『エラゴン〜遺志を継ぐ者』

エラゴン〜遺志を継ぐ者』 ★☆
製作国:アメリカ 公開年:2006 配給:FOX 上映時間:104 分
監督:シュテフェン・ファンマイアー 原作:クリストファー・パオリーニ 脚本:ローレンス・M・コナー
出演:エド・スペリーアス/ジェレミー・アイアンズ/シエンナ・ギロリー/ロバート・カーライル/ジャイモン・フンスー/ ギャレット・ヘドランド/ジョン・マルコヴィッチ/他

試写会で観ました。つっても、自分でもこの映画の試写会に応募してた事なんて忘れてたんですよね。ネットの応募だったので。大体、試写会ってのはネットでの応募はまず当たらないんで、いつもハガキで出すんですが、たまにネットでしか応募していない試写会があって、仕方なく応募したりするんですけど、これが見事に当たった試しが無い。実はこの『エラゴン』がネットの応募で当たった初めての映画だったりします。で、この『エラゴン』は他の試写会のついでに応募した作品だったので、すっかり忘れてた訳です。ま、そんだけこの映画に興味が無かったんですよ。しかも、6時開場、6時半開演の試写会って仕事から間に合う友人が1人も居なくて、いつも1人で観に行く事になってしまうんですよねー。おまけに場所も遠いし・・・・・・・・・・・行くか行くまいかどうしようとちょっと迷ったんですけど、試写会のハガキに書いてあるキャストがとても魅力的だったので、やっぱり行こうと決めたんです。だって、ジェレミー・アイアンズジョン・マルコヴィッチに、『バイオハザード』のジル役でお馴染みのシエンナ・ギロリーがヒロイン役だしね。主役は見た事も聞いた事も無い男の子だったけど、豪華脇キャラに惹かれて行って来ました。ま〜〜つまんなくってもいいやーっっ・・・・・・・・・・・・・結果、大失敗。(苦笑)こんだけ映画の内容に期待しないで観に行って、ここまでつまらなかった作品も珍しいよってぐらい。
これは1人で観る映画じゃ無かったわー。もう、ツッコミどころが多過ぎて、誰かと話したくてムズムズしてしょうがないんだけど、映画自体が糞つまらないので、誰かに薦める事が出来ない・・・・・・・・うー、この気持ちを消化したい!って思って、珍しく速攻で感想を書く事にしました。感想っつーか、愚痴なんですが。(笑)

この映画、山田孝之小雪が吹き替えをする事で話題になってるようですが、一つアドバイスするならば、もし、この映画が気になるって人は是非吹き替え版をオススメしたいですね。観てないけど。(笑)いや、山田君は声の演技が上手いし、とても良い声なんで、山田効果で主人公を少しは良く見せれるかもしれない。でも、山田ファンはこんな映画の吹き替えじゃ、素直に声を堪能出来ないかもね〜。あ、でも主人公はずーーっと喋りっ放しなんで、そこは山田ファンは満足出来るかも。も、なんだったら・・・・途中から目を瞑ればいいんじゃね?ぐらいな。(こらこら)
も〜〜ね〜〜〜〜あんまりにも主人公が魅力無くって本当どうしようかと思ったもん。キャラ的にも演じてる役者も、ちーーっとも魅力が無い。これはかなりキツイ。でもさ、でもさ、こういうファンタジーアドベンチャーってさ、たとえ主人公にあまり魅力的を感じなくても、2番手、3番手のキャラとか悪役が良ければそれだけで観れたり萌えたりするものなのよね〜〜〜〜って、そこも外しまくり!!!(苦笑)この映画はあくまで主人公とドラゴンが話の中心なのでした。他の脇キャラはただ居るだけでちーーっとも魅力的に描かれてないので、豪華キャストも超無駄遣い。久し振りに映画を観て口あんぐりで帰って来ました。なんか大作っっぽいけどこんなんでいいの?ネットで調べたら、どうやら原作は2部、3部とあるらしいんだけど、この映画を観る限り、続編を作るのは厳しいんじゃないか〜?








=======※以後ネタバレあり=======

あ、山田孝之ファンにはある意味映画をオススメは出来るけど、(主人公ばっか喋ってるので)小雪ファンはそれだけを目的に観に行かなくてもいいと思います・・・・・・・・・小雪シエンナ・ギロリーが演じてたお姫様役を演じるみたいだけど、このお姫様がま〜〜ほっとんど活躍しないんで、声だけ目当てに観に行くとかなり痛い目に合うと思います。お姫様より、ドラゴン(メス?)のが一杯喋ってるもんね。最初のクレジットでレイチェル・ワイズの名前を発見して、いつ出てくるんだろ〜〜〜って思ってたら全然出て来なくって、家帰って調べたらどうやら彼女がドラゴンの声をやってたらしい?・・・・・・・公式サイトにも載ってないし、正しいのか不安なんですが、どうもそのようです。だからさ、ヒロイン(つっていいのかも微妙だけども)よりもドラゴンの役のが重要なんだよね。小雪がドラゴンの声を吹き替えてるんだったら、小雪ファンにもオススメ出来るけどね〜。しかし、あの間抜け顔の主人公に山田孝之の声じゃ、格好良過ぎるし、王女が小雪だったら声的に老けてる気もするし、吹き替えキャストもミスキャストのような気がせんでもない。うーん・・・・・・この映画、どっか褒めないと。あ!主題歌が天下のアブリル・ラヴィーンです!!試写会場でも主題歌がガンガン掛かってました。歌は売れるんじゃないかな!しかし、アブリルちゃんが主題歌って〜と、この映画ってハリウッド的にかなりの期待作だったんじゃないのかね。いいのか?あんなんで。

