『深紅』

『深紅』 ★★
製作国:日本 公開年:2005 配給:東映 上映時間:117分
原作:野沢尚 監督:月野木隆 脚本:野沢尚
出演:内山理名/水川あさみ/内田朝陽/塚本高史/堀北真希/平田満/南野陽子/田中好子/島田楊子/小日向文世/緒形直人/他

★2つ評価は低過ぎるかなーとチラっと思ったんですが、レビューなんて所詮は主観の塊なので、感じたままに書かせて頂きます。なんで低過ぎると思ったかというと、脚本はそれなりに良かったと思うんですよね。あと、役者もそれぞれきっちりと仕事をしてました。ただ・・・・・・・・私にはこの映画の演出がすっごく合わなかったんです。古臭く・・・・・・観てる間ずっと「ダサっ!」って心の中で叫んでました。あのワケわからんCGでの演出はなんだったんでしょうか?なーんか一昔前の土曜ワイド劇場チックなんですよね〜。火サスよりジメーーっと暗いのね。映画でもドラマでも脚本さえ良ければ、作品としてはそれなりに成り立つのかと思ってたけど・・・・・・映画は違うんですよね。だから、映画は脚本よりも監督の名前が重視されるんだよね。今更、痛感しましたよ。映画ってものにおいては、演出(監督)が一番大切なんですね。勿論、脚本が良くなきゃ、監督が幾ら優れててもダメだと思うんだけど・・・・・大スクリーンで観る映画ってものには、画面をもたせる力が最重要なんだなぁ。よく分かったわ。
監督の演出も土曜ワイドちっくだったけど、主演の内山理名テレビサイズの存在感なんですよね。だから、スクリーンで観ると余計安っぽく感じるの。彼女、昔よりも演技は随分、良くなったとは思うんだけど・・・・なんつーのかな・・・・・女優としての面白さを感じないんですよ。これといって特別に美人ではないし、スタイルもあまり良くない。(水川あさみと並ぶと・・・・)ならば、日常を描けるリアルな存在感があるかっていうと・・・・・・そうでもないし、作品の為なら何でもしますっていうような気迫も感じない。面白みが無いんですよね。この作品で一発、濃厚な濡れ場でもやってくれたなら、こっちのイメージ(主観)も変わったかもしれんけどねー。イメージなんてそんなもんです。1つのきっかけがあればガラっと変わる。そんなもの。この映画での彼女はテレビ女優の域を抜けてなかったなぁ。だから余計、この作品を土曜ワイド臭く感じるんだな。これでも私は彼女のフォトブックを買っちゃうぐらい昔は好きだったんですがね〜。(苦笑)特別に美人ではないと書きましたが、彼女の顔は好みなんです。でもな〜〜女優としての力と役の大きさが伴ってないと思うんだよねぇ。なんつーかその辺は芸能界の裏というか、黒いイメージが。存在感なら水川あさみの方がありましたねー美味しい役どころではありましたが。彼女の瞳の暗さが光ってました。しかし、水川あさみって相当美人だと思うんですけど、この映画ではあんまり綺麗ではないというか・・・・・・つか、この作品に出てくる人皆、綺麗に撮られてないんですよね。内山理名だってもうちょっと綺麗だと思うし、良い表情もしてたんだけど、全然綺麗に見えないの。あの美しいポスターはなんなのさ〜〜〜JAROJARO!!せめてあの半分ぐらい美しく撮って欲しかったわ・・・・・あ、でも堀北真希は可愛かったです。彼女、アニメみたいな顔なんですよね。だからどんな映し方しても可愛いじゃないかな。表情が乏しい感じがしたけど、奏子の子供の頃の役にはピッタリでした。小学生に見えたかっていうと、無理があったけど。(笑)顔だけの時はギリギリ見えてたんだけど、全身映したら大人でしたね。
あと、着てる服がとにかくダサいの。だから余計「ダサっ」って心の中で叫んでた訳ですが。なんであんなにダサいんでしょうか?まーファッショナブルにするような作品では無いと思うんだけどさーーせっかく大画面で観るんだから、視覚的にも楽しませてほしいじゃないのさ。画面も暗いし、着てる服もダサいんで、10年ぐらい前の作品を観てるような気分でしたよ。そして全然作品に合ってないエンディングの曲・・・・・・・・・・更に土曜ワイド臭が。







