最近観た映画。

もう、WOWOWスカパー!合わせ技で映画観まくり。貧乏性なので元を取らねば・・・と憑りつかれたように映画ばっかり観てます。観過ぎで何が何やら。『ワールド・オブ・ライズ』なんて12月に観たのに書くの忘れてた・・・・・・・いや、面白かったんですが。下に書いた映画から5本ぐらい抜けてる自信あります。そしてHDDには随時、5本以上の映画が溜まっております。HDDがぱっつんぱっつんダヨ〜〜。せっかくWOWOW入ったんだし・・・・・って事で前にも書きましたが、アカデミー賞の生放送を録画して見たんですよ。アカデミー賞はほぼ初見。いつもはダイジェストすら見ずにネットで結果を知るぐらいでしたが、今回は4時間ばっちり見てみました。いや〜〜大スターばっかりで華やかだわ。今年初の試みが多かったようですが、重厚性には欠けたものの怒涛のエンターテイメントで飽きずに見れました。まさかヒュー・ジャックマンビヨンセの共演が見れるとは。大先輩からのノミネート者へのコメントも良かったね。アン・ハサウェイの喜びぶりが感動的でした。来年のアカデミー賞も見てみよう。 あと、WOWOWではやっぱ『超人ウタダ』がオススメです。今期、唯一完走出来るドラマだわ。
試写で観たのは『フィッシュストーリー』と『釣りキチ三平』。『フィッシュストーリー』は文句なくオススメです。『釣りキチ三平』はアカデミー監督賞が〜とか肩を張らずに観ればそこそこ楽しめます。小学生ぐらいの幼い親子連れに観て欲しい映画かな。後はまぁ、それぞれ映画館で観たり、DVDで観たり、CS、BSで観たり。あまりに数が多いので出来るだけ短くと。感想を書いてない作品は時間があったら短くでも書きます。

『フィッシュストーリー』 ★★★★☆

『ベンジャミン・バトン〜数奇な人生』 ★★★☆

ヤッターマン』 ★★

釣りキチ三平』 ★★★

イントゥ・ザ・ワイルド』 ★★★★

落下の王国〜THE FALL』 ★★★

西の魔女が死んだ』 ★★★★

善き人のためのソナタ』 ★★★★

ヒトラーの贋札』 ★★★★

『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』(オリジナル) ★★★

『赤ひげ』 ★★★★☆

片腕マシンガール』 ★★★

バイオハザード3』 ★★

迷子の警察音楽隊』 ★★★☆

シザーハンズ』 ★★★

『スリーピーホロウ』 ★★★

28週後...』 ★★★☆

『ファーゴ』 ★★★

トラフィック』 ★★★☆

ひかりごけ』 ★★★☆

『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』 ★★★

『日本の黒い夏─冤罪』 ★★★☆

『ルート225』 ★★★☆

『伝染歌』 ★

226』 ★★★

『スティング』 ★★★★☆


試写で観た『フィッシュストーリー』。これは私の大好きな『アヒルと鴨のコインロッカー』の原作×監督コンビ再びの映画です。原作・伊坂幸太郎に監督・中村義洋ね。こりゃあ観るしかねぇだろ〜〜ってだーいぶ前から試写をチェックしてたんですが、私の場合、この映画への情報を無意識のうちにシャットダウンしていたようで・・・・・・・・きっとね、その方が面白いと感じてたんだと思うんですよ。公式サイトもトップページしか見なかったし。残念なのは劇中パンクバンドの逆鱗が出た『うたばん』を見てなかった事。それもまぁ、映画で“逆鱗”っちゅーバンドを新鮮に観れたのでOK。実は情報を入れなかったのは『アヒルと鴨〜』が何の前情報もなしに観て凄く鮮烈で面白かったからなんですけどね。んで、伊坂幸太郎のお話は仕掛けが沢山あるっつーか、話本体が全て仕掛けっつーても過言でないぐらいらしいんで、なーんも知らん方が絶対楽しめると思って。んで、そんな状態で観た私はきっと勝ち組。(笑)この映画は、原作を全く知らずに、映画の内容もまーったく知らずに観るのが一番面白いだろうし、そんな観方を出来た人が一番幸せなのではあるまいかと私は思います。なので、今回の感想は全くネタバレもしないし、殆ど何も書かないつもり。ただ、面白かったと。この映画観たいな〜〜って思ってる人で、原作読んでない人はなるべくここから映画の情報を探らずに観る事をオススメしたいです。役者の誰々が良かった、美味しかったっつー話もネタバレになるので言いたくないんですが、それぞれがいい〜〜仕事してました。もういっそ役者も誰が出るとか知らない方がいいとすら思うんだな。(笑)あ、この人がこんな役!?みたいな面白みもあるし。ただ、一つ言っておくとするならば、役者はそれぞれがめちゃめちゃ良かったと。どのキャストも外れなしに役に合ってた。特にあの人が〜〜〜とか言いたいんだけど、それは劇場で確かめて欲しい。最初はイライラ〜っとさせられるんだけど、(これも狙いでしょう)終わった時には優しい〜気持ちになれる筈。かって、これほどに優しい作品ってあったろうか?って思うぐらいに、根底には人間という動物への優しさに満ちている。人間が生きてく上での揺るぎ無い肯定だわ、あれ。それが作品のテーマだと思うから、原作ファンでもきっと満足出来ると思います。必見の一作。まだまだ早いけど今年一番の快心作だ!

