『北の零年』

北の零年』 ★★★
製作国:日本 公開年:2005 配給:東映 上映時間:168 分
監督:行定勲 脚本:那須真知子
出演:吉永小百合/渡辺謙/豊川悦司/柳葉敏郎/石田ゆり子/香川照之/石原さとみ/石橋蓮司


それほど観たいと思ってなかったんですが、友達が誘ってくれたので観に行きました。観る前の私の知識は、吉永小百合主演で、渡辺謙豊川悦司柳葉敏郎石田ゆり子石原さとみ香川照之などの豪華キャスト陣出演の行定勲監督作品ぐらいのざっくりなもんでした。それと、殿役で忍成修吾が出てくるというのは友達から教えて貰っていましたけど。(笑)

『久し振りに邦画で大作を観たなー』ってのが一番の感想かな。非常に金を掛けて作ってある作品です。しかも、金を掛けてるのが良く分かる作品です。全編ロケだしね。ロケセットだけでもかなりの費用が掛かってんじゃないでしょうか。制作費を調べてみたら、ナント15億ですと。スゲー。
あと、上映時間が長い!さすが『大作』だけあってすんごい長かった・・・・・・私はこの映画の上映時間を全く知らなかったので、映画の3分の2ぐらいまできて、「いつ終わるんだろ?」とハラハラしました。まぁ、長い上映時間の割りには中だるみもそんなに無いし、タップリと楽しませてくれるからいいんだけど・・・・・・・・・行こうかな?と思ってる方は座席の広い映画館をオススメします。邦画は狭い映画館で放映してる事が多いからね;狭い所で3時間もじっとしてるのはかなりキツイですよ。
それと、これは行定勲監督作品と思って行ってはいけません。吉永小百合主演映画です。小百合ちゃんを観に行くと思っておいた方がいいです。色んな小百合ちゃんがお腹一杯見れるんダゾー。その代わり、小百合ちゃん以外の登場人物はパセリぐらいに思っておいた方がいいかもしれません。
この辺、よっく頭に叩き込んでおいた方がいいと思います。


※※※※※※※※以後ネタバレあり※※※※※※※※


始めに書いたように私はこの映画の予備知識が殆どありませんでした。だから、渡辺謙吉永小百合が夫婦っつーのが分かった時に爆笑しそうになりました。ありえねー!!自宅で観てたら、指差して笑ってたと思います。
幾ら何でも無理あり過ぎだろ・・・・・・百歩譲って、姉弟ならまだしも、夫婦て。ここら辺でまず、この映画の本気っぷりを感じましたね。夫婦て。
しかも、この2人のチュウシーンがあったりするんですよ。その他にも小百合ちゃんが男に襲われかけたりして、50、60代のサユリストのおじさま達には絶叫もののシーンがあるんですよ。私も違う意味で絶叫しそうになりましたが。うそーん・・・・・。
だって、香川照之が小百合に欲情して無理矢理体を求めたりするんですよ?そして、ピンチな小百合ちゃんをトヨエツがヒーローの如く助けるんですよ?トヨエツ、小百合ちゃんにまんまと惚れちゃうんですよ?小百合ちゃん、自分の息子のような世代の俳優さんにモテモテ・・・・・・・・そんなバカな・・・・・この為に15億もの巨額の費用が使われたのか・・・・・・。
謙ちゃん&小百合ちゃんの娘と石田ゆり子柳葉敏郎夫婦の息子が8〜9歳ぐらいで許婚同士っつー設定なので、この映画の小百合ちゃんの年齢設定は驚きの30代・・・・・・・下手したら、最初の淡路に居た頃は20代かもしれません。大スターは違うぜ。
映画の中で小百合ちゃんは石田ゆり子にこんな事を言います。「私は今でもあなたを妹のように思ってます」と。
娘や!!
・・・・・・・・・と、そんな感じで小百合ちゃんの年齢設定に関してのムリムリ感から、他にもツッコミどころが満載でして、非常に楽しませて頂きました。10分に1回ぐらいは心の中で『ウソ!』と叫んでしまうぐらいです。3時間気が抜けませんよ。そういう意味で大変面白かったです。観終わった後の疲労感も大変なものでした。


色んな俳優さんが出てきたんだけど、見事に小百合ちゃんしか印象に残ってないんだよなぁ。凄い豪華キャストなのに・・・・・・・・あのハリウッド俳優・渡辺謙ですら、特大オムライスの横に添えてあるプチトマトぐらいの存在でした。トヨエツはポテトサラダぐらい?オムライスでお腹一杯だから、そっちまで食えないよー。
娘役の石原さとみちゃんなんて、子役の女の子からなかなか大きくならないから、途中で『このままエンディングまで出てこないんじゃないか?』と心配になりました。なんかそのぐらい出番が少なかった印象です。

あ!でも小百合ちゃんを襲うという大冒険をした香川照之が唯一良かったかな。嫌〜〜なヤツでね。すっごいムカついてね。あの厭らしさは天下一品!それでも香川照之が小百合ちゃんを襲うっていうのには無理あり過ぎたけど!
トヨエツも格好良かったんですけどね・・・・最後が。最後のトヨエツの行動は「なんでやねん!」って皆でツッこむ所ですよね。しかもその見せ場?を見事に小百合ちゃんに取られてる辺り。。。。(涙)
あと、阿部サダヲっちが可愛かったです。ヘタレであり、良いヤツでありという、サダヲお得意の役柄で、ベリーキュートでした。確実に渡辺謙より美味しい役だと思います。(笑)
それと・・・・・・・・・・殿ね。ほんの一瞬しか出て来ないんですけどねー。オイシイ登場の仕方だったのではないでしょうか。
だって、渡辺謙や、石橋蓮司が「殿が来れば大丈夫だ!」って息巻いて頑張ってるからどんな凄い殿が出てくるかって思ってたら、忍成修吾が出てくるんですよ?勢い的には北大路欣也辺りが出てきてもおかしくない場面で忍成修吾・・・・・・・何も知らないで見てたおばちゃんはガックーンってなったと思います。あの場面であんなヒョロいニィちゃんが出てくるとはよもや・・・・でも、その分インパクトありました。あの役はオイシイんじゃないかな?セリフ一言だったけど。

・・・・・・・・・全然、感想になってない。(笑)
いや、面白かったんですよ。時代考証とか全然分からんけど、全く問題無く見れたし、こう・・・・・・大河ドラマとか正月にやってる長い時代劇とかスペシャルドラマみたいな感じのをギューっと3時間に濃縮したぐらいの濃さで十分見応えありましたよ。



結論。豊川悦司阿部サダヲは密かに似ている。