠しで誤魔化しちゃう部分を直球で言えてそれがカッコイイ虎児っていうのはクドカンの理想のキャラなのかもしれない。そう考えると竜二はクドカン自身を投影したキャラなのかな。どっちにも強い思い入れがあるのは良く分かります。

・・・・・アハハ。何かグルグル考え過ぎててやっぱり気持ち悪いですね。色々と考えちゃうんだよ〜〜。そんだけ好きなんですよ。
さて、気分を改めてツボった所を書きましょうか〜〜〜今回のツボは良々も南朋も良かったけど、やっぱ銀銀でしょう〜。まさか銀銀が高座に上がるとは。むっちゃ可愛かったし、笑わせて頂きました。特に虎児と竜二との絡みが面白かったなぁ。本人が言ってたように出番少なかったけど(笑)銀銀の可愛さにヤラれましたヨ。あ〜いうアホ可愛い役をやらせたら天下一品だねー塚本君は。「自分大好きなもんで」って言わせたくってウズウズしてたなクドカンめ。まんまやんけ。

個人的銀銀特集。

  • 高座の出囃子はやはり『男の勲章』
  • 虎児の真似をする銀銀(兄貴と見事なハモりっぷり)
  • 「なんか面倒臭いッスね!女って」(よっぽど言いたいセリフだったのか物凄く嬉しそう)
  • あっという間にリサにデレデレの銀銀。
  • 兄貴に「もうちょっと上手いこと言わないとキテんだから」と余計な事をヤンキー口調で言って虎児の睨みにすぐビビる銀銀。
  • 竜二「出かけんぞ!ブス」→銀銀「あ゛〜〜〜・・・ん??」→頭突きで睨み合い→竜二「元・・・ブス」→銀銀「・・・ヨシ」(優しいのかバカなのかバカなのか)

ツボったセリフ。

  • 「ナッハーン!?」(ドゥッホ!に続く第2弾?)
  • 「帰れ!ウチは東急ハンズのパーティーコーナーじゃねぇぞ!」
  • 「この大きなノッポの古時計!ボンボンボーン!3時です」
  • 「どんぐりだっけ?」「うどんです」(お約束化)
  • 「オレって基本、人にカテゴライズされんの嫌いな奴だから」「ダメだ。1行たりとも理解出来ねぇ」
  • 「お母さん!」→「かぁちゃん!!」(SPを思うと泣ける)
  • 「メグ、童貞なんて肉眼で見たの初めて」
  • 「誰が少年ジャンプだぁ?」
  • 「甘いよこのMAXコーヒー」(クドカンMAXコーヒー好きね)
  • 「汗も吸ってくんないんだぁーヤァバいよこれ」
  • 「小百合ちゃんが泣いてますよ」「泣いてませんでした・・・まだ慣れてないんでタイミングが・・・・」(慣れなんだ)

ツボ。

  • 静止画と思わせて役者が止まってるだけ。
  • 虎児の愛称はトラボルタで決まり?そのうち小百合ちゃんまでトラボルタと呼びそう。
  • 人生ゲームを楽しげにやる大人達(内1名ヤクザ)
  • ジャンプ亭ジャンプこと青島幸男ではなく淡島ゆきお。
  • 褒められて怒る、貶されて喜ぶ虎児。
  • 立川談志のコスプレをする淡島ゆきお。
  • コラボって言葉を作ったんじゃね?って噂のBOSS片岡の歴史(無名のデザイナーとコラボスニーカー『akidesu』→新人アーティストの発掘→雑誌『LEFT』『GUT』他→明治通りのカフェのプロデュース)
  • 怒ってズラを脱ごうとして鶴子に止められるどん太。「まだ早い」
  • 人生ゲームで「デザイナーになって大成功」と大喜びのどん兵衛師匠。
  • 良々の丁稚姿(二段出オチ)
  • 食いかけのおでんを戻す虎児(極悪非道)
  • どん兵衛師匠の「泣き過ぎだよ」に「うん」と答える沙耶ちゃん(影の演技派)
  • ついに「タイガータイガーじれっタイガー!」に観客の反応が!1人だけど。
  • どん太の手紙の詰まった封筒。
  • リサに丸め込まれる流星会組長(54)一応ヤクザです。
  • エンディングお約束・虎児&どん兵衛の借金取立てコント(師匠はいつ封筒を用意するのか)
  • 次週予告の虎児と竜二による『昭和のタイガー&ドラゴン


今回は元の落語『茶の湯』と現代劇との接点が薄かったように思うんですが、前回の『饅頭怖い』でもそうだったし、初回の『芝浜』がピシャリとハマり過ぎてただけなのかな?その分、現代劇の方にしっかりとストーリー性があったので、落語とのシンクロ率が少なくってもあんまり気にならなかったです。気になったのは強いメッセージ性だけで。(苦笑)それよりも1話分の話で2人の主人公の行き詰まりを描いた事が凄いなぁって思いました。何回も見てると、あの虎児がBOSS片岡に言う言葉とか普通に感動出来るし、メグミが竜二に言った「ダサいけど、メグコッチの方が好き」って言葉はニンマリ嬉しくなるし、ドラゴンナイトの客がBOSS片岡のデザインのリストバンドを寺に捨てて行くシーンは痛快だった。すっきりする!

定番を作って、すぐそれに飽きて壊していくのがクドカン。最初はそれに戸惑うんだけど、その分ドキドキさせられるんですよ。だから、飽きないんですね。大好きです。