最近観た映画。

最近は暇があれば『木更津キャッツアイワールドシリーズ』を観てるので、連ドラをまともに見てません。でも、ワールドシリーズに夢中だけども、ここ最近、凄く良い映画が多くって、映画館で映画を観るのが好きな身としては時間も金も無く弱ってます。『フラガール』だって、まだ1回しか観てないよ。本当は映画館で3回ぐらい観たかったんだ・・・・・・・・・。せめてもう1回ぐらいは映画館で観たい。

木更津キャッツアイワールドシリーズ』 ★★★★☆(ファンとしては★5つ満点)

デスノート〜前編』ディレクターズカット版 ★★★

トンマッコルへようこそ』 ★★★★☆

フラガール』 ★★★★☆

10点満点で考えて、9点の映画が3作品も・・・・・・・・・・・物凄い採点の甘い人になってるんですけど、レビューみたいなものを初めて今まで9点の作品なんて滅多に無かったんですけどね。それが今年は5作品も。『嫌われ松子の一生』『タイヨウのうた』『フラガール』『トンマッコルへようこそ』『木更津キャッツアイワールドシリーズ』。次点としては『グエムル〜漢江の怪物』かな。でもこれは前の5作品に比べるとちょっととだけ魅力に欠けるか・・・・・・・・・この全てに共通してるのが、笑って泣けるっていうとてもシンプルなテーマ。人は笑うからより泣けるし、泣くからより笑えるんです。笑顔の中にこそ本当の涙はあるんだと思う。私はそういう作品に強く惹かれるんですが、今年は取り分けそのテーマが色濃い作品が多かったと思います。5作品とも悲劇を少なからず描いてるんだけど、どれも声を出して笑える作品なんですよね。面白いの。笑わせて笑わせて、より切なさを際立たせている作品です。5作品に共通してんのが、ちょっとコメディ色を入れて・・・・・とかそういう生易しいんではなく、ガッツリとと観客を爆笑させようと作ってるんですよね。だから感情の振れ幅が半端じゃないの。凄く笑った反動で余計に泣けるんですよね。この5作品は絶対にDVD欲しいです。勿論、プレミアムエディションで。(笑)あ、私の嗜好から外れますが『ゆれる』も良い作品でしたね。そう考えると、今年は空前の邦画の当たり年なんじゃないかな〜〜いい作品が多かった!



木更津キャッツアイワールドシリーズ』。これはまた別エントリーで書きたいですね。えぇ、タップリと。今回の映画はドラマからのファンだけでなく、映画を好きな人にも大いに勧めたい珠玉の青春映画です。なので、今回はちゃんと映画として評価したいなって。『木更津キャッツアイ日本シリーズ』は大好きな作品だけど、それはキャッツファンとしてであって、1つの映画作品としては評価出来なかったんだよね。正直、ファンでないと、ドラマを知ってないと楽しめない作品でした。でも、ワールドシリーズはこの作品だけでも十分面白いと思います。私、もう、このワールドシリーズを数えられないぐらい観てるんですが(もうすぐ2ケタ)、一度、ドラマや日本シリーズを抜きに考えて観てみたんですよ。ま、頭に染み付いてるもんだから、抜きにするっつっても限界がありますけどね。(笑)なるだけ単独の作品として意識して観たんですが、エピソード毎にさりげなく補足してあって驚きました。あんだけムチャクチャに見えて、意外にきっちりと設定を補足してあるんですよ。最初に観た時はね、ドラマ当時のエピソードとリンクしてる部分が多くって、初見の人にはちょっと分かり難いかと思ったんですが、一応ドラマと繋がってるのは繋がってるんだけど、単独でも成り立つように処理してあるんですよね。これ、ドラマも映画も観てないで観に行く人がどんだけ居るのか分かんないけど、この完結編という窓口からでも木更津キャッツアイの世界に十分入って行けたんじゃないかと思います。そりゃ勿論、情報量はハンパないし、ガチャガチャと物凄い場面転換の早さだし、煩いし、有り得ないし・・・・・で、そこでついて行けない人も一杯居ると思うんですがね。でも、それはもう単純にクドカンの脚本が合わない、木更津キャッツアイの世界観に合わないってだけで。これは単独の映画としてきっちりと観れる作品ですね。
案外、木更津キャッツアイのドラマを見てる人ほど、ドラマと繋がってる部分が多いから、ドラマ見てないと話が良く分からないんじゃないかって誤解してると思いますね。それと、初見の人でも、ドラマの映画化作品って先入観で観ちゃうと、分からない部分を全部ドラマ観てないからだって感じちゃうかも。
木更津キャッツアイ』って、実はドラマの時にも分からない部分(主に固有名詞)が沢山あって、そういう意味の分からない部分はニュアンスだけで大体こういう意味だろって読み取って、適当にやり過ごして済ませてたんですよね。リアルタイムで見てる時は、面白い面白い!って絶賛してても、実は100%意味が分かってる訳ではなくて。後でネットとかで本当の意味を知る・・・・・・・・・みたいな。そこが不親切で低視聴率だったのかもしんないですが、そういう分からない部分は軽く流しても余りうる面白さがあったんですよね。大体、普段の日常会話だって、100%分かって話をしてる奴なんて殆どいなくって、分からない部分を上手く流して、適当に会話してるもんですよ。分かってるフリってやつ。(笑)だから、そういう部分が余計にリアルに感じたんですよね。だから、木更津キャッツアイを楽しむのは普段の会話のように知らない事、分からない事を上手く流せるか流せないかって。ドラマ、前の映画を未見の人に観る前に勧められる事があるとすればそれかなぁ。
今、久し振りにドラマのDVDボックスを掘り返して、1話からゆっくりと見てます。やっと5話まで見終ったわ。新しいな〜。このドラマは、今見てもその斬新さに驚きますよ。このシーンの後にこれが!?そのセリフにその切り返し!?とか、もう驚きの連続。そして、本当に木更津に行けばあのキャラクター達がいるんじゃないかって錯覚する程、ドラマの中に流れているリアルな空気。これ5年前のドラマ?って思うぐらい、新しい。多分、この『木更津キャッツアイ』ってドラマは何十年経っても色褪せる事は無いんじゃないかな。そして、あまりに独自なので、この作品と比べられる物って出てこないんじゃないかと思います。『木更津キャッツアイ』ってジャンルなんだわ。



デスノート』はこの前テレビでオンエアしてたのを一昨日漸く観たんですが・・・・・・・・まぁ、ヒットするのは十分分かるけど、あんまりドキドキはしませんでしたね。題材は面白いと思いましたが、頭脳戦のくだりがちょっとヌルいかなぁ。天才VS天才の戦いなら、もうちょっと「ウソ!?」って驚くような仕掛けが欲しかった。あの程度なら、ちょっと賢かったら考えられそうだもんね。天才的!って感じではないなぁ。特にライトが天才的に描かれてなかったかしらん。最初のLの罠にものっそ単純に引っ掛かってたし。そうそう主人公・夜神月デスノートを手にした苦悩も描かれて無かったのもマイナス。天才VS天才の描写に限界があるんなら、そこを掘り下げても映画的には面白かったんではないかなと。いとも簡単に殺人鬼になってましたな。(笑)
ちなみに私は原作を全く読んでないのですが、原作知らなくても分かり易い内容でしたね。子供にでも分かり易い筋書きだと思う。その分、物足りなさもあるけど、その辺、エンターテイメント作品としては、良く出来てるんじゃないかな。あと、死神のCGがなかなか良かったですねぇ。あの死神は色々と制約がある中で、工夫を感じたわ。あとさ、どうでもいい余談なんだけど・・・・・・・・・この映画観る前に、凄く「藤原竜也の字が汚い」っていう感想を目にしていたもんで、どんな凄い字が出て来るのか想像してたんですけど、そこまで字が汚くなかったのがちょっと肩透かしでした。(笑)もっとミミズが這うような字かと・・・・・・・・・・・・藤原君の演技はこのデスノートという映画と夜神月って役柄に凄く合ってましたね。ああいう役は普通に演じたら物足りなくて、マンガキャラと実写との擦り合わせで歪みが出ちゃうんですよね。そしたらそこで醒めちゃって、荒唐無稽なストーリーに入り込めない。しかし、さっすが藤原竜也。舞台で鍛えてるだけあるわ。日常生活で絶対言わないセリフでも説得力あるんだもん。んで、L役の松山ケンイチがすんごい役になり切っててこれまた凄い。マンガまんまじゃん。あれは原作ファンは喜ぶんじゃないの〜?そういうツボはきっちり押えられていたし、後編への掴みもバッチリだったので、そこは良かったんではないでしょうか。ただ、私は単純にこの映画『デスノート』の世界観、あんまり好きじゃないな。すんげぇ不毛な話だわ。不毛過ぎる話は好きだけど、こういう何も生み出さない不毛さはちょっと。前編だけだからかもしんないけど。
DVD発売もされてない時期に前編をテレビ放映するという異例の宣伝が功を奏したのか、後編が爆発的大ヒットのようですけど、私は映画館でわざわざ観たいとは思わないかも。前編は観たんで少し続きは気になるけど、DVD待ちかな。



トンマッコルへようこそ』。試写会で観ました。そして公開された次の日にまた観に行きました。これはね・・・・・・・・・とにかく、ツボでした。この評価の高さは私の個人的嗜好も大いに含まれてるんですけど、まぁ、それ抜きにしてもとても良い作品だと思います。韓国では6人に1人が観たという大ヒット作。うんうん、分かる。いい作品だもん。これ、日本でももっとヒットしていい作品なのになぁ。勿体無い。
まず、観た時すぐの印象は・・・・・・・・・・ジブリだ。ジブリ映画だって思いました。何せ、音楽が宮崎駿作品の音楽担当の久石譲で、しかも思いっきりジブリ風。トンマッコルを象徴する置物もいかにもジブリ作品に出てきそうなディテール。トンマッコル村の設定自体が『もののけ姫』に出てくる村のような描かれ方ですしね。もしかしてパ○リでは・・・・・・・・・と勘繰りたくなるようなシーンも一杯出て来るし、朝鮮戦争っていうテーマがテーマだし、この辺で評価がばっくり分かれそうではあるんですけど、この映画にはそういう細かい事がどうでもよくなるパワーがあるのよ。とても純粋に人間の素晴らしさが描かれてると思います。何なら、宮崎駿のパ○リでもいいよ!本家がすっかり描けなくなってしまった人間同士の触れ合いや人間の躍動感と、本家では決して描けないであろう残酷な戦争の描写がきっちりと描いているあるんですもの。私は初期の宮崎駿作品が大好きだったので、この作品にはそれと同じ匂いを感じました。こういうの世界観を韓国で作られたのが悔しいけどね。(笑)
私の個人的な嗜好の話をしますと、まず、男の友情物語というのが凄く好きなんですよね。しかも、最初は仲が悪かったのに(この映画の場合は韓国と北朝鮮の兵士という立場上、最初は殺し合おうとするぐらい)それが段々とわだかまりが取れて行き、交流が深まって・・・・・・・・・最後に結束して立ち向かう、というそんな話に物凄く弱いんですよ。こういう少年マンガ的男の友情に。女だから余計に焦がれるんでしょうねぇ。あと、巻き込まれ系。当初はそういう予定では無かったのに、大切な物を守る為、仕方なしに・・・・・・・・・みたいなの。コレ系にも弱い。書いてて気付いた。まるで少年ジャンプじゃん!(笑)で、そんな男の友情を、主役のシン・ハギュンとチョン・ジョヨンが素晴らしい演技で魅せてるんですよね〜〜。この映画はこの2人だから素晴らしい作品になったと言っても決して過言ではないと思います。本当に2人の演技が凄くいいんですよ。表情1つで笑わせたり泣かせたり。2人の最後に見せる笑顔にはダムが決壊したみたいに涙が止まりませんでした。コミカルもシリアスもしっかりと演じられる2人だからこその良さでしょうね。他の俳優さんもいい演技してるんですよ〜〜若い2人の兵士がとても愛しかったですね。この若い2人がいいアクセントになってたかな。カン・ヘジョンは役柄が役柄なので判断し辛いけど。
前半、めちゃくちゃ笑わせて、後半にドっと悲しみが訪れる・・・・・・・・・・・・決して、ハッピーな映画ではないけど、それでも、生きる事の素晴らしさ、人間の素晴らしさはしっかりと胸に響きました。あと、戦争の愚かさも。やっぱり戦争を題材にするからには、この戦争というも物の愚かさっていうのはしっかりと伝えなきゃいけないと思います。戦争って怖いな、ヤだなって。本当にとてもいい映画でした。おすぎがやたらCMで宣伝してたのが萎えるんですが、(苦笑)少しでも気になった方は是非、観て下さい。色んな先入観を取っ払えば楽しめる作品だと思いますよ。



