最近観た映画。


まだ他にも観たような気が・・・・・・・って何回同じ事書いてんだ。

『ゆれる』 ★★★★

UDON』 ★★☆

涙そうそう』 ★★☆

『劇場版・パトレイバーⅢ〜WX III * PATLABOR THE MOVIE3』 ★★★★


私の評価と世間的評価とはつくづく違うんだろうな〜〜と思います。特に『涙そうそう』ね。『涙そうそう』は試写会の前から評判の良さが伝わってきてたんで、そこそこは期待して観たんですが、いまいちだったなぁ。でも、世間での評価は高いんですよね。大体ブログの感想を読んでも概ね好評。「号泣しました!」みたいな感想だらけ。う〜〜ん、私は涙が一滴も出なかったんだけどなぁ。確かに日本人が好きそ〜〜な分かり易〜い感動的〜なお話だと思うけど、金払って大画面で観る映画としては物足りな過ぎる。ココ!ってこだわりを感じないんだよね。あと、私が不幸な話では泣けない体質だからかしらん。もっと、幸せな部分を描いてくれてたのなら、最後も活きたのかもしんないけど、この映画って割とずっと不幸なんですよね〜。(苦笑)しかも、独りよがりの不幸っていうか、言い方悪いけど勝手に不幸になってる感じがしましたねぇ。それを不器用って言うのかもしんないけど・・・・・・・・なんか違うよなぁ。可哀相なだけの話じゃ泣けないんだー。あ、でも(ネタバレ→ エンドロールの最後の最後での振袖を着るカオルの写真はグっときた。)ああいうさりげない演出が映画本編でも欲しかった。土井さんの演出、良くも悪くも丁寧過ぎて、あまりに今までのお約束通りの演出っつーのか、分かり易すぎて、逆にテレビサイズになってるっていうか・・・・・・・(ネタバレ→ ニィーニィーが死ぬ時のカオルの「ニィーニイー!!」って絶叫の演出、あまりにお約束でコントみたいでした。)せっかく沖縄っていう最高のロケ地を使ってるんだから、もっと絵で魅せて欲しかったです。ロケ地もロケセットも小道具もなかなか良かっただけに余計勿体無い。ウチナー弁は凄く良かったけどね〜〜〜いいよねぇ、ウチナー弁。聞いてるだけでほっこりくるんだよ。出演者それぞれの方言の上手さや下手さなんぞ地元民では無いので分かりませんが、妻夫木君もまさみちゃんも麻生久美子も喋り方が凄く可愛らしかった。それは収穫。
でも、まぁ、とにかく主役の2人の泣いたり笑ったり怒ったりする姿はお腹一杯堪能出来るんで(逆に言うと他の俳優が勿体無い)妻夫木&長澤ファンには最高の映画なんではないかな。しかし、私はこの映画の妻夫木君は演技はともかく、あんまりいいと思えなかったんだよねぇ。妻夫木聡は与えられた役をしっかりと演じていて、なんつーか、『俳優』として貫禄ついてきたな〜〜って、彼の成長ぶりは十分分かったんだけど、単純にいいと思えなかった。多分、私はニィーニィーが好きじゃないんだ。人の助けを借りられない独りよがりな人間って好きじゃないの。長澤まさみちゃんは、ただただ、彼女本人の魅力のみで引っ張ってる所があって、映画のスクリーンで観る彼女は本当に眩しくて、下手すれば妻夫木君すら霞んじゃうくらいなんだけど、その輝きみたいなものだけで、これからずっと活躍して行けるのかどうか。何を演じても長澤まさみでも、それを確立出来たら立派なもの。さて、彼女がこれからどんな女優になっていくのか楽しみでもあり不安でもあり。



