『火垂るの墓』

視聴目的は、脚本が井上由美子だったから・・・・私はアニメの方は2度ほど見た事があるんですが、原作は読んでません。アニメは原作に忠実だったのかな?この話、あまりに辛過ぎてテレビで放送してても見れないんですよね。
井上由美子版の『火垂るの墓』の方向性は良かったように思います。アニメではただの悪役でしかなかった清太と節子の叔母さん(松嶋菜々子)が、家族を守る為に清太と節子に厳しく当たる事。誰もが生きる事に必死で、形振り構わず生きる姿。戦争は優しい人間を鬼に変えてしまう。そこに戦争の本当の怖さがあるんですよね。ただ、主人公である叔母さん側の方に描写が傾き過ぎて、兄妹の方に非があるように見える部分が目に付いたのはちょっと嫌だったかな。まぁ、仕方ないんだけどね。心情的に引っ掛かった。でも、今年見た戦争ドラマでは一番戦争の辛さが伝わってきました。
清太(『エンジン』の不良っぽい男の子)と節子があまりに良い演技をするので、他の人が霞んじゃったなー。凄い2人でした。本当に清太と節子が生きてるみたいな。素晴らしい演技でしたね。エンドロールのモノクロの清太と節子は反則ですよ。泣きますがな。松嶋菜々子は鬼になるまでの優しい時はなかなか良かったんですが、鬼になってからはいつもの松嶋さんでした。あの強張った顔、救命病棟の時に何度も見たなぁ。でも、松嶋さんのおかげで視聴率が上がるのなら、それで価値はあるのかも。目を背けたくなるような辛い話だけど、多くの人が見るべきなんだよね。食べ物が当り前にある事に感謝しなきゃ。