最近観た映画。

夏ドラマは殆ど観てないので映画三昧です。その分、映画を多く観てます。やっぱりオススメは『パコと魔法の絵本』かな〜。中島監督はさすがでした。『バッテリー』はこの前地上波でやってたから観た人多いかな〜。

パコと魔法の絵本』 ★★★★

『ハンコック』 ★★☆

リアル鬼ごっこ』 ★★☆

リアリズムの宿』 ★★★☆

『バッテリー』 ★★★★

『魁!男塾』 ★★☆

『ダイハード0.4』 ★★★

蟲師』 ★☆

パコと魔法の絵本。試写で観ました。待望の中島哲也監督のこの作品。本当に楽しみに楽しみにしておりました。今年一番観たかった作品と言っても過言ではないです。結論を申しますと大変面白かったです。ギャハギャハ笑ってダーダー泣きました。相変わらず独特の極彩色のビジュアルで、(蜷川実花とはまた違う)それが今回は極まった感があり、更に凄いビジュアル世界になってました。とても目に悪そうな原色のキッツイ色使いが下品でなく、夢のような世界になっていました。それにちゃんと意味があるのも良いんだよね。あの並外れたビジュアルを大画面で観るだけでも映画館に行く価値あるかも。ストーリーは変なキャラクターがわんさか出て来るけども、至って単純明快。とてもシンプルな話を無茶苦茶な個性のキャラクターで彩ってるって感じかなー。映画のキャラクターは天使のようなパコ以外は誰もかしこも皆おかしい。それはポスターやチラシを見たら一目瞭然だと思いますが、想像以上に皆さん変です。分かり易く言うならMAXの阿部サダヲがこの映画じゃ日常に見えるぐらいのおかしさです。チラシじゃ青木さやかに見える小池栄子もエライ事になってました。一番卑怯なのは國村隼さん。(笑)映画の隼さんを思い出しただけで笑えてきます。あと山内圭哉も卑怯だったなー。この方は原作の舞台に出てるのね。上川隆也もいつになく壊れてて彼もエライ事になってましたが、この人、コメディセンスはあんまりないのかもしんない。真面目な人間がやるからこそのおかしみがちと足りなかった。壊れ方としては立派でしたが。まぁ、上川隆也だけがどうって言うよりも、笑える映画ではあるんですが、映画全体的にギャグ部分はちとやり過ぎてて、微妙に滑ってる部分もありました。中島監督ってこんなコテコテのギャグ好きなんだーってちょっと驚いたぐらい。(笑)結構、古典的。ギャグがちょい上滑りしてるのが、キャラクターのやり過ぎ感を更に増してて、ちょっとイタイ空気もあったりしたんですが、それでも描こうとしてる本題はシンプルで、それがこっちにストレートにグッと突き刺さってくる。だから自然に涙が溢れました。勿論、ちゃんと笑える部分も多くて、爆笑もさせてくれますヨ。ここは阿部サダヲの真骨頂を見た感じ。実に上手いし実に卑怯。(笑)加瀬亮土屋アンナ劇団ひとりもそれぞれキャラクターに合ってて皆ナイスキャスティングでした。妻夫木聡がね〜〜〜鬱陶しいキャラクターなんですが、途中に見せる壊れっぷりがなかなか堂に入ってて、それでも自然で良かったなぁ。そんで主役の役所広司。彼の迫力と芝居の濃さが役に実に映画の世界に合っててね。大貫ってキャラクターの表現にすごーく説得力があったんじゃないかな。とにかく、流石は中島哲也。豪華俳優陣はベストなキャスティングでした。ま、そんな中でも一番ベストなキャストは何つっても超大型新人のアヤカ・ウィルソン!彼女無しではこの映画は成立しないというぐらいの存在感でしたよ。この映画の成功はアヤカ・ウィルソンの起用と言ってもいいぐらいです。彼女があまりに可愛く美しく無邪気であるからこそ、変人の大人達がもがく姿が生きるし、そんな哀れな大人達が彼女達の為に奮闘する姿に説得力が増して、自然に涙を流せるのです。中島監督はアヤカ・ウィルソンを主役に据えれた時点でこの映画の成功を確信出来たのかもしれんなぁ。その分、ちょっとやり過ぎになったのかもしんない。(笑)細かな不満も彼女の前じゃ消し飛んじゃうもんね。あ、この映画の売りの一つである実写とCGアニメーションの融合はお見事でした。CGアニメと実写の切り替えが実にスムーズ。これは役者の人達もかなり苦労したんじゃないかなぁ。こういう見えない苦労もあるから役者って大変なんだね。ただの話題性を狙っての事でなく、CGアニメにする必然性もちゃんとあったのも良かった。中島監督が好きでも、そうでなくても、この映画、オススメです。映画の個性が強い割には万人に受け入れられるんじゃないかと。


デトロイト・メタル・シティは原作を4巻まで持ってるんです。この原作、最初はめちゃめちゃ面白いんですが、凄まじい早さのマンネリズムにより、3巻ぐらいから極端につまらなくなって、残念ながら家にあるのは4巻まで。あとの新巻を買う気はありません。んな訳で、原作を知ってるけど、熱狂的にDMCファンでもないという、実はこの映画を見るのに一番適してない人間なんですよね〜〜私。だから余計に辛口な目線なのかもしれませんが、この映画はちょっと酷いと思ったんですよね。何たる材料の無駄遣い・・・・・・これが一番の感想かしら。せっかくの材料(キャスト)を調理人(監督)が酷い味付けをしてマズーイ料理にしたって感じ。キャストは、原作を知ってる者から見ても誰も彼もそれぞれハマってて良かったのにね。あ、細田よしひこ君のジャギ様だけは何か違う気がしたけど、あれも監督の演出の付け方の悪さのような気も。(苦笑)クラウザーさん以外のDMCのメンバーが全く生かせず仕舞だったのも勿体無かったなぁ。秋山竜次のナリキリっぷりはかなり良かったのに。(※原作をご存知の方には分かるかと思いますが、彼の演じたカミュがある意味一番実写化が難しかったと思われるんですが、上手い具合に現実化出来てました)肝心のクラウザーさんは、漫画のキャラクターをなりきらせたら日本の俳優で一番じゃないかっていう松山ケンイチだけあってお見事でした。クラウザーさんになった時の声色の変化とか、根岸崇一の時の歌う姿の気持ち悪さとか、かなりのモノです。歌も上手かったなぁ。DMCの歌よりも根岸崇一の歌の方が頭から離れずに困りましたよ。「あまいあまいあまいあま〜い〜こ〜いび〜と〜〜〜♪」ってやつ。あれ結構良い歌なんだよね。さすがカジヒデキ作曲。(作詞は原作のまんま)でもその良い歌を松ケンが気持ちわる〜〜く歌ってるので、デスメタル界のカリスマ・クラウザーさんの時と、売れないダメダメ弾き語り・根岸崇一との変化が上手く生きてました。歌が上手いといえば、高橋一生が上手かった!ビックリ。彼が歌う場面は映画の一番の見所かも?(笑)あの素晴らしい原作の再現ぶりは必見です。佐治君役の高橋一生もハマってたし、おしゃれ四天王のアサトヒデタカ役の鈴木一馬も良かったなー。原作よりかなりデフォルメされてたけど、あの胡散臭さが逆に居そうでイイ感じ。あと、素晴らしかったのがDMC信者の皆さん。特に大倉孝二。(笑)この映画で一番ビジュアルがマンガに近かったのが大倉孝二じゃないかな。それぞれ見事だったけど、大倉孝二は漫画のまんまだったわ。あと、松雪泰子の社長もすごーく良い感じになりきってたんだけど、彼女が一番、監督の演出の悪さの割りを食ってたかもしんない。社長の部分が全体的に寒い事になってて気の毒だった。その元凶である監督は李闘士男。『ガンジス河でバタフライ』の悪夢再びって感じ。この監督が演出すると、かの宮藤官九郎やこの映画の脚本である大森美香という錚々たる脚本家の脚本をダメダメに感じてしまう不思議。多分、コメディセンスがないんだろうなぁ。『デトロイト・メタル・シティ』なんてそれが全てなのに。映画化に当たり、原作にはない青春ストーリーテイストを入れたのは悪くなかったと思うんだ。映画の中のギャグがあまりに寒くてそこが逆に救いになってたぐらいだったし。あ〜別の監督で観たかったなぁ。何とも勿体無い映画だった。


『ハンコック』。日本人が大好き!ウィル・スミス主演映画です。まさかこれがポニョや20世紀少年を押えて興行収入1位を取るとは。どんだけウィル・スミスが好きやねん日本人。まー私も好きですけどね。(笑) 宣伝も超ウィル・スミス押しでシャーリーズ・セロンなんて殆ど出て来なかったもんね〜。この映画にシャーリーズ・セロンが出てる事を知らない人も多いかもしんない。ま、この映画はそんなみんな大好きウィル・スミスの為の映画っていうか。この映画の主人公・ハンコックって役はウィル・スミスが演じる為に作られたようなキャラクターなんですよ。陽気で口が悪く、無敵のヒーローだけど、ちょっと寂しがり屋・・・・・なんて彼のイメージそのものだす。 ザッツウィル・スミス。軽くまとめるとそんな映画。ウィル・スミスが好きなら超オススメ。しかし、ヒーロー・アクション物としては・・・・・・・・・少年ジャンプで連載してるような漫画が好きなら勧められるか・・・・・?なぁ〜。設定とか超ご都合主義で、話しをまとめる為に無理矢理後付けしただろ〜それ!的な。少年ジャンプの、長期連載し過ぎてにっちもさっちもいかなくなって、強引に設定を付け足して話を無理矢理動かしてく〜的無茶なストーリーでも、ウィル・スミスなら、まぁ、いいか!と許せてしまう。あ、シャーリーズ・セロンは相変わらずお美しかったです。役柄も彼女である価値がちゃーんとあったしね。頭スッカラカンに何も考えずに映画を観たい人向き。


リアル鬼ごっこ。これは、『ハンコック』なんぞ比べ物にならん程、更にご都合主義なストーリー展開の映画でした。ビックリするよ!はっきり言ってめちゃめちゃ。んな設定にしたら何でもありだろーっていう・・・・・・・ね。しかもその無茶な設定が原作にないとはこれまた冒険したもんだ。そこでまた賛否が分かれるんだろうけど、私はこの映画嫌いじゃないです。リアル鬼ごっこというタイトルそのまんまの死を賭けた鬼ごっこがなかなか迫力あったし。生身の俳優が目一杯走ってるからこそ出る臨場感だろうね〜。所々、ビックリするぐらいチャチだし、話もホントぐちゃぐちゃなんだけど、何だか嫌いになれない。あ〜これこそB級映画だなーって。そんな風に生温かい目で観れば最後まで退屈せずに観れます。あれこれ理屈を考えたりすると、とてもまともには観れません。特撮ものが好きな人には優しい目で受け入れて貰いやすいかもしんない。映画としてはあんま評価出来ないんだけど、私は結構好きです。大東俊介君がめちゃめちゃカッコ良かったな〜。アクションも素晴らしい。谷村美月は最近観る作品に良く出てくるんだけど不思議な魅力がありますな。こういうホラーにもピッタリ。


その他は古い作品なので一言感想ぐらいで。蟲師。評判良くないのは知ってたけど、その評判に違わない作品でした。なんのこっちゃサッパリ。ただ、ビジュアル世界は素晴らしい。リアリズムの宿山下敦弘監督作品。これは実に面白い。何が面白いかを説明出来ない面白さ。ふと思ったのが、ダウンタウン松本人志はこういう映画を撮りたかったんじゃなかろうかと。ギリギリのリアル。俺たちフィギュアスケーターは超絶バカ映画です。すんごいくだらない。男がシンクロ!?なウォーターボーイズ的なのを想像するとふんぞり返るぐらいバカで下品。日本で言うと山口雄大ぐらいのおバカ度と考えて下さい。そういうの好きな方には堪らんかと。『魁!男塾』も『俺たちフィギュアスケーター』に以下同文。『バッテリー』はこの前映画賞を獲った滝田洋二郎監督の映画。彼の作品は漫画や小説原作でも、嘘臭くないのが良い。いい映画を撮ろうって気概に満ちてます。出てくる少年達が誰も彼も眩しくて。しかし、林郁都って人は強烈な印象を残す顔をしてますなぁ。パフューム ある人殺しの物語は悪趣味な映画やの〜〜とは思いつつも、不思議な魅力で最後まで引き込まれた映画。最後の方なんて口開いてポカーン状態なんだけど、それでも許せてしまう。不思議な魅力の映画。善人が1人も出て来ないっつーのも凄いな。『ダイハード0.4』は頑張るオッサンのお話。ブルース・ウィリスはさすがに歳取ったな〜〜。アクションがドッタンドッタンって体が重い感じ。でも、それが逆に生々しくていいんだな。このシリーズはスマートなアクションではなく生身の痛そう〜なのが魅力的なんだしね。『ダークナイト』観た後にこの映画観ると、ブルース・ウィリスが敵をバッタンバッタン殺してくのがある意味爽快でした。(笑)まぁ、正当防衛なんだけどね。4なんて作らなかった方が良かった・・・・・って風に思わなかったんだけでもこの映画は十分成功だと思います。しゃべれどもしゃべれども国分太一の落語が素晴らしい。その分、師匠である伊東四朗の落語が良く見えなくて残念。ちょっと盛り上がりに欠けるのがな〜。無愛想な香理奈も良かったし、キャストはなかなかだったんだけど、監督の言いたい事が上手く伝わって来ず消化不良な感じ。ちと勿体無かったか。