最近観た映画

未公開シーンやメイキングが見たかったので、『ミスト』のDVDを買いました。コレクターズ・エディションね。洋画は豪華版が4,000円ぐらいで買えるのが有難い。邦画ももうちょっと安くしてくれたら豪華版のDVDが買い易いのにな。特に東宝。久し振りに『ミスト』を観て、一番最初に観た時に感じた震えるような衝撃が再び味わえました。凄い作品です。まだ、フランク・タラボン監督のコメンタリーとモノクロバージョンは観てないので、時間のある時に観たいです。低予算でしかも撮影期間も短かったこの映画のメイキングやフランク・タラボン、スティーブン・キングのインタビューを見ると、面白い映画っちゅーのは、如何に作られるかが良く分かります。原作者のスティーブン・キングがこの映画を非常に気に入ってる事がインタビューからもよく伝わって来て、原作物の映画化作品としての一つの理想形を見たような。この映画、めちゃめちゃオススメです。ホラーが卒倒してしまうぐらい苦手な方以外は、是非、レンタルででも観て欲しい。ただのホラーと侮るなかれ。ものごっつい密度の"人間”が描かれてます。

すっかりメモ代わりになりました。

イキガミ』 ★★★★

『ウォンテッド WANTED』 ★☆

20世紀少年 第1章』 ★★★☆

クローバーフィールド〜HAKAISHA』 ★★★☆

ローグ アサシン』 ★★★

『ドラゴン・キングダム』 ★★★

プラダを着た悪魔』 ★★★

『恋空』 ★★☆

アポカリプト』 ★★☆


イキガミは試写にて。ラッキーな事に舞台挨拶があり、松田翔太成海璃子、監督・瀧本智行に主題歌を歌うフィルハーモユニークのボーカル・五郎川陸快がゲストで登場。松田翔太は今まで持っていた印象と違い、愛想が良くて笑顔が多く、意外と饒舌。若いのにしっかりと喋らはります。でも、よくよく聞くと微妙に言ってる事が「言いたい事は分かるんだけど〜?」ってまとめ不足で、しっかりと若さもあったりしてそこが可愛かったりして。んで、芸能人のお約束どおりにめちゃめちゃ顔が小さく細い。えーえー格好良かったです。会場に居た若い女子はメロメロになったんじゃないかすらん。んで、成海璃子・・・・・・・・・・最近、ちょっとポッチャリしたな〜〜とは思ってましたが、今までリアルで見た芸能人でテレビで見るよりもポッチャリしてる人は初めてでした。(笑)多分、今は思春期で太り易い時期なんだろうな〜〜〜丸々してた。それでも顔がものごっつい小さいのはさすが芸能人。ぽっちゃぽちゃでしたが可愛かったです。ま〜〜そんな美味しい思いをしたので、映画の評価も甘くなっちゃうぞ〜〜って訳でなく、良い映画でした。『20世紀少年』と違って、この原作の『イキガミ』は漫画としてはとても面白いとは言い難いんですが、(原作は先にちらっと読みました。私的に何故、この漫画が評価されてるのか不思議なぐらい、原作は薄っぺらい印象)原作の薄っぺらさが上手い具合に無くなり、荒唐無稽なバカらしい設定も、映画の中では妙にリアルでずしっとのしかかってくる。やはり瀧本監督は只者でないかもしれない。『犯人に告ぐ』も『樹の海』も良かったけど、この『イキガミ』も凄くいい。あの原作がこんなに良くなるとは。これからはこの監督が撮ったってだけで作品を選んでいいかもしんない。注目の監督です。とにかくね、骨太なんですよ。んで、役者を魅力的に撮るというか、良い演技を引き出すのが上手いというか。役者が熱演してるのに、演技してるって感じが全くしないんですよね〜。それの最たる役者が山田孝之。彼がとにかく魅力的。めちゃめちゃかっこいい。役柄もこの映画で一番美味しいのもありますが、いい〜〜演技してるんだわ。彼は男臭さが身に着いて昔より数十倍かっこよくなりましたな。妹役の成海璃子も超ハマり役。まだ今ほどポッチャポチャでない時期で良かったかも。(笑)山田孝之演じる兄が成海璃子の為に奮闘する姿も彼女の存在で更に生きてる。良い兄妹の空気感が出てました。山田君のファンは勿論だけど、成海璃子のファンもこの映画必見ですぞ。兄妹エピソードは観客のすすり泣き声が一番多かったですね。ハンケチ必須。ミュージシャンのエピソードはクレジット的に誤解されそうだけど、主役は塚本高史ではなく、金井勇太。これは知名度的には仕方ないのか。日本で『WANTED』がジェームズ・マカヴォイ主演にならないのと一緒か。(苦笑)これまたこの2人がいい〜〜演技してるんだわ。金井君は演技も上手けりゃ、歌も上手いし、逝き紙を貰うミュージシャンの役にピッタリ。あと山崎裕太も非常に適役でした。(笑)んで、塚本君はいつになく男っぽく惨めな感じで。瀧本監督が撮るとこんな男らしくなるのか塚本高史。(笑)予告でも流れてるけど、彼の泣く演技は必見。金井勇太の歌うシーンがね〜〜〜おっとネタバレしそうだ。ミュージシャンの話で泣けるって人も多いかもねー。私はこの映画、監督の上手さに感心し過ぎて残念ながら泣けなかったんですが、(まぁ、泣けるから良い映画ってのは違うと思います)このエピソードでちょっとウルっとなりました。あれは卑怯だわ。あと、引き篭もり役の佐野和真も良かったです。若くて経験も浅い筈なのに、他の俳優に負けてなかったな。あ、浅利陽介も出て来るんだけど、彼もさすが。他のベテラン俳優は言わずもがな。笹野高史は相変わらずズルイ。この映画、俳優陣が全て良いです。あ、でも、私が一番驚いたのは主演の松田翔太かも。彼が良かったんですよ〜。作品的にはどうしても"逝き紙"を貰う側にスポットが当たるので、山田孝之金井勇太佐野和真らに観客の視線が集中しがちなんだけど、松田翔太はナビゲーター的でありながらも、ちゃんと主役としての存在感もあって、イキガミというシステムに疑問を感じ葛藤する姿も良かった。何もしてないで立ってるだけで只ならぬ存在感があるのは血筋かしらん。生で観たら、ただのカッコイイ兄ちゃんなんだけど、画面通すと不思議なオーラがありますね、彼は。そんな感じでそれぞれの俳優達の演技に見えない熱演を観るのもいいかも。これは監督の手腕も大いにあるな。あ、主題歌もいいよ。映画観た後に聴くと泣けるね〜。オススメ。


