『タイガー&ドラゴン』 第8話。〜出来心の回〜

綺麗に話がまとまっていた『猫の皿』の次の『出来心』は最初に見た時にはとっ散らかった印象を受けたんだけど、2回目に見た時には随分と印象が違いました。無茶苦茶なようでいて、実はかなり深い話だったと思います。下ネタバリバリだし、暴力シーンも多いし、お茶の間には大層受けが悪いだろうけどねー。しかし、回を増す毎に下品さがレベルアップしてますな。特にふんどしパブは深夜枠でも放送出来るかギリギリってぐらいのヤバイ絵でした。アレ本当にいいの?(笑)『猫の皿』がずーっと真っ直ぐ1本な流れの川としたら、『出来心』はぐちゃぐちゃと支流だらけ(時には氾濫)の川が最後に1本の川になるみたいなそういうお話だったかな。
今回の虎児の落語は本家の『出来心』と上手くリンクしてあったかっていうと、殆ど結びつきがなかったし、強引過ぎる気がしたんだけど、アレは「裏は花色木綿」というサゲの言葉を言う為に作られた落語なんだよね。だから強引でもいいんだ。いや、強引だからこそ面白いのかもしんない。そう考えると、『権助提灯』の時も落語と現実があまり上手くリンクしてなかったように感じたけど、あれもサゲの「夜が明けた」って言葉に結びつけるのに作った話だとしたら、それはそれで落語作品としては面白いのかもしれませんね。私は全くといっていい程、落語の知識は無いんですが、全然違う噺なのにそこから強引にサゲのお決まりの文句へ結びつけて、同じ演目だって言い張るのは、落語の知識がある人ほど笑えるんじゃないのかな?それともやっぱり古典落語への冒涜?虎児の落語には、『現代の話と古典落語を上手く合わせる』のと、『無理矢理古典落語に結びつける』の2種類あんじゃないかなーなんて。まーどうしてそんな事を思ったかっていうと、「裏は花色木綿」ってサゲに大きな意味があったからなんだけどね。このサゲを愛用していたケンちゃん(組長)と、そのサゲの方が好きなのにケンちゃんが愛用していたから封印しているドンちゃん(どん兵衛)その両方共が師匠である虎児が「裏は花色木綿」というサゲを使う事で、どちらの師匠も立てて、しかも2人のわだかまりを薄めてあげた。虎児って本当に凄い。
しかし、虎児の凄さが際立っていくほど、竜二の存在感が薄まっていくというか・・・・・・・今回、出番少なかったしなぁ。段々と、バディ物ではなくなってるよね。どっちかっていったら、今は『タイガー&どん兵衛』かも。どん兵衛さんの存在がデカ過ぎる。いや、最初の触れ込みがバディ物だったからってそれに拘るって訳じゃないんだけど、もうちょっと竜虎が並び立って欲しいなぁとは思います。このドラマって縦の関係は物凄く丁寧に面白く描かれてるんだけど、横の関係の描写がいまいち希薄というか。まず、虎児と竜二がそんなに仲良く見えないですしね。2人は『落語』以外では繋がってないように感じます。あんまり2人で動いてないからそう感じるのかなぁ。正直、竜二に関してはメグミとのいちゃいちゃに時間を割くより、もっと虎児との関係を描いて欲しかったな。あと、竜二と銀次郎も仲悪いのかと思ったらあっさりと仲良くなってたり・・・・これは、虎児の噺で竜二が銀次郎とリサの仲を取り持ったのを知ったおかげかもしれないけど、初回で凄く意味ありげに険悪な関係に描かれてたから、その辺の描写もあるのかなって期待しちゃってました;ま、そこまでは無理かぁ。そんだけ描こうとしたら2クールいるか。若い2人だったら、今回の何やってもダメダメ銀次郎と「オレにくっついてろ」の虎児の関係は良いなぁと思うんですけども、これも縦の関係だしなぁ。あれは友情じゃなくって、ダメ息子とそれを守る母親の図だわ。
しかし、この横の繋がり云々は、私の個人的な好みです。親子や師弟の関係はあれだけ描けてるのだし、そのおかげでドラマの完成度も高まってる訳だし。横の関係がメインだと、きっと、ガチャガチャしてたと思うんですよね。タイガー&ドラゴンが笑えて泣けるのは縦の関係がきっちり描けてるからだと思います。ただ、まぁ・・・・個人的に個人的にです。個人的に横の繋がり=若い友情物語が大好きなものでー。長瀬&岡田って事でちょっとそれを期待し過ぎてたんですね。
ま、今回の最後のシーンでの虎児と竜二の会話が良かったので、まだ期待出来るけどね。あーいうシーンを増やして欲しいと思うんだよ・・・・・・・・ハイ、ワガママっすね。