『ゆれる』。評判通りに良い映画でした。これはなかなか観に行けなくて諦めかけてたんだけど、地元でまだやってて友人がどうしても観たいって言ったので。上映してる映画館がめっちゃ行き難い場所で辿り着くのにめちゃめちゃ時間が掛かったんですが、これは観に行って良かったです。これはねぇ・・・・疲れる映画だよ。(苦笑)登場人物の思惑が計れないんで、ずっと探ってる感じ。だから、すっごい疲れた。あと、これ1人で観ると辛いかも?(笑)1人だとあれこれ考えてすんごい悶々とするよ。誰かと一緒に観る事をお勧めします。観た後は一緒に観た人と香川照之は何を考えていたんでしょう会議をした方がいい。(笑)いや、『シリアナ』みたいにストーリーがややこしいとかじゃないんだけよ。話の大筋はとてもシンプルです。ただ・・・・・・こういうのを玉虫色って言うのかな。これは観る人によってそれぞれ違う色の映画に見えるかも。全然複雑ではないんだけど、何だか迷宮に迷い込んだような複雑さがあったなぁ。これ観客が目撃者なんだ。いや〜〜〜この映画のタイトルは本当によく出来てる。正に『ゆれる』だわ。色んな意味で取れるんだけど、一番『ゆれる』のは観客なのかも。事実っちゅーのは1つしか無いけど、真実っちゅーのは実は一杯あるのかもしんない。逆に真実なんてどこにも無いのかもしんない。起こった事実に対しての答えってのは無限にあるんだわ。だからね〜〜〜〜答えがよく分からないの。多分、何度観ても答えは分かんないと思う。私としては、もうちょっとくっきりとした道筋が欲しかったんだけどね。ちょっと消化不良気味。でも、この映画が高く評価されるのはよく分かるなぁ。凄く良く出来た映画だもんね。これ、脚本と監督が一緒の人間でないと出来ない作品かも。話の筋を作る人間とそれを映像化する人間の描きたい物に少しでもズレがあると途端に歪みが出て来て作品の世界が壊れると思うんだよね。そんぐらいギリギリ。正に『ゆれる』。いや、映画も良く出来てるけど本当に良く出来たタイトルだわ。
いい作品っちゅーのは当然役者も素晴らしい訳で、オダギリジョーは今回も最高でした。この男、どんだけ良作に出とるんだ。しかし、オダジョってさ〜〜世間一般では個性的だって思われてるけど、演技は本当シンプルっていうか、あんまり色が無いよね。無味無臭っていうか。だから逆に色んな色に染まり易いのかも。んで、その何にでも染まり易い演技に、絶妙なバランスの外見を持ってるから、重宝されるんだろうな〜と思います。彼は自己プロデュースのとても上手な方なんで、ここまでの位置に来たのは、正にそのプロデュース力の賜物なんだろうなぁ。対する香川照之はとにかく濃いな〜〜〜って。気持ち悪〜い、良い演技してはります。(褒め言葉)この2人、薄さと濃さのバランスが丁度良かったわ。この映画が色々と考えさせられる映画になったのは、やっぱ香川照之の演技のおかげだろうし、それを受けるオダギリジョーのいい意味の普通さが良かったです。そして、真木よう子が良かったんだよ〜〜〜。今回、私の一番のビンゴは真木よう子だわ。凄く美人なんだけど、なんとなーく田舎でくすぶってしまいそうな感じが出ててホントぴったりだったわ。表情の作り方も繊細で上手。これからも注目していきたいなぁ。あと、新井浩文。最初、新井浩文勿体無い使われ方かな〜〜?なんてちょっと思ったけど、やっぱちゃーんと新井浩文でないとって役柄でした。彼は和製ソン・ガンホだよな〜〜どっち(善悪、静動、優劣)とも取れるルックスで、役者として大変恵まれてる上に、そのどっちの佇まいともきっちりと表現出来る人。日本なら古田新太かな〜。伊武雅刀も良かった。あと、意外な場所に意外なキャストが出てて、ちょっと驚いた。『THE 3名様』のウェイトレス・安藤玉恵が出てましたヨ。やや、得した気分。うん、いい映画はキャストの無駄遣いも無いのがいいね。これはDVDになったらもう1回観たいな〜〜で、また答えが見つからず悶々するんだろうな。(笑)


UDON』・・・・・・・まぁ、うどんが美味しく見えたので、食べ物映画としては合格。ただ、一番期待できそうな主人公のユースケとトータスの会話が寒かったのが頂けない・・・・・・・・そこ誰でも期待すんじゃね?脚本は割りと好感触なんだけど、その映像化に当たって色んないらない物を足し過ぎてしまった感じ。本広監督の内輪ウケ的な演出にはダダっ引きでした。『サマータイムマシンブルース』のメンツが出てきたのは嬉しいけど、ちょっとしつこかったしね〜。全体的にやり過ぎなんだよね。カメオ的豪華キャストもやり過ぎると鬱陶しい。ユースケは本当にユースケだし。(苦笑)小西真奈美は可愛かったけどね。鈴木京香小日向文世も特にいつもと変わりないキャラだけど出てくると安心出来た。あと要潤も格好良くって、ちょっと馬鹿っぽくてなかなかイイ感じでした。しかし、なんつっても木場勝己ですよ。この映画はもう木場勝己だけでイイ映画観た気分になれますよ。木場勝己に星1つ進呈。あと、脚本は結構いいと思ったよ。定番ながらも盛り上げ方も上手く、最後への収束の仕方もお見事。最後にはユースケも活きてたしね。正直、別の監督で観たかったかなぁ。


『劇場版・パトレイバーⅢ』。これ凄いよ。本当、日本のアニメってこんなに凄いんだね〜〜凄い凄いとは思ってたけどここまで凄いとは。これは観た事ない人は是非、観た方がいい。ビックリするから。めっちゃドキドキするから。あ、ちなみに『グエムル』とは全然違う作品でした。確かに設定で似てる部分はあるけど、作品としては全然違う作品ですよ。『グエムル』のパンフレットでポン・ジュノがインタビュアーに「『劇場版・パトレイバーⅢ』を思い出させる」と言われていて、「実はこの映画を観てない」って答えてたけど、それは本当だと思う。観てないからこそ、設定とか形状が似ちゃったんだと思うわ。これをポン・ジュノが観てたら、『グエムル』はちょっと違う作品になってたかもね〜〜。やっぱ似るのを避けたでしょうし。しかし、ウチの近所ではこの作品、ビデオしかなくって、久々にビデオデッキを起動させました。画面にノイズが走るのが懐かしい〜〜・・・・・・これ、忘れた頃にもう1回観たいな。出来ればDVDで。



さて、明日は『木更津キャッツアイワールドシリーズ』をちょっとお先に観て来ます。言いたくねぇけど「バイバイ」を言って来ます。