釣りキチ三平も試写にて。これは何で今更『釣りキチ三平』〜〜?って思いながらも、お気に入りの滝田洋二郎監督なので。ちなみに原作は昔読んだ事があり、コミックも何巻か家にあったりします。だからって別に特別原作ファンでもないので、何の思い入れもなく、題材的にも、滝田監督だからってそれほど気構えもなく観たんですが。そ〜〜〜だな〜〜〜あんま良い言い方じゃないけど、特に良くも悪くもないってのが第一印象なんだなぁ。春休みにロードショーってんだから、子供向けに作られた作品なんだろうなとは思ってたけど、予想以上におこちゃま向けに作られてたような。んで、おこちゃま向けって前提で観れば、大人の鑑賞にも十分耐えうる出来にはなってるんですけど、アカデミー外国賞・滝田洋二郎監督作品!なんて気構えで観ると、かなり肩透かしを食らいそうな映画です。ただ、とても健全に作られてる映画なので、春休みに親子で映画に行くのなら、『ヤッターマン』よりも『釣りキチ三平』をお勧めしたいかなぁ。原作読んでるんですが、各所で絶賛されるほど、三平役の須賀健太がピッタリだとは思えなかったんだけど、映画版のキャラクターとして考えれば、あれもアリかなぁと。魚紳役の塚本高史もかなりキャラクターが変わってましたが、映画でのポジションはきっちり押えてた感じ。あ、渡瀬恒彦が良かったんですよ〜。原作とはこれまた全然違うんだけど、とーっても良い仕事してた。滝田監督作品として考えると、渡瀬さんが一番、「らしい」キャラだったな〜。原作にないキャラクターの香椎由宇は、これが三平よりも一番重要なポジションになってて、役どころとしてもかなり美味しい役だったんだけど、私はやっぱり彼女のキャラクターが『釣りキチ三平』には余計に感じたかなぁ。映画としては必要だったのかもしれないけど、彼女の存在で『釣りキチ三平』をわざわざ映画化した意味が薄れた気がします。でも、彼女が居なかったら、釣りばっかりの退屈な映画になったような気も。でも、釣りばっかでも映画のやり様はあったように思うんだけどな〜。原作は正しく釣りばっかだけど、自然の厳しさも描かれてたし。この映画も自然は綺麗に撮られてたしね。釣りのシーンもなかなかちゃんとしてて良かったからさ。あ、あんま評判の良くない魚のCGですが、私はそこまでショボいとは思わなかったです。作品を壊すほど酷いもんではないし、そこまで最高のCGを求めるような作品でもないし。ただ、全体的に悪かないけど、脚本が古沢良太で、監督が滝田洋二郎で釣りキチを実写化って考えるとちと残念な作品かも。普通に良い映画ではあるんだけどね。何か足りない。

