『広島・昭和20年8月6日』

スローダンス』はいつも録画しているので、こっちを見ました。スロダンはまだ見てません。今回も面白いといいんだけどなぁ・・・・・。
こういう反戦ドラマに対して、批判的な事はあんまり言いたくはないんだけど・・・・・・つまんなかったぁ。ほんと、つまんないドラマでした。戦争の悲惨さが全然伝わってこんのよ。終戦60年を記念したこのドラマ。何を描きたかったんよ?って問いたい気分。2時間半の中でやたら無駄に長いシーンが多くってイライラしました。特に憲兵長澤まさみ演ずる女の子とその友達の2人を追いかけるシーン。むっっっちゃ長かった。10分ぐらいなかった??なんでそんなに長く追いかけっこする必要あるんじゃー。そんなもんの他に描かなきゃいかんもんが一杯あるでしょ。で、そんな長〜く時間を取って必死に憲兵から逃げたって事も松たか子が「軍のお偉いさんに取り成して貰うから」って言って終わり。なんじゃいそれ。加藤あいが捕まった時もその軍のお偉いさん(ラッパのマークの人)に松たか子が懇願して、無罪放免に。随分、優しいというか簡単なのね・・・・・。そんな都合の良い事ばかり(姉妹の家が旅館を営んでるので、食べ物に不自由していないとか)なので4姉弟が戦争の中を強く生き抜いていくっていうのも、ぬる〜〜い感じ。3姉妹(松たか子加藤あい長澤まさみ)もいつも化粧してるみたいにキレイキレイ〜で。戦時中の食糧難とか、間近の死への恐怖が伝わってこないの。あ、ただ、広島は核爆弾を落とす実験地として、アメリカから空襲を受けてなかったので、その辺は仕方ないのかもしれないけど。
でも、最後まで見ちゃったよ。最後の『その時』を確認したくて。しかし、『その時』で一番、印象に残ったのは松たか子の鼻の穴のアップでした・・・・・・・。その後は国分太一君の黒い雨の中での号泣シーン。良いシーンの筈が、雨や原爆ドームがモロCGって丸分かりで・・・・・・太一君の熱演が虚しかった。このドラマの為に坊主にしたって太一君の意気込みだけは買いたいと思います。しかし、全然、つまらないドラマだったのに、最後の西田敏行先生の戦争への訴えには涙が滲みました。本当、素晴らしい演技だったわ。西田さんの語りで、ようやく、3姉妹の哀しさが伝わってきましたもの。西田さん、ほんの5分ぐらいの出演だったのに凄いなぁ。

最後のエンディングは夏川りみの『涙そうそう』に合わせて、被爆者達の写真や映像がモノクロで流れました。その写真のむごいこと。目を背けずにはいられませんでした。これが戦争なんだよって伝えたかったでしょう。でも、そんな写真で戦争の悲惨さを伝えるのなら、ドキュメンタリーを作ればいいんですよ。あのむごい写真の悲惨さが伝わってくるようなドラマを作って欲しかったです。あんな上っ面な作りじゃ、終戦60年ドラマって『流行』で作ってるようにしか思えないもん。
私が小学校の時に体育館で見させられた戦争映画は本当に怖かった。『ガラスのうさぎ』とか、『はだしのゲン』とか。修学旅行で行った広島での原爆記念館での被爆者の写真や被爆体験談はあまりに怖くて今でも覚えています。そういう怖さ、切なさを伝えて欲しいですね。