最近観た映画。

ごちゃごちゃ。

L change the WorLd』 ★☆

チーム・バチスタの栄光は試写で観ました。これは監督が『ブース』、『アヒルと鴨のコインロッカー』の中村義洋だったので出来るだけ早く観たかったんですよね。この監督は山下敦弘小泉徳宏等と共にこれからの邦画界を引っ張っていく若手監督として要チェキですぞ。『チーム・バチスタの栄光』は平たく言うと医療ミステリー。この医療っちゅー分野は私ら一般の人間に身近でいて馴染み薄いっつーのかね。特にこのチーム・バチスタは心臓外科手術『バチスタ手術』の現場で起こる事件を扱った作品なんで難しい医療用語のオンパレードです。ただ、昨年放送されたドラマ『医龍2』のおかげで少しはこちらにも予備知識があったというか。これ私みたいな人案外多いと思います。(笑)『医龍』がこの映画の追い風になってるんじゃないかしら?『バチスタ』やら『臨床工学技士』やら前もって言葉と意味の理解があった分映画を観るのは楽でした。まぁ、その辺は医療用語やら知らなくても分かるように作られてたんですけどね。つーか、むちゃくちゃ分かり易く作られてました。ちょっと分かり易くし過ぎじゃないかってぐらいに親切に作られてた気が。お陰でその辺の躓きが無いので観てる間はノンストレスだったんですが、映画を観てる感覚としてはちょっと味気ない感じもしたかな?中村監督は精一杯頑張ってたとは思うんですよ。所々で彼らしいユーモアがあったり、意外な伏線が上手く挿入されてたり。外しの演出までも伏線だったりしてね。その辺は監督としての技量の高さは感じました。ただ、この手の作品って分かり易くしちゃったり外しの演出を入れると重みに欠けちゃうのも事実で、中村監督の飄々とした演出と映画の題材が微妙に合ってない気もしました。でも、この映画、好きだなぁ。中村監督、益々好きになりましたね。俳優陣は皆それぞれ上手く演じてました。チーム・バチスタの面子もそれぞれ個性があり、役者も与えられた役を忠実にこなしてたと思います。あんまり詳しく書くとネタバレになりかねないので書けないですけどね〜。この映画、分かり易く作られてるんで予備知識無しに観て欲しいし。あ、最初は吉川晃司がこんな重要な役?って思っちゃったけども、彼がなかなか好演してましたよ〜。もっと役者やればいいのにって思ったもの。どの役者も適材適所。主役の竹内結子も凄く良かったし。私はナントカ賞を受賞した『サイドカーに犬』よりもこっちの演技のが好きです。キャラクターの味付けも良いし意外と器用な役者なのかもしんない彼女。阿部寛はな〜〜相変わらず滑舌悪いのが気になる〜・・・のと全くいつもの阿部寛なんでどうもこうも。ただ、阿部寛はそれを求められてるんだし、それに忠実に応えてるのでそれで良いんじゃないかって。あの個性は阿部寛独自の物だし。この前の『陰日向に咲く』の西田敏行だって、どうやったって西田敏行でしかないんだけど、そういう役者も必要だしそれが求められてるんだし。代替不可って事で。ただこのテの役者ってヘタすりゃ作品を壊しかねる可能性もあるんだよね。個性強過ぎて。そこの個性ばかりが印象に残っちゃってね〜。今回の阿部チャンはどうだろう?私はギリギリOUTだった気が。(OUTかよ)

え〜っと・・・・・L change the WorLdねぇ。もう散々色んな場所で叩かれてるだろうから別に私があーだこーだ書かなくてもいいんじゃないかって思いもあるんですけど。(笑)まず私はある程度ネットで酷評されてるのを知っていたので、作品の出来としてはまーったく期待してませんでした。このテの映画って作品の出来不出来は二の次で客の集客力あるのは十分分かってるし、私もそれに乗っかった1人ですし。そうだな〜〜『デスノート』って作品にそれほど思い入れもなく、前後編をテレビでやってるのを観たぐらいで、うすーく松山ケンイチ演ずる“L”が好きで、映画作品としての出来を求めてなければそこそこ楽しめる作品かもしれませんね。私は前述に並べた項目に割りとピッタリなんですけど、(後編は映画館で観ましたが)「ま、こんなもんじゃね?」って普通の映画料金払ってそんなに腹も立ちませんでしたし。真面目につんのめって観ると、「なんじゃこりゃ」って怒り爆発で映画館を後にしそうですけどね。全く思い入れ無いから「無茶苦茶な映画やのー」って笑って済ませられるというか。つまんないって分かってて、そのつまんなさを確認する為に観たにも関わらず悶絶した『デビルマン』や『ゲド戦記』に比べりゃ随分と可愛いもんですよ。ただね〜〜そこまで諦めた上で言わせて頂くと、あの大ヒット作『デスノート』で大人気のキャラクター“L”のスピンオフって言やぁ、こりゃもう鉄板な訳ですよ。よっぽどの事でも無い限り目を瞑ってでもヒットするっつーか。鉄板なんですね。その鉄板さに胡坐を掻いた作品だな〜ってのは思いました。映画作品として良い作品を作ろうって心意気を全く感じないんですよね。ホント、“L”に乗っかっただけっていうね。松山ケンイチは今まで作り上げた“L”というキャラクターのイメージを崩さない程度に“L”の枠からはみ出しててユーモアを交え面白く役を演じてたと思います。ま、この松山ケンイチが作った“L”が居るからこそまだこの映画には見所があるって言えるのかも。これがつまんないキャラクター変更とかやってたら鑑賞に耐えられないわ。(苦笑)あと、『アンフェア』の時もそうだったんですが、邦画で細菌兵器っつーのは鬼門なのかね?物凄く高い致死率のなんたらウィルスである筈なのに扱いのずさんな事ずさんな事。(苦笑)ウィルスだだ漏れやんけ!ってな〜。この辺も失笑でしたねぇ。ウィルスの描写と言えば、最後なんて思わず声に出して「どういうこと!?」ってツッコんでしまいましたわ。映画館なのに。んなアホなーって。ネタバレになるから詳しく書けないけどワクチンってそんなに凄いもんなのかってね。あ、噂の南原清隆。(笑)最後までナンちゃんの存在意義が分かりませんでした。俳優としてもキャラクターとしても。異様に長く感じるグロシーンは『リング』などのホラー監督・中田秀夫ならではのサービス精神の表われだったんでしょうか?意味なくグロいんだもの。それが長いんだもの。ビックリしたのがこの映画、あんな描写があるにも関わらずPG-12じゃないんだよね〜。よくぞあのしつこいグロシーンで映倫の審査を通過出来たな〜ってしょうむない事で感心した。PG-12やR-15の基準は分かりませんなぁ。