フラガール』。これも俳優が凄くハマってたなぁ。主人公の松雪泰子蒼井優も。もうもう蒼井優ちゃんは彼女の持つ最大限の魅力を全て活かされていて本当に良かったです。良い作品だから蒼井優が輝けるというのはあるけど、蒼井優のおかげでこの映画がより輝いている。そのぐらい彼女の存在が大きいです。勿論、松雪泰子もね。彼女のキャラクターに凄く合った役というのもあるけど、前に増して表情が良くなりましたねぇ。彼女のような人形めいた端正な顔立ちは表情を見せるという点では損なんだけど、この映画ではとても生き生きとした顔を見せてくれたと思います。最後の泣き顔なんてぶっちゃけブサ●クなんですけど、その崩れた顔にグっときた。女の私でも抱き締めたくなるような素敵な泣き顔でしたね。年齢を重ねて美貌に衰えは感じますが、役者としてはどんどん魅力的になってるんではないでしょうか。豊川悦司は本筋にはあまり絡んで来ないんだけど、フラガール達と村人達、映画と観客・・・・・と橋渡し的な存在になってましたね。第三者的な豊川悦司の視点があったから話が分かり易かったっていうのはあるかな。岸部一徳も良かったなぁ。岸部さんには一杯笑わせて貰ったわ。富士純子の母親も頑固だけど温かくて良かった。皆、方言がいいんだよねぇ〜。すっごくあったかい。んで、んで、忘れたらいけないのが南海キャンディーズしずちゃん!彼女の演技に一杯笑わされて一杯泣かされましたよ〜〜〜!!ホント、しずちゃん良かったなぁ。お笑いの人にお芝居が上手い人が多いのって、きっと観る側(観客)の感情に凄く敏感だからなんでしょうね。観客の感情をぐいっと突き動かす、そんなお芝居をしてくれてました。笑わせるのはお手の物ですもんね。彼女、凄く頭がいいんだろうなぁ。ホント、しずちゃんには泣かされたなぁ。あと、蒼井優ちゃんの友達役の子も凄く良かったの。すっごい可愛いんですよね〜〜〜。池津さんも凄いキュートだった〜!やすこ(@吾輩)と同じ人とは思えんわ。
・・・・・・・・・とここまではベタ褒めなんですが、でも、脚本はそこまでいいとは思えなかったんですよね。1つ1つのシーンはとても良いんだけど、結構、エピソードがぶちぶちっと繋がってるというか。話の流れが、強引って言う程でも無いんだけど・・・・・・・・ちょっと繋がりが悪いように思いました。あらすじにするといいんだけど、映画の繋がり的にはちょっと・・・・・・・・・みたいな。だから唐突に感じるシーンも結構あったしね。え?そこからそうなるか?って。でもね〜〜〜〜そういうのがどうでも良くなるぐらい、各キャラクターが魅力的で、演じてる俳優さんが魅力的で。そして最後のフラダンスシーンは映画館で思わず拍手したくなるぐらいの素晴らしさ。圧巻です。アレは1人で観てたら、絶対、立ち上がって拍手してましたよ。家で観てたら1人で拍手してるな。(笑)ヒューヒューとか言ってますよ。本気で鳥肌立ちましたもんね。しかし、あそこのフラダンスシーンだけを切り離して観ても、ここまでの感動や興奮は得られなかったと思うんですよね。だから、この映画は最後のフラダンスシーンを最高潮に盛り上げる為にお話が出来てたんだなぁって。多少ぐらい強引でも、別にそれでもいいんだなぁって。蒼井優松雪泰子も踊る姿が凄く綺麗でした。ほーーって見惚れちゃうの。手の動きがね、凄く綺麗でね。うっとりしちゃう。フラダンスってあんなに奥深く、そして美しいもんなんだって知れたのも収穫ですね。
この映画は結構ヒットしてるんですよね〜。『トンマッコル〜』と違って、これは誰が観ても楽しめる映画だと思います。まだまだ観客動員を期待出来そうかな。宣伝や広告が派手でなく、口コミで広がってロングヒットするパターンは『タイヨウのうた』と似てる。あれも3ヶ月ぐらいやってたもんなぁ。『フラガール』はまだ観れる映画館が多そう。また観に行こうっと。