『アンフェア the movie』

『アンフェア the movie』 ★☆

製作国:日本 公開年:2007 配給:東宝 上映時間:112分
監督:小林義則 原作:秦建日子 脚本:佐藤嗣麻子 
出演:篠原涼子/椎名桔平/成宮寛貴/濱田マリ/加藤ローサ/加藤雅也/大杉漣/寺島進/江口洋介/他


前に一言『付き合いきれるか』と感想を書きましたが、やっぱ試写会で先に観たからにはそれなりに書いた方がいいかな〜と思い直しまして。なんかめっちゃめちゃフジ系列の番組で番宣してるしね。そこでは一切ネタバレが出来ないっつって内容に殆ど触れてませんからね〜。この番宣ある意味正解だわ。内容知ったら見る気失せるもん。(苦笑)まぁ、観に行こうかどうしようかな〜〜って軽く考えてる人の少しでも参考になればと思います。私の感想は先に書いた『付き合いきれるか』に尽きるんですが、一緒に行ったドラマ『アンフェア』好きの友人が怒るっつーか、呆れてたので、原作好きの方はその辺踏まえて頂けたら。友達はまた仮に続編あったとしても、もう絶対映画館で観ないって言ってました。テレビ放映したら適当に流し見してやるわ!と捨て台詞を吐いてました。(笑)私も同意見ですわ。はっきり言ってこの映画は蛇足ですわ。いや、まぁ、このドラマは高視聴率だったSPドラマの時点で既に蛇足感プンプンでしたけど。これ、下手したら「やっぱ関西テレビ駄目だわ〜」と批判再燃の火種になり兼ねないと思うんですが。ちなみにこの言葉は映画観終わった後に友人が言ってました。(笑)

先に言っとくわ。瑛太は出ません!そして瑛太はまだしも、香川照之も全く出ません!!なんで〜やね〜ん!!香川照之は出さなアカンでしょ〜。ビックリした。1ミリも出て来ないんだもん。あと、阿部サダヲの出演時間は1分あるか無いかです。サダヲ目的で観に行ったら大損です。この3人ってドラマ的にはかなり重要だと思ったんですが・・・・・・・・まぁ、アンドゥーはドラマ本編で死んじゃった訳ですし、キッパリ出さないのは、それはそれで正解なのかもしれないですが、香川照之阿部サダヲはちゃんと出そうよ・・・・・・・・・。ま、『アンフェア』の阿部サダヲはサダヲじゃなくても良くね?ぐらいの無駄遣いっぷりだったとは思うけど。2人とも何かの撮影が絡んでたのかな〜〜?あんなに出さないのは幾ら何でも不自然。その2人の代わりと言っちゃなんですが、SPから引き続き江口洋介と、新キャラとして、椎名桔平成宮寛貴、そんで友情出演がとても紛らわしい加藤ローサが出ております。ま、この新キャラ達がどれもこれも・・・・・・・・何とも言葉にし辛いのぅ。しょーもないって言ったら失礼過ぎるか?でも、そんな言葉しか出て来んのよ・・・・・・この前、『さくらん』を観て来たんですが、椎名桔平成宮寛貴だったら、まだ、女性キャストの添え物的出演でも『さくらん』観た方が全然いいと思いますですよ。えぐっちゃんは、まぁ、江口ファンなら見て楽しめるのかなぁ〜?出番多いから。

私はそんなに『アンフェア』って作品に思い入れは無いんですよね。ドラマ当時も、脚本のいい加減さを言及してたような。そらもう粗だらけでしたもんね。ただ、続きを見たいって思わせる引きは上手かったのと、それぞれ役に合ったいい役者を使ってたんで、んなアホな・・・・と思いながらも、割と飽きずに続けて見れたんですよね。ただ、改めて言いますが、脚本は粗だらけっつーか、穴だらけだったと思いますが。扱ってた題材も良かったのかなー?猟奇殺人とか連鎖殺人とか。興味を惹く内容だもんね。×マーク連続殺人・・・・・だったっけ?まぁ、そういう煽りは上手だったかな。でもさ、この脚本ってさ、とにかく、この人が犯人だったら面白いんじゃない?こういう急展開になったら面白いんじゃない?ってそれが先に立ってるだけで、 そこまでに行き着く過程がめっちゃめちゃいい加減だったんですよね。更に犯人で無い人を犯人っぽく見せようとするから、余計に無理が生じてた気が。だから、ドラマを見てはいたけど、ハマれなかったんだよね。