20世紀少年は原作はほぼ未読。連載始まった当初はスピリッツで読んでたんですが。だから、1巻〜2巻当たりの内容は知ってるんだけど、途中で、これは全部終わってから読もうと思い、読むのを止めました。だって、"ともだち”の正体が気になり過ぎて。(笑)浦沢直樹は物語に引き込むのがめちゃめちゃ上手いんだよね〜。この話を最初に読んだ時、どうなるんだろ?どうなるんだろ?ってドキドキワクワクしたもんですよ。んで、あんまりに気になるから途中棄権。連載終わってから安心して読もうってね。んで、風の噂で連載が終わった事を聞いたんだけど、原作を読む間がなかなかなくって。そしたら映画化だもんね〜〜。んで、まぁ、あっという間に公開されて、原作を読む前に映画を観るかどうか悩んだんだけども、今ひとつ、原作の中盤〜最終回の評判があまり宜しくないし、逆に映画はなかなか評判が良いのを耳にして、これは観てもいいかと思い立って。結果は観て良かった!面白かったです。原作を読んだ時の、「"ともだち”は誰??この話どーなってくの!?」ってあのドキドキ感がちゃんと再現されてました。あと原作のキャラクターとそっくりと評判のキャスト陣も皆すっごく良かったです。この映画、随分と前から映画館で宣伝用に大きなポスターが掲げてあったんですが、浦沢直樹が描いた原作のキャラクターの絵と隣り合わせで実写の俳優の写真が端役に至るまでズラーーーっと並べてあったんですが、それぞれ浦沢版のキャラクターに似てるキャスティングで感心したんですよ。ここでこの映画にぐっと興味が湧いたって人も多いんじゃないかな。原作をちゃんと尊重してるんだろうなって。それが一番表れてたのがキャスティングでした。あと、脚本も長い原作を3部作編成とはいえ、2時間半にまとめあげてるので、かなり端折られてた部分もあって、所々、乱暴なストーリー展開にもなってたんだけど、概ね、原作に沿って作られてたんじゃないかなって。原作の大事な部分を厳選して抽出してたんだと思います。だから、ちゃんと「原作の面白さ」=「映画」に繋がってるんですよ。この映画が面白いのは原作のお陰。でも、それでいいんじゃないかって。そんな非常にシンプルな欲張ってない映画なんだな。だから映画として評価すると、低くなってしまう部分もあるんだけど、単純に面白ければそれでいーじゃんって。キャラクターとストーリーありきでさ。この映画、豪華なキャストで錚々たる俳優陣なんだけど、それぞれ作品のコマになりきってて主張してないんですよ。敢えて個性を抑えてるというか。漫画のキャラクターに徹しきってる。そういう所も原作ありきなんだろうな。でも、この映画に限ってはそれが良いんだよね。ただ、この映画の面白さは原作が全てで、その原作が失速してしまったら、どうしようもなくなる気はする。第1章は良かったけども、2章、3章もこの面白さが持続出来るのか?作品としては、三部作として判断しなきゃいけないんでしょうが、とにかく第1章は面白かったって事で。熱烈な原作ファンの目にはこの映画がどのように映るのか分かりませんが、熱意は伝わってるんじゃないかな。


『ウォンテッド WANTED』・・・・・・・・・・・・・主演はジェームズ・マカヴォイです。もう一度言います。主演はアンジェリーナ・ジョリーではありません。ジェームズ・マカヴォイです。ストーリーが無茶苦茶なのはまだしも、何だかいちいち不愉快。無茶苦茶なストーリーなら、笑えるぐらい無茶苦茶にして欲しかったんだけど、監督にあんまりユーモアセンスがなかったようで。ここ笑うとこ!みたいなのもあるにはあったけどちーーーっとも笑えないので、更に不快指数がグンと上がりますわん。暴力シーンの多さも趣味わる〜としか思えんかったし。単純にアクション映画なのにアクションにワクワクしないんