『拝啓、父上様』

なんとな〜く気に入って、毎週ちょっと続きを楽しみにしてて、なんとな〜く終わってしまったこのドラマ。気付くと完走してました。しかも、冬ドラマで完走したの、これと『ハゲタカ』だけ。(笑)『ハゲタカ』は6話完結だったので、実質、連続ドラマで完走したのはこれだけなんだよなぁ。私、ドラマは沢山見るんですが、それでも、うっかりして、1、2話抜けたりするんです。もう、うっかりうっかり。実は、それを『ハケンの品格』でやらかしてしまって。ず〜〜っと見続けて、特に最後の方は楽しみにしてたのに、最終回を見逃してしまったんですよね。(泣)映画を観に行ってしまってました・・・・・・・・・・。『ハケンの品格』はまぁ、大方の予想通りの終わり方で、これは間違い無く続編作られるだろうから、それまでに最終回を見れればな〜っと。
で、『拝啓、父上様』。前に書いた時に、イラっとくる事が無いドラマと書きましたが、終盤にかけてはイライラしっ放しでした。(苦笑)特に二宮和也の演じる一平にね。も〜〜肝心の事を口にしないんだもん!あと、やっぱお嬢さんのデートをすっぽかしたのはイカンだろ、と。あと、雪乃ちゃん。父親の事をはぐらかし続けたのもさすがにね。んで、律子さんも。まぁ、律子さんは憎まれ役な所があるので、しょうがないか。まぁ、終盤の方は、このドラマを見て結構、イラっとしてたんですよ。でも、それも、終わってみると、上手く解消されたな〜〜って。今回の倉本聰脚本はかなり良い出来だったんじゃないでしょうか。ちょっと今の時代には受け難いストーリーだったから、視聴率的には苦戦したようですが、いい作品だったと思います。特に脚本が良かった。色々と話を整理してみると心憎い伏線があったりね。あと細かい遊びも楽しかったし、(テレビや雑誌に映りたがりの喫茶店のマスターとか好きだったなぁ)最後まで独自の作風を貫いたのは良かったんじゃないでしょうか。

役者は芸達者な人達が多いので、ただもう安心して見れましたね。私は、役者の本当の上手さっつーのは、ドラマを見てる時には、「上手いなー」って一切、感じさせないで、そのドラマのキャラクターとして見れるって事だと思うんですよね。『拝啓、父上様』はドラマを見てる時は、皆、そのキャラクターに見えたからね。不思議少女の黒木メイサもとても合ってたし、最初と最後にちょこちょこ出演して、なかなか美味しい役だった奥田瑛二も良かった。あと、すんごい棒読みの梅宮辰夫も、途中からはああいう人なんだって思えたし。しかし、あんな棒読みで今まで役者やってくれたんだから、ある意味凄いなぁ、辰っあんは。さすが漬物で店を持てるだけある。(適当過ぎ)
二宮君はね〜〜自在だなぁ。あの若さであんだけ自在に役をこなせる人ってあんまり居ないだろうなぁ。ジャニとか若手俳優とか関係無しにして。んで、ジャニなのに、加瀬亮新井浩文のような、色んな風にどうにでも取れる佇まいがある。キャラクターが限られないっていうのかね。あの普通の容姿(ジャニの子にこんな事を言っていいのかどうか)って役者にとっては大きな武器なんだよね。次の作品も楽しみな役者さんですな。んで、横山裕君は是非、時夫以外の役も見てみたい。ホント時夫可愛かったねぇ!最後の方の2、3話は時夫の出番が少なかったのが寂しかったわ。横山君ってキネ旬だったかな・・・・・・?何かの雑誌に『川谷拓三を彷彿とさせる』みたいな事書いてあって。うわ〜〜〜めっちゃ分かる!ってブルンブルン頷いてたんですけども。これもジャニとしては、あんまり喜べない評価なのかもしんないけど、凄いんだよ?容姿があれだけ違うのに、雰囲気で川谷拓三を彷彿とさせられるってさ。相当入り込んでないと。今回、二宮君は当然ながら、横山君にしてやられたって感じ。ジャニは好きだけど、やっぱ専属の俳優じゃないからさ、そのジャニの子が唸るようないい演技をしてたら、ちょっと悔しい訳。(笑)でも、2人が素晴らしかったのは事実なんだし、また、他の作品で見たいな。二宮君は、今、TBSの秋のスペシャルドラマを撮影してるんだっけ?楽しみだわ。前にも散々書いたけど雪乃ちゃんの高島礼子が本当に可愛く色っぽく美しかった〜〜!あんな風に歳を重ねても年々綺麗になっていくって凄いと思うわ。普通に羨ましい。そして高知東急も羨ましい。(笑)八千草薫のおかみさんも、あの年で凄い不思議ちゃんだったけど、嫌味なく、とても可愛らしかったのは八千草薫のキャラクター性でしょうね。魅力的な人なんだな。このドラマ、女性のキャラはちょっと変だけど可愛らしいって感じが良かったなぁ。よくよく考えると、女性キャラはほぼ全員不思議ちゃんだったわ。律子さん以外は。

ストーリー的には、最終回では、何も終わってないようで、いい着地点でストンと終わったような気がします。坂下のその後を描かなかったのも、それはそれで粋と感じたし。一平とナオミのその後もいい具合のぼやかしかただった。おかみさんが象徴的な存在だったな〜〜。おかみさんが坂下であり、このドラマの象徴だった気がする。あと、一平とナオミの縁も、あ〜〜なるほど、と納得出来たというか。ある意味、DNAによって導かれた縁だったのねって。雪乃ちゃんが父親の事を一平に告げられなかったのって、雪乃ちゃん自身も父親が誰か分からなかったのかなぁ・・・・・・とか、ちょっと考えちゃった。自暴自棄になって誰でも良かった〜って、そんなんだったのかもって。誰が父親でも、津山冬彦の子として産むつもりだったのね。んで、その息子が津山の娘と恋人同士に・・・・・・・・って考えると何だか素敵な気もするし、怖い気もする。(笑)でも、そんな色んな事を考えられる余韻のあるドラマだったわ。こういうドラマ、また作って欲しいな。いい脚本にいいキャストだった。次回の倉本聰脚本にも期待したい。