で、今回の映画なんですが・・・・・・・・えーっと、粗だらけ、穴だらけの脚本は相変わらず。いや、ドラマ本編よりも酷いかな?んでさ、映画の内容がさ、どこぞのハリウッド映画のようにテロリストに制圧された警察病院に取り残された娘を助ける為に雪平夏見が立ち上がる・・・・・・・的なお話なのよ。このぐらいはあらすじで紹介されてるだろうし、書いても別にいいっしょ。これがな〜〜・・・・・・・・・もはや、『アンフェア』じゃないっつーのか。別に『アンフェア』じゃなくって良くね?って感じ。いっそ、篠原涼子が雪平夏見とは違うキャラの女性刑事役で、人質を助ける為にテロリストに立ち向かう・・・・・・という全く別物の作品として作った方が、まだ、ややこしいドラマの時の人間関係が無い分すっきりと見れたんではないでしょうか。うん、その方がまだ観れる作品として作れたかも。ドラマの時に引き込まれた猟奇殺人とか連続殺人の要素は一切無いしね。あれがあっての『アンフェア』だったと思うんだけど。あと、瑛太(安藤)が居てこその。もう、そんな良かった部分がごっそりと削除されてるんで、ものっそ味の無いガムをダラダラと噛み続けてる感じ。


しかし、散々書きましたが、それでもこの映画はヒットするでしょうね。篠原涼子ですから。今の彼女にはこんな駄目駄目な作品でもヒットさせてしまうぐらいの勢いがあるもんね。







=======※以後ネタバレあり=======





思えば、あのSPから蛇足だったんだよな〜〜雪平夏見の父親が警察の内部の不正を暴いてどうのこうのって。あそこで安本さん犯人にしちゃったし。あれも、安本さんが犯人だったらビックリするでしょ?ってだけで、そこまでにめっちゃ無理があったもんね。んで、今回の映画も丸っきりそれと同じ。そのあーだこうだ言ってる警察の不正も、裏金がどうのって結局、金目的で片付けちゃうんだもんね。そりゃ、誰でも大金を手に入れたいし、犯罪のきっかけになるのは金絡みが多いけど、警察って組織がひっくり返るような不正がただ裏金ってだけじゃ、説得力っつーか面白みが全然無いのよ。ドラマでも蓮見が犯罪に手を染めたのも、ただ金目的で片付けられてたし。その辺のディティールの弱さがね〜〜話の粗が目立つと更に気になってくるわな。
この映画観た人なら分かると思うんだけど、根本的にムチャクチャなんですわ。(笑)細菌を使ったバイオテロがどーのってのもね。どうやら致死率も高く感染率も非常に高いっつーかなりヤバい細菌の筈なのに、それの扱いが、もう、ずさんな事ずさんな事。あんな事しとったら東京どころか日本が滅びるわ。だって〜〜菌がダダ漏れなんですも〜ん。え?ウソ!?え???って。もうあれは失笑モノですよ。まぁ、その他も全てずさん。で、犯人もさ、書かなくても分かるっしょ〜みたいな。あ〜やっぱりねって。もう、今更、犯人が誰がどうでも意外とも何とも思わないわって。
素朴な疑問なんですが、成宮君の役は必要だったのかしら?(苦笑)またも成宮君は不憫な扱いでした・・・・・・・・あと、加藤ローサがどうでもいいめっちゃチョイ役で出て来るので、非常に紛らわしい。加藤ローサが演じてるから、何かあるのかって思うじゃないのさ。ちゃんと死んだとこ見せんかい。実は生きてて・・・・・みたいに勘繰っちゃったわよ。ややこしいわー。椎名桔平もな〜・・・・・・アホな役ですよね、アレ。(苦笑)あ〜〜褒める所が無い・・・・・・・・・・・・・・あ、でも、篠原涼子はブレが無かったね。主人公・雪平夏見は最後まで雪平夏見で終わったわ。そこが唯一褒められる所なのかしら?


この映画、『雪平夏見、最後の事件』っつーのが煽り文句なんですけど、映画は全然終わってないんですけどね。全然、最後の事件じゃない。もし、これで完結編だったら、中途半端にも程があるし、かといって、続編を作れる程の要素も残ってない。この映画は作らない方が良かったと思う。はっきりと蛇足って言えるわ。これさ〜〜「この映画自体が『アンフェア』だよね」とか言って欲しいのかしら?アッハハ〜〜〜ケッって感じ。