『菊次郎とさき』 第6話。

今回は武が家出してから5年後の話。ゆったりと時が流れていた少年期と比べて青年期はヤケにスピーディですね。しかも、出てくるキャラクター全員が5年の月日を微塵も感じさせないっつーのが何ともかんとも。(笑)5年も経ってんだよ?みーんな前回と全く変わってないんだもの。いかにもドラマやの〜〜と思いつつも、このドラマなら許されるというか。面白いから、ま、いいかって。リアリズムを追求するような内容のドラマじゃないしね。ほら、武が塚本君なんだもん。ある意味ファンタジーですよ。
6話も面白かったんですが、好みとしては5話の方が好きでしたね。やっぱり、もうちょっと武には北野家に居て欲しかったかな?武の属する浅草と菊次郎とさきと大の属する北野家で話がぶっつり分かれちゃってて、ちょっとまとまりが悪く感じました。特に浅草部分は重くって、軽いテイストの北野家の邪魔をしてる感じがしたんだよねー。どっち付かずっていうのでも無いんだけど、違うドラマを同時に流してるみたいな感じが少ししたのね。交じり合わない感じが。それは、まだ、1話しか登場してない青年版たけしに馴染みが薄い上に、浅草に登場してくるキャラクター全員が初登場だったからだと思います。そんな中で何の説明もなく普通に登場してた(笑)うしさんのそっくりさん(草笛光子)の存在が救いというか。草笛さんの役は遊び心で出てるようでいて、案外重要だったのかもね。ホッとしました。
武の師匠役でガダルカナル・タカが出てたんだけど、ちょっと重みに欠けましたかな。ただ、この師匠が良い言葉を一杯言ってたので、役的には良かったかもしれんけど。小田茜は姉御肌のストリッパーが意外にハマってました。なかなか色っぽかったです。ほんの3年ぐらい前の彼女だったら、こんな役にキャスティングされる事無かったのかなー。彼女のイメージを壊せた『僕の魔法使い』に出たのは大きかったのかな。色んな役が出来る良い女優さんになりましたね。前回の『菊次郎とさき』にレギュラーで出てた美保純が浅草編になって再登場。決して美人でないのに、何だろうあの色気。色気のある人って年を重ねても格好良いからいいですね。荒川良々はまだまだ本領発揮してないから、これからかな。

しかし、武は5年経っても全く成長してませんな。(苦笑)逆に義太夫が子供の頃より下手糞になってましたよ。そこだけリアル武?(笑)あの子何やってたんだろー。緊張感無いというか、呑気というか。ストリッパーにデレデレしちゃってさ、姐さんにも、ばあちゃんにも甘えちゃってさ。師匠のおごりの寿司もウニをガブ食いかい。ハングリーさがまるで無いですよ。ま〜〜さきさんにあんだけ甘やかされて育ったんだから仕方ないか。家出先の家賃までかあちゃんに払って貰ってたんだしな。だから、その呑気〜で甘えん坊〜な武青年が現実の厳しさを徐々に知って行く姿は痛ましかったかな。師匠に怒られ放しだったしね。(でも、現実の芸人修行はもっともっと厳しいだろうけどそこはドラマ)ホラ、演じてる塚本君が明るさ満点だからさ。その分、最後の涙流してのタップシーンは可哀想に見えましたね。室井さんの泣きの演技に涙腺がユルユルですよ。アレはお年寄りは80%泣いてるな。本当、このドラマはさきさんが凄い。母親の存在感が凄い。でも、わざわざ演芸場に足を運んだのに、土壇場で逃げた菊次郎も可愛かった。「武を笑えない」から観に行けなかったって言う菊次郎とうちゃんは凄く素敵でした。男ってここぞって時に臆病なんですよね。ホントバランスの良い夫婦だな〜〜。さきさんが居て菊次郎さんが居る。今回は菊次郎とさきのドラマでしたね。青二才の武はこの2人の凄さの前じゃ、霞んじゃった。

最後に何度目だ?塚本君・・・の女装姿。まー美しかったですね。あの場面であんなに女装がキレイっていうのはマズイんだろうけど(笑)良いモンを見せて頂きましたー。タップを踏んでる時の泣き顔も絶品だったしね。師匠に「両親は芸人になる事知ってるのか?」って質問されてる時の戸惑った表情が一番好きでした・・・・とid:orange-marbleさんにご報告っと。