『宇宙戦争』

宇宙戦争』 ★
製作国:アメリカ 公開年:2005 配給:UIP 上映時間:114 分
監督:スティーブン・スピルバーグ 原作:H・G・ウェルズ 脚本:デヴィッド・コープ
出演: トム・クルーズ/ ダコタ・ファニング/ティム・ロビンス/ ジャスティン・チャットウィン/ミランダ・オットー/他


いや〜〜つまんなかったです。そーんなに期待してたワケでも無いんだけど、ま〜〜つまんないつまんない。私はレディースディでも見ないな。TSUTAYAの100円レンタルかなんかの時で十分だと思うんですが、家で観ると益々退屈だろうなぁー・・・・。
ネタバレしないととてもじゃないけど感想書けないので、この映画を観て「ケッ」と思った人と、どうせつまんないだろうから一生観ないって人だけ、“続きを読む”をぽちっと押して下さい。





=======※以後ネタバレあり=======

スピルバーグ×SF×戦争なのに全然、ハラハラドキドキしないんですよ・・・・・・えーもう。たまーに突然の爆音に驚くだけ。あと、音楽での盛り上げ方はさすがって所でしょうか。音楽と効果音ではハラハラキドキします・・・・・ってお化け屋敷かい。冒頭のなんちゃらポッド(昨日観たのにもう名前忘れた)が登場してくるまでは緊張感あったように思うんですけどね。
これは監督・スピルバーグがどうのっていうよりは脚本が悪い・・・・・内容が無さ過ぎなんじゃないでしょうか。いや、この話を映画化しようっつーのが間違い?企画ミスなんじゃないのかなぁ。脚本の悪さっつたら、肝心の説明が不足しまくってて意味分かんないんですよね。何で車や時計の電気まで止まったのかも分からんし。宇宙から謎の生命体が襲来してきたのが突拍子無くても、それは別にいいんだけど・・・・・その後、生き延びようと必死になるトム・クルーズとその家族他の行動が全て突拍子ないんですよ。名子役って評判の高いダコタ・ファニングちゃんはただただギャーギャーと煩いだけだし(本当に煩かった)ちょっとオトコマエ(はぁと)とときめきかけたトムの息子もなんか突拍子もなく正義感に燃えて、どりゃーって宇宙人に攻撃?しようとして大爆発と共に居なくなっちゃうし。あれって普通あの場面で120%死んでるよね。
この映画の前知識って、監督がスピで、出演者がトム・クルーズダコタ・ファニングティム・ロビンス他・・・・・・だったんですが、いつまで経ってもティムが出てこない。おかしーな〜〜と思い始めた所で漸く意味もなく出てきました。ティム・ロビンスは登場の仕方から何もかもが唐突。んで、お前何の為に出てきたんじゃーって死に方。アカデミー俳優をなんつー勿体無い使い方するんじゃい。ま、ティム・ロビンスとトム家族の地下室シーンが唯一ドキドキしたんですけど。おかしなおかしなティムが何をやらかすかって。でも、出てきた宇宙人には笑わせて頂きました。緊張感無いよなぁ。

この映画の面白く無さの大きな原因ってカタルシスの無さですよね。ずっと一方的過ぎるんですよね。劇中でもあった言葉なんだけど、「人間が蛆虫のように駆除される」って表現がぴったりかも。敵側の宇宙人の攻撃に成す術も無く人間がどんどん殺されていくんですよ。それが映画中ずーーーーっと続くの。最後の最後でトムがなんちゃらポッドを攻撃するぐらい?後は一方的一方的。ずーーっとやられっ放しです。トム家族がひたすら宇宙人の攻撃から逃げるだけ。逃げ方もとっても普通です。ずっと宇宙人から逃げて逃げて逃げるだけ。トム君はいつ宇宙人やっつけるんかなー、コンテナをハイスピードで積み上げる技術持ってるからそれを使って戦うのかなー・・・・・・・と思ってたら、なんか宇宙人が唐突に弱くなってるよ。ヘロヘロだよ。トムがボストンに着いたら、元嫁が当り前に生きてて当り前に出迎えてくれたよ。えらい平和じゃないですかぁボストンは・・・・・・・えーーー!!何で息子生きてるの!!??あんな大爆発に巻き込まれてたのに。ええええ・・・・・え?エンディング。えーー!?うそーん。

何と宇宙人が滅びた理由は・・・・・・・自滅でした。
なんじゃそらーー!!!
しかも、最後に「宇宙人にとっては地球上の微生物がうんたらかんたら〜」ナレーションで説明して終わり。ふざけんな。


同じ宇宙人襲来ものなら、母国アメリカ絶賛おバカ映画『インデペンデンズ・デイ』の方が数百倍面白いです。まー・・・・・この映画、観る前から多少の不安はあったんですよね。『宇宙戦争』なんてタイトルの映画なのに、PG-12でも、R-15指定でもないし・・・・・・残酷な描写は一切無いって事だろうって、その辺もちょっと疑問には感じてたんですよね。いや、グロくすりゃ、いいってもんじゃないけど、人間が宇宙人から攻撃されるのに、一瞬で灰になるだけとか、血を吸い尽くされる(そこんとこの肝心な描写はありません)ってだけじゃ、リアルな怖さを感じないんですよね。そんなヌルさじゃ、必死さが伝わって来ない。なんつーか、今の映画の映像表現での制限の強さというか限界を感じました。制約が強過ぎだよねぇ。『ジョーズ』や『プライベート・ライアン』を作ってきたスピルバーグだったらもっとリアルにやりたかったんじゃないかな?

余談ですが、トムの元・嫁・・・・・・『ロード・オブ・ザ・リング』でエオウィン姫を演じたミランダ・オットーだったんですね。あの銭形のとっつぁんのような見事な割れ顎ですぐに分かりました。トムじゃなくってコッチが逃げ回った方が面白かったかもね。