最近観た映画。

観たって報告しかしてなかったんで、ちょちょちょいっと感想を軽くまとめて。

ユメ十夜』 ★★★

悪夢探偵』 ★★★


ユメ十夜。これ私は全然知らなかったんですが、同じ原作を黒澤明が撮ってたんですってね。一緒に観に行った友人に聞いて初めて知りました。『夢』ね。なんかチンプンカンプンの映画だって評価されてた記憶が。んで、この『ユメ十夜』も夏目漱石の『夢十夜』が原作の夏目漱石が見た夢のお話。私は原作を読んだ事ないんですが、ま〜〜原作も訳の分からん内容っつーのは分かります。だって、夢なんてのはチンプンカンプンで訳分からん代物ですもの。で、その訳分からんのを題材に映画化してるんで、映画も訳分からんのは当然です。(笑)しかし、訳分からんながらにもかなり楽しく観れました。これ、構成の勝利だろうね。10分にも満たないぐらいに短い話が10話。どれも監督もスタッフもキャストも違うっていう、この構成がね。訳分かんねぇ〜〜と思いながらもコロコロと話が変わっていくので、あんま深く考えずに済むし、次は何が来るんだろ〜ってワクワク感もある。ただ、本当に訳分からん話が一杯あるんで、全然ハマれない人も沢山居るとは思います。ハマれない人にはこのクソ映画!ってなるでしょうな。これ、キャストもスタッフもめちゃめちゃ豪華なんですよね〜。監督・実相寺昭雄×脚本・久世光彦っちゅー遺作×遺作なんて作品もあるし。ただ、この2人の遺作なんだけどあれはイマイチだったかな。(苦笑)めっちゃめちゃ好きなのは監督、脚本・松尾スズキ×主演・阿部サダヲのやつ。もう館内大爆笑でしたよ。めっちゃめちゃ面白かった!この作品観るだけでも価値あるかもしんない。あと、私が知ってる有名どころで言ったら、市川昆、西川美和清水崇天野喜孝山下敦弘、山口雄大・・・・・・すんげぇ豪華メンバー。多分、他も有名な人ばかりなんでしょ。それぞれ特徴があって面白い。清水崇のはやっぱり怖かったなぁ。西川美和のは説明い辛いけど、めっちゃ西川美和って感じでしたし。天野喜孝のはとにかく絵がめちゃめちゃ綺麗!うわーって。キャストもめちゃ豪華だよ!小泉今日子松尾スズキ戸田恵梨香香椎由宇市川実日子大倉孝二山本耕史藤岡弘、(いつの間に句読点が付いた?)、石坂浩二緒川たまきピエール瀧・・・・・・・・・こんなウハウハメンバーが次々と現れてはあっという間に消えてくんですよ。(短編だからね)松山ケンイチは『蒼き狼』観るぐらいなら、こっちを10回観た方がいいです。(笑)短編だけど、『蒼き狼』と出演時間はそんなに大差ないよ。松ケンは山口雄大×漫☆画太郎の邦画界屈指のアホアホコンボなんでエライ事になってましたが、それも愉快です。あんなのなかなか見れないし、絵的には格好良く撮られてましたよん。あ、山田タマルの主題歌もいい感じでした。好き嫌いはかなり分かれるけど、私はこの映画好きだな〜。

【追記】

コメントでゆーこさんに教えて頂いたのですが、黒澤映画は夏目漱石が原作では無いようです。黒澤明の『夢』は黒澤明の夢を元にしたオムニバス映画のようで・・・・・・・・・・要するに夏目漱石のパクりですな。世界の黒澤でもパクりはパクリだ。(笑)あ、別にパクりって悪くないと思うよ。元をちゃんと尊敬して自分なりのアレンジをしてるならば。


佐賀のがばいばあちゃんは残念ながらピン子のドラマ版は見なかったんですが(評判が良かったんで、ちと残念)、映画もドラマもあまり内容は変わらなかったんじゃないでしょうか。これ、とてもいい話なんだけど、全然映画っぽくないんで、私としては評価が低いんですよね。『東京タワー〜ボクとオカンと、時々、オトン』、『ALWAYS〜三丁目の夕日』、『菊次郎とさき』など昭和のノスタルジーを描いた作品はどれも心が温かくなるいい作品が多い。つか、戦後の何も無い所から、国民全員が上へ上へと必死にもがいて一生懸命だった時代に今のぬるぬるの時代に生きてる私達が勝てる訳ない。私らの世代(30代)はその残り香のようなもんをほんのちょっと知ってるので余計にノスタルジーに駆られるのかもしれませんね。この作品も、「あー昔は良かったな〜」、「ばあちゃん、いいな〜〜」なんて、心はヌクヌクになるんだけど、映画を観てるって感じがしないのがな〜〜私には思いの外マイナス要素だったかも。なんかタイトルからして、『たけしくん、ハイ!』的な、今からNHKドラマが始まりますよ〜〜って感じだったし。いや、勿論、ドラマだから悪い訳ではないし、ドラマっぽいのも悪くはない。ただ、この手の映画は、映画らしい作りにして欲しかったかな〜〜。ワンカット、ワンカットがいちいちドラマっぽいし、演出もドラマを見てる感じがして。後、ちょっといい話過ぎるというか、洋七(って言ったらおしまいか)が何でも出来すぎのいい子過ぎて、ちょっと嘘臭かったネ。(笑)でも、吉行和子のばあちゃんも良かったし、工藤夕貴かあちゃんも良かったし。最近、工藤夕貴がいいんですよね、私の中で。前に観た『インプリント〜ぼってえ、きょうてえ』でもとても綺麗で怖かったし。お話的には人の温かみが十分に伝わってくるので、いいお話だと思います。ただ、いい映画とはあんまり思わないかな。

悪夢探偵はミニシアター系なんで、まだ上映してる館も結構あるのかな?私はシネコンで観たんですが、こういう系の映画をシネコンで上映する時代になったんですね〜〜めっちゃ有難いです。これは、ある意味タイトルに偽りアリって言ってもいいんじゃないかな?(笑)めっちゃタイトルが映画を表してるんだけど、めっちゃ目くらましでもある。このタイトルから想像するのと、この映画の内容って結構ズレがあるんですよ。そこで、まずヤラれる。え〜〜〜松田龍平こんな役?みたいな。面白い裏切りがありますよ。結構、hitomiの演技って賛否両論あったりするのかな?私は全然OKでしたけどね〜。たまにセリフを言う時に拙い感じがしたけど、映画の中の彼女は伊藤潤二の漫画のヒロインがまんま飛び出してきたようなビジュアルでホラーの世界にめっちゃハマってました。あと、安藤政信が良かったよ〜。すっごいインパクトのある役でした。美味しい役だと思う。そしてやっぱり出て来ましたか〜〜監督本人が。塚本晋也も重要な役で登場してきました。私、塚本晋也は監督よりも俳優のが好きかもしんないって。(笑)彼の演技は好きですね。なんつーか独特ですもんね、持ってる空気が。んで、肝心の松田龍平が凄く良かったんですよ〜〜。あー松田龍平ならではだなって部分もありつつ、今までとは違う新しい松田龍平を見せてくれました。彼、雰囲気ばっかりかと思ってたけど、着実に実力も付けてきてるんですね。あの存在感に実力まで付けてきちゃったらと思うと末恐ろしい。映画の内容は今までの塚本作品に比べたら、まだ分かり易く、娯楽的に仕上がってんじゃないかって思います。塚本監督の作品って青・・・・・蒼って字の方がいいのかな。蒼い色に凄く特徴ありますよね。今回の話と塚本監督の蒼い色がまた合っててね。そういう部分も良かった。ただ、回想等のフラッシュバックが多過ぎるのはちょっと煩く感じましたが。グロはそこまでグロくもなく、丁度いいサジ加減だったんではないでしょうか?(サジ加減て)