『白夜行』 第1話。

昨日は『けものみち』と『小早川伸木の恋』の恋をリアルタイムで見て(故に『小早川〜』の冒頭5分ほど見れず)この『白夜行』は録画にしてました。THE・定番『悪女・米倉涼子』ーで昼メロっぽい展開の早さーで、もう1話だけで十分お腹一杯だった『けものみち』と、ウザくって物凄く疲れた『小早川〜』を見た後に、2時間のスペシャルドラマはキツイべ・・・・・・・と、疲れたら途中で寝てもいいや程度でこのドラマに臨んだんですが・・・・・・・・・これが、全く飽きる暇が無いというか、物凄く引き込まれて最後まで見てしまいました。すっごい濃い2時間でしたよ。なんかドラマ見てて久し振りに熱くなった気がします。すっごい良かったんですよ。

私は全然、原作を読んでません。この原作の内容もよく知らずに見ました。東野圭吾原作の映像作品ってどうにも面白くない印象があるんですよね・・・・・・多分、東野圭吾の原作はすっごく面白いんだろうとは思うんですが、この人の作品って映像化し難いのかな?どうも今まで彼の映像作品を見て、原作を読んでみようって思うような事は無かったんですが、この『白夜行』はすっごく原作を読んでみたくなりましたね。きっと原作にはもっと違う面白さがあるんでしょう。私がこの作品でスゲーと思ったのは、なんと言っても『父親を殺した11歳の少年の罪を隠す為に、その少年と同い年の少女が自分の母親を父親殺しの犯人に仕立上げ、無理心中に見せ掛けて殺害する』っていう筋立て。凄い話ですよねーよくこんな話を思いつくなぁって素直に感動しちゃった。しかも、その犯行に至る経緯が凄く自然というか、緻密に描かれていて本当にありそうな話として成立させてんのが凄い。犯罪が成立しちゃったのも頷けるって感じ。あの建築中止になったマンションが凄く利いてましたよね。原作を読んでないけど、この辺りは原作だともっと緻密に描かれてんじゃないかなー?ドラマでは2人の暮らしている街がどこなのかぼやかしてる感じだったけど、もっと、2人の土壌がはっきりしてたら、よりリアルだと思います。雪穂への性的虐待もドラマではあやふやだったしね。あれは原作ではきっちりと描かれてるんでしょうね。辛い話だなぁ。

昨日の2時間スペシャルは、あの2時間だけで立派に作品として成り立ってましたね。素晴らしい。良く出来た映画を観てるみたいな気分でした。あの亮司と雪穂の駅での別れのシーンで物語が終わっても、十分過ぎるほどだよね。いや、もう、あそこで終えてもいいのかもしんない。(コラ)何だろう?あまりに1話の出来が良過ぎて、それがこれからのストーリーを支えるキャストが殆ど出て来ずに成り立ってしまってたから、先行きが不安というか、1話移行が尻すぼみしちゃうんじゃって。亮司と雪穂の子供時代を演じてた2人の子役があんまりに素晴らしい演技しちゃってたから、これは山田&綾瀬はプレッシャーだぞーーっと。ほんと、2人とも素晴らしかったよね。今の子役の子って恐ろしい程演技上手い子が多くってビビりますねー。『女王の教室』とか皆、上手かったもんね。その『女王の教室』に出てた福田麻由子ちゃんが大人びた雪穂を見事に演じててねーあの犯罪を成立させられるって相当賢くって、大人びてないと出来ないと思うんだけど、福田麻由子ちゃんがしっかりとそれを演じてたので、全く違和感を感じず。手紙のナレーションで泣いてるのとか、ホント、大人顔負けっていうか、今の大人の俳優でそこまで演じられる人が果たしてどんだけいるのか・・・・・ぐらいな。末恐ろしいです。亮司の子供の頃を演じてた男の子も良かったよね。雪穂よりも幼さが残っていて、そこも良かったし、夢に怯える姿とか痛々しかった。それで可愛かった。うーん、2人とも凄いなぁ。脚本も演出も良かったけど、やっぱこの2人の演技が良かったから、引き込まれたんでしょうね。もう、次からは山田孝之綾瀬はるかでストーリーが進行していくんですね。うーん・・・・・・実はここがちょっと引っ掛かるんですよ。何でこの2人なんだろって。別にどちらが悪いとかどうのって言うんじゃないんだけど、『世界の中心で愛をさけぶ』ってちょっと前にやったドラマの主人公2人ってねぇ。おまけに主題歌は柴咲コウ。(苦笑)めっちゃ『世界〜』が頭にちらつきますがな。主人公2人ともってのがねぇ・・・・・・・・どっちか片っぽにして欲しかったかな。まだ、オリジナル作品なら、同じキャストで作るっていうのは分かるんですけど、これって原作モノでしょ。原作のイメージにピッタリで配役した2人とは思えないし。ちゃんと『白夜行』って原作があるんだから、その辺は原作に配慮してキャスティングして欲しかったかも。良い作品だったので余計にそれは感じました。ま、子役の子達から、山田&綾瀬に成長してもあんまり違和感無かったので、こっちの先入観さえ拭い取れば、いいのかもしれんけどね。しかし、2話以降は大変だぞ・・・・・っと。

主役以外のキャストでは、『里見八犬伝』での悪役っぷりが光っていた武田鉄矢がここでも光ってました。おかしな関西弁だけど、あれはああいう喋り方の人で、そのキャラの個性だと思ってしまえば、どうって事はありませんぜ。主役2人が追われる側なら、追う立場の刑事役なんですが、この刑事の存在が怖いんですよ。不穏というか、正に2人を覆う暗雲的な存在。この刑事の存在がねーーここも上手いポイント。正義感翳してるっていうようなタイプの刑事だったら、あの不穏さは無いと思うんですよね。武田鉄矢の刑事は正義ってよりも、本能で動いてる感じ。しかも、過去に深い傷を負ってるので、確執っつーか執念っつーか、すんごい負のエネルギーを感じたの。だから怖いんですよ。あの刑事は絶妙だよなーーなんか武田鉄矢に惚れそうで怖いわ。(苦笑)あとのキャストはまだまだ未知数かなぁ。1話で出て来てないキャストのが多いんだよね。これからどんな展開になっていくのか全く知らないので、続きが楽しみです。しかし、冒頭からいきなりクライマックスでスタートでしたもんねぇ・・・・・・・・あの血塗れのサンタに行き着くまでに何があるんだろう?これは全話見ると思います。