ある意味その『釣りキチ三平』とはまるで真逆な映画がヤッターマン。これまた原作のアニメは子供の頃に再放送を何度も何度もしつこいぐらいに何度も見たアニメなんですが、だからと言ってあまりに遠い昔なので、そこまで思い入れのない作品ではあります。タイムボカンシリーズは数あれど、『ヤッターマン』が一番有名なので、一番覚えてはいるんですが、そこに『オタスケマン』やら『ヤットデタマン』とか『イッパツマン』とか色々混じって覚えてたりとかなりいい加減な記憶。ま、これははっきり言っちゃえばフカキョンドロンジョ目当てで観に行きました。マンマと制作側の戦略にハマってるんですが、こういう人がこの映画を観に行く観客の過半数以上を占めてるんではないでしょうか?しかし、見事に作戦成功ですよね〜。ドロンジョ深田恭子。考え付きそうで考え付かない。そして、思いも寄らぬサプライズなのに、大体の人に納得出来るフカキョンの稀有なキャラクター。そこを宣伝で一番煽ったのは大正解だよね〜〜。私みたいなそれ目当てで観に行っちゃう人間がワンサカ釣れたと思うよ。ドロンジョ様を誰がやるかって、あそこまで話題になれるのは日本でフカキョン沢尻エリカしかいないんじゃないかなぁ?彼女らはその容姿だけで男女ともに萌えさせる事が出来る逸材だもの。正に生けるお人形。ま、そんな感じでフカキョンドロンジョ様さえ観れたらいいや〜〜ってな目的の人は、その目的は十分過ぎるほど達成されると思います。実質の主人公じゃね?ぐらいにフカキョンは出て来ますからね。んで、他の生瀬勝久ボヤッキーなんてのも絶妙でしょう。私がキャスティングするなら間違いなくボヤヤンは生瀬さんにしてるもんねー。んで、トンズラーのケンドー・コバヤシも文句なく良かったです。ケンドー・コバヤシが一番原作に忠実だったんじゃね?ぐらいにハマってたもの。ドロンボー一味がそれぞれ良い味出してたんだよな〜。悪者なのにお間抜けで可愛いっつーのは良く出てましたね。これタイムボカンシリーズのお約束だもんね。そんで本来の主役であるヤッターマン1号の櫻井翔も育ちの良い賢そうなおぼっちゃんって感じでこれまたピッタリでしたよ。ヤッターマン2号の福田沙紀はあんま目立ってなかったのが、これまたある意味原作に忠実かも?(笑)彼女は他の役者でも良かったように感じたけど、まぁ、あまり目立つ役ではないので逆に彼女ぐらいの人で良かったのかも。そう、キャストはそれぞれ濃いキャラなのに本当にピッタリでした。そこは非常に買いたい!・・・・・・・・・・ただね。普通に映画としてつまんなかったんだわ。残念なことに。アニメに対して敬意を払ってるのは良く分かる。だからアニメらしさを追求したんでしょう。んで、CGだってかなり凄い。アニメお馴染みのキャラクターを見事に再現!かなり力が入ってた。でも、力が入り過ぎてるっつーか、CG頑張り過ぎてて、逆に生の面白みがないっつーか。案外、この手の映画ってチープな方がいいと思うんですよね。その方がくだらないギャグだって笑えるしさ。映画本体の脚本がめちゃめちゃチープなんだし。そこら辺、なんか噛み合わせが悪くって全て空回りしてるように感じました。役者が頑張ってる分、笑えないギャグが満載で居た堪れない気分になったりして。あー『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』もそんな感じだったなぁ。やっぱフカキョン観てるだけで幸せ〜〜っつっても、限界あるしなぁ。あと賛否両論の下ネタですが、私は良いと思えなかった。アニメもお色気シーンは一杯あったんだけど、アニメは『エッチ』なんだけど、映画のは『エロ』なんだよね。この微妙な線引きが結構重要だと思うんだな。映画は下ネタが妙に生臭くなってて作品と合ってない気がした。そこが三池崇史らしさかもしんないけどさ。別にそんなシーンいらなくね?って下ネタが邪魔に感じましたもんね。あと、オリジナルキャラもこの映画には一切不要だった。阿部サダヲの熱演も何だか虚しい感じ。あと娘役の女の子が全然必要感じなかった。むしろ邪魔。あれも映画の流れを悪くした気がするのよね。変に勇気がどうとか言ったりして。うーん。キャストは申し分なかったように思うんだけど・・・・・・・・・・・この映画に関しては、三池監督じゃなく、別の監督で観たかったかな。大ヒットしてるようだし、エンドロールの後に予告もあったし、このまま行けば続編も作りそうだけど、うーん、フカキョンだけの為に次も観に行く・・・・・・・・かな?うーむ。