まず、最初にアナウンスで上映時間が1時間44分って言われた時に、『ファンタジー大作なのに短っ!!』って思いました。ここから不安は始まった・・・・・・・・・・・・ま、映画って長けりゃいいってもんでは無いんですが、ファンタジーとか空想色の強い作品においては、どれだけその世界観を伝えられるかが鍵だと思うんですよ。だから、映画の世界観を構築する部分に時間をたっぷり掛けないと観客を未知の世界に引き寄せられないので、どうしても長くなっちゃうんですよね。『ロード・オブ・ザ・リング』も話が展開するまでにそこにタップリと時間を掛けてました。しかし、ま〜〜〜この『エラゴン』はとてつもなく急展開。そんな事に一切時間なんて使ってられっかよって感じで、あっちゅー間に話が進んで行きます。まるでダイジェストを観てる気分。もしかしたらスピーディーな展開っつーのかもしれませんが、脚本も編集の仕方も粗いからただのダイジェストにしか見えないんですよ。『今日、●●が死にました。とても悲しかったです。今日、●●に行く事になりました。とてもこわいです。●●が助けてくれました。とても嬉しかったです。』・・・・・・・・みたいな小学生の夏休みの絵日記みたいなザックリっぷりです。ドラゴンが成長するのもビックリするほど早かったしな〜〜〜。
ま、でも、この際、そんな映画の中身は置いといて・・・・・・・・・・・・・私にはどうしても合点のいかなかった事があります。主役のエド・スペリーアス。こいつがもう、演技下手くそ!おまけに魅力が全然無い!!ビジュアルも微妙!!!ビビりました。途中で本気か本気か、って何度も思いましたさー。こやつは凄いですよ・・・・・・日本人の私でも5秒で分かる下手くそぶり。いや、この際演技なんてどうでもいいんです。演技なんざ雰囲気が良ければ幾らでも補えるし、演技力云々で俳優を語るのは野暮な話。でもさ〜〜〜こやつの致命的なのはその雰囲気がまるでダメダメなんですわ。とにかくピンで抜いて絵にならないの。ポスターで見た時は格好良いとも悪いとも取れない微妙なビジュアルだな〜って思ってたんだけど、その中途半端なビジュアルの上に、全然、雰囲気が無いんで見てらんないのよ。間が持たないんだわ。なんかずーーっと間の抜けた表情だな〜〜選ばれし者とか言われる割には全然オーラ無いしな〜〜って。可能性を内に秘めてるって感じも全くしないし。でも、最初は未熟って設定だし・・・・・そのうちそのうち・・・・わ〜〜!格好良いわ!そら選ばれるわ!!って思う瞬間が来るかな〜〜って思って気付いたらアブリル・ラヴィーンのエンディングでした。アブリルちゃんえ〜〜曲やの〜〜っておい!ってな感じ。
で、私が観ようと思った最大の理由である、脇役陣の豪華さもちーーーっとも活かされてませんでした。誰も彼も全然見せ場無いですやんか。ジェレミー・アイアンズの役なんてやりようによっちゃめっちゃ格好良いキャラクターになったろうにな〜〜何せダイジェスト版ですから。(泣)しかもめっちゃ呆気無く死にます。うそ!重要そうなのに、そんな死に方!?みたいな。もし、この映画が2部、3部と作られてもジェレミー・アイアンズはもう出てこない・・・・・・出て来ても空に浮かぶ雲を背景にしてニッコリ・・・・・・・みたいな。ジョン・マルコヴィッチは3分ぐらいしか出てないんじゃ?あれでマルコヴィッチのギャラがお幾らだったのかとても気になります。それでも主役よりギャラが高かろう。シエンナ・ギロリーも超勿体無い。あんまり綺麗に撮られてなかったしなぁ。悪役のロバート・カーライルだけはそれなりにキャラクターも濃く、必要性も感じたけど・・・・・・・これもどっかで見たような悪役だしなぁ。本当、この手の映画って、主人公の脇の人物が魅力的でないと全然面白く無いんだよね。周りの人物が魅力的だからこそ、主人公が輝いて見えるって。


という訳でもしこの映画に興味があるなら、なるべく吹き替えで観る事をオススメしたいと思います。観てない私が言うのも何ですが。