=======※以後ネタバレあり=======

ストーリーはそれなりに楽しめました。殺人の犠牲者の娘とその犯人の娘との奇妙な交流は丁寧に描かれていたと思います。最後の最後(キスではなく)のオチも私は好きですね。あのお互いが携帯電話の名前を消したことによって、話が膨らんだと思います。未歩が奏子の素性を知ってると知ってないでは、話が全然違って見えますもんね。奏子と同じように、未歩が奏子を陥れようと、殺人計画を実行しようとしたのかもしれないし、そうじゃなかったかもしれない。あのラストのおかげで、2人の心情をより複雑に考える事が出来たように思います。ただ、2人の関係や心情は丁寧だったんだけど、その他が薄っぺらかったんですよね。犯人・緒形直人と被害者・小日向文世の事件が曖昧というか。あの父親が4人もの人間を殺すまでに至る動機がチト弱い気がするし・・・・・まぁ、あの動機は犯行に及ぶきっかけみたいなもんだったと思うんですが、最初、誰も殺す気が無かったという未歩の父親が4人も殺してしまうまでの狂気があまり描けていないと思います。緒形直人は熱演してたと思うんだけど、ここも演出が・・・・・。この一家4人惨殺事件は描くのであれば、もっと深く描いて欲しかったなぁ。両父親の心情をもっと分かるように。そうすれば、娘の2人に残した傷と罪がより活きたと思うんだけど。そこに時間を使えないのであれば、逆に事実描写と、平田満の記事だけで良かったような。中途半端なんだよね〜。あと、この映画を観に行った目的の80%である塚本君。先に、塚本君の役っていらなくね?って書いたように、必要性を感じませんでしたねー。本筋に関係なく取って付けたように出てくるから、原作に出てこない役なのかと思ったぐらい。でも、原作では結構重要な役だったようでビックリ。塚本君の役どころは主人公の彼氏の役で、その立場と、塚本君が演じてるって事と、奏子の秘密を知ってる風な言動で、キーポイントになるキャラなのかと思ったら、全然、そんな事はなく。超肩透かし食らいます。画面に居ただけでした。多分、あの彼氏の出てくる場面を全てカットしても作品は十分成り立つんじゃないかな。だから、塚本君の出てる部分が時間の無駄なの。(苦笑)つか、居ない方がすっきりするよ。妙に意味ありげだから何かあるんじゃないかって混乱しちゃうんだもん。塚本君出演の分、父親の描写に回した方が良かったんじゃないか〜?って。CMで使われてたラブシーンも唐突だし、あのCMの部分がほぼ全て。(泣笑)結構、しっかりとチューしててちゃーんと舌絡めたりしてるっぽいんですが(すんません、下世話で)唇の重なってる部分があんまり映ってないんですよね。それでそんな中途半端なチューの絵で終わり。ええ?ベッドシーンないの??せ、せめて服を脱がせようとする描写とか・・・・・・無しですか!!こんの野郎〜〜この映画を観に行った目的の90%が塚本君のベッドシーンだったのに。(増えとる増えとる)監督がーー!!!あんな取って付けたファンサービス以外なんの意味も成さないラブシーンならもっと萌えさせろや!!!ラブシーンがちゃんと萌えさせる絵面だったら、塚本君が出た意味があったのにねぇ。この監督の映画は二度と観に行かんわ。やっぱ東映キライ!!


・・・・・・・・・と、こんな主観に満ちた感想をここまで読んで下さってありがとうございました。ほとほと、まともな感想書けない奴だとよく分かりましたわ。あ、そうそう書き忘れた。最後のなっがーーーーーいキスシーンいらね。