『ベンジャミン・バトン〜数奇な人生』アカデミー賞に最多ノミネートされながらも、残念ながら主要部門で全く賞を獲得出来なかったこの作品。今年のアカデミーは他の作品にちょっと可哀相なぐらいに『スラムドッグ・ミリオネア』祭りだったもんなぁ。でも、これ良かったよ。ながーい3時間近くの上映時間も退屈せずにベンジャミンの一生を追う事が出来たし。この辺はデヴィット・フィンチャーの演出力の賜物ではないかしら?あと主役のブラッド・ピットの演技が凄く良かったし。あれは想像以上に難しい役だった筈。主演賞でノミネートされたのも納得です。ケイト・ブランシェットティルダ・スウィントンも良かった。あと、母親役の黒人の女優さんもね。役者が皆良い。これさ、何が良いって、80歳の老人の体で生まれて歳と共に段々と若返っていくって、荒唐無稽な設定の主人公だけどさ、割りと普通に人生を過ごして行くんだよね。その割りと普通ってのが、ああいう特異な人間には非常に難しい筈なのに、廻りが普通にベンジャミンを受け入れられてくのって、ベンジャミン含め、廻りの人間が本質的にとても優しいからだろうなぁと。その人間の良さっつーのが淡々としてはいるけども隅々に描かれてました。時には身勝手な事をしたり、人を傷付けたりもするけど、本質的には、それぞれが優しい人間でありたいっていうね。とても淡々としてるし、めちゃ長いんで、ダメな人も居るかもしれませんが、そういうのを頭に踏まえて行けば楽しめるんじゃないかなぁ?涙は出なかったけど、最後にジンと胸が熱くなりました。色々と伏線も散りばめられてるので、細かいとこをチェックすんのも楽しいかも。

イントゥ・ザ・ワイルドショーン・ペン監督作品です。これ、観たかったんだけど、なかなか時間が合わなくって映画館に観に行けなかったんですが、先に観た友人にとても良かったと薦められて。これは本当良かったよ。ショーン・ペンが監督してるとかどうの抜きにして、作品として素晴らしいと思う。ハリウッドではクリント・イーストウッドメル・ギブソンら俳優でありながら、監督としても個性的であり、且つ高く才能を評価されている人達が居ますけど、間違いなくそこにショーン・ペンは入るんじゃないかとこの作品を観て思いました。ショーン・ペン、結構、作品撮ってるんだよね。過去監督作品も観たくなりましたよ。ただ、この人は大作でなくミニシアター向けかも。自分の撮りたい物を撮りたいように撮るってね。この作品は実際にアメリカで起こった出来事を扱ってます。原作は『荒野へ』という本らしく、その出来事を取材に取材を重ねてまとめ上げたノンフィクションの本だそうで。原作もかなり面白いと評判なので読んでみたいですね。物語はクリス・マッカンドレスという若者が2年の放浪の後、アラスカの奥地で遺体となって発見されたっていう実際の事件を元に作られてるんですが、クリスという青年が放浪するに至ったのが両親との確執であり、そこの所をかなり踏み込んで描いてあります。どこまでが事実で脚色かは分かりませんが、脚本も書いてるショーン・ペンが実際のクリスの両親に映像化の許可を得るのに何度も脚本を練ったというのは良く分かります。両親の良い部分も悪い部分も赤裸々に描かれてるんですが、そこにもきっちりと筋が通っているし、放浪に放浪を重ね、沢山の人々と触れ合い心の交流を重ねたのに、それでもアラスカの僻地で一人孤独に死んでいったクリスを、愚かにも清廉にも描いてある。良い部分も悪い部分もきっちりと描いてあって、観る側は不思議な気分になります。分かるような分からないような。私はぶっちゃけ、クリスの甘チャンぶりにイライラしたんですが、それでも突き放せない何かがあって。決して共感は出来ないのに、分かる気がするのね。そこがこの映画の主題のように思えるんですよ。物事は一方からではなく、色んな方向から見れるし、そこには色んな理由があって。ただ、1行や2行で知る事実に本当は何があったのか。そういう色んな事を考える事の出来る映画でした。脚本・監督のショーン・ペンの視点はどこまでも優しい。とても真摯に作られてる映画です。クリスの放浪で描かれるアメリカの大自然も見所です。オススメです。


落下の王国。これは前評判が高かったので観たかったんですが、『イントゥ〜』同様都合が付かず。これなー、映画館で観るべき作品だとは思う。あの映像美は大スクリーンで観てこそでしょう。ただ、私は映画館で観てもそこまで感動はしなかったかも。確かに映像は凄い。ハンパない。んで、アカデミー賞で衣装賞を取ったという日本人スタイリストの衣装も凄い。観てるだけで幸せな気分に。ただ、ストーリーが薄いんだよなぁ。大怪我をした自殺願望を持つスタントマンの男の作り話がまるでRPGゲームみたいな話で、そんなにハマれなかったし、現実の話もそこまで深みもないし。ビジュアルムービーだなぁっと。ただ、そのビジュアルは本当に素晴らしいと思いますよ。あと、スタントマンの話を聞く女の子が凄く印象的で残ります。彼女の存在がこの映画の救いだよなぁ。ただのビジュアル映画に留まらずに済んだのは。