『春の雪』追記。

なんとなく書きたい事が上手く書けなかったので追記。
三島作品の知識はゼロなので、映画の印象のみで考えると、やっぱり清顕の行動や心理は解せない。何がしたいんか全然分からん。これ、理解しようっつーのが間違いなのも分かってるんだけどさぁ。それならそれで世に絶望して理解不能な行動を取ってしまうとかさーそういう空虚さが描かれてるならね。それならまだ分かるんだけど。そういう描写もなかったしなぁ。だから補完出来なかったの。小説なら深く語る事が出来るだろうし、漫画なら端折れる部分だと思うんですが、生身の人間が演じる映像だと、『理由』が凄く気になるんですよね。私みたいな何かにつけて理屈こねる人間は余計ね。この辺が妻夫木君だと余計に生身の人間っぽさがあって理由を求めてしまうんですよね。妻夫木君の演技は決して悪くなかったんですが、妻夫木君が清顕って役を演ずるのなら、もっと中身を深く掘り下げて欲しかったなぁ。清顕の内面の葛藤をもっと分かり易い感じで。その辺、俗っぽくしても良かったんじゃないのかなー。文芸的、官能的、耽美的、現実的・・・・・このどれか絞って深く掘り下げて欲しかった。どっちつかずな印象なんです。
この手の文芸作品って映像化するの難しいと思うんです。登場人物に性格破綻者も多いしな。もードップリとナルシズムに浸った世界とかだと理由を考えるのもバカらしくなるんだけどね。行定さんってなんか健全なんだよねぇ。画面は美しいんだけどねー描写が健全なの。ラブシーンは制限のある中で、精一杯頑張ってたと思うんだけど、まぁ・・・・・健全だな。妻夫木君がエロいだけで。(笑)だから浸れないんだなー。でも、これって私の先入観も大いにあると思うのよね。