『出来心』は銀次郎がメインっぽく画面には一杯映ってたけど、全く良い所ナシでしたね〜。私、本気で塚本君のファンなので最初はガックリだったんですけど(苦笑)銀次郎的にはアリかナシかって言ったら全然アリでした。(笑)いかにも銀銀らしいよね。虎児にボコられ、ふんどし集団に襲われ、リサに蹴り倒され、神保組にもボコられ・・・・とずっとボコボコで散々な目に合って、最後まで良い所無しって・・・・・・・・・・かなり悲惨なんだけど、塚本君だと悲壮感がないんだよね。惨めにならないの。それは彼の才能だから、そこを最大限に活かしたクドカンは塚本君の俳優としての力とキャラクター性を信用してるんでしょう。そう考えると銀ちゃんが可愛く見えてしょうがないよ(単純)
ダメダメな銀次郎のお友達はやっぱダメダメなゴールド金子君。『パッチギ!』のアンソンと同じ人物と思えないヘタレっぷり・・・・・高岡蒼佑君は役者やのう。ドラゴンソーダの着こなしもお見事でした。(笑)塚本&高岡はプライベートでも仲良しでこの『出来心』の為に自宅で本読みまでしたそうで、その甲斐あって金&銀の掛け合いは凄く息が合ってましたね。あと、凄くドラマの空気に馴染んでた。わざわざ塚本君に放送前の『タイガー&ドラゴン』のビデオを借りたっていう高岡君の努力は報われてましたねー。
そのダメダメな若手2人とは逆に組長と日向さんが格好良かった!特に日向さんは反則だよ〜〜〜格好良過ぎだよ〜〜鶴瓶の落語はテレビで見てても面白かったなぁ。全部、鶴瓶のネタでしたね。あのおしぼりの話もヤクザの話も聞いた事あるのに、笑えるっていうのは、あれこそ落語なのかなぁ。

ツボと細かい感想。

  • 今回の高座は先週の予告で鶴瓶と思わせておいて荒川良々。落語上手いよね。
  • おもしろトリオ再登場。おもしろトリオって。
  • 日向「見てたのに」
  • 虎ちゃんのメルセデス瞬間移動(瞬間でもないけど)
  • タイガー&ドラゴン・・・・」なんで良々上目遣い?
  • 「ずーーっと下!」と一緒に言ってる沙耶ちゃん。
  • どうでもいいけど劇中で流れる女の人のコーラスが「ファンケル」に聞こえて仕方ない。
  • 「虎ちゃん顔が赤くってチンコみたい」(もうチンコ発言ぐらいじゃ驚きゃしませんよ)
  • 「久し振りだな何やってんだよ」「パチスロ」(何が凄いってこの短い会話だけでバカと分かる所が)
  • 全身ドラゴンソーダの金子。改めて・・・・・・・ださっ。
  • ピンクレディーは今の若い子的にはナシなんですか。そうですか。
  • ニット
  • 西田さんの落語が本当に上手くなってて凄い。
  • しかし鶴瓶の標準語は下手糞。
  • 思ってた以上に髷姿が似合ってる塚本君。
  • ここでふんどしパブ。何度見てもこのシーンの必然性が分からない。ごめん何度も見てます。
  • サダヲはともかく昇太がノリノリなのが笑える。どん吉とどん太のただれた中年の裸体がより本物臭くしてます。
  • さいごべえのモデルは平泉成?凄く声が似てるんだけど。
  • 現実でも襲われてたっぽい銀銀。塚本君は一度クドカンに疑問を持つべき。
  • 金閣寺銀閣寺。
  • マツケンサンバ
  • モザイクでかっ!(またファンケ〜ル)
  • この「オーイエス」は猫背椿
  • あれでモザイクが無くなって見えると思ってるなら銀銀のバカは本物だ。
  • 裏ビデオじゃねぇかよっっ!」「裏DVDだよ」(どっちでもいいよ)
  • 岡田君の落語は心臓に悪い。
  • 銭形金太郎でも見た事ねぇぞ」
  • 劉さん再登場。劉さん100%裸。
  • 『中谷中』も再び。
  • おぎやはぎみてぇな名前だなぁ」(辰っちゃん『ポケットソケット』よりウケたよ)
  • 「ギンギンそんなおっきな事出来る器じゃないじゃん。バカだし髪型変だし」(蹴り放題に言いたい放題なリサ)
  • また小虎の偽者を演じるジャンプ。
  • 「おい、どんぶり。洗濯バサミと熱々のおでん買っといで」
  • 西田敏行歌謡ショー。
  • 満を持して組長が高座に登場。本当に面白い!外人も笑ってるよ!
  • 「アホ・・・・・枕しか喋ってへんわ」「子分の穴を埋めんのが親分の義務や」(かって鶴瓶をここまで格好良く描いたドラマがあったろうか)
  • 虎児の落語にウケる竜二(このシーン好き)
  • 若頭・日向さん最強伝説(木刀が斬鉄剣に)
  • 「ついでに言っとくとあのフランス語もウソなの」
  • ヤスオ再登場!またもVシネモードか?


『出来心』って最初は今までで一番つまんないかも?って正直思っちゃったんだけど、何度か見返すと味が出てくるお話。金子さんの演出は画面転換が忙しないけど、実に分かり易い演出をしてくれる人だなーと関心。でも、やっぱあのふんどしパブは必要無かったんじゃないか〜?そりゃ、私はあった方が嬉しいけど。ごちそうさまでした。あれで視聴率また下がるんだろうなー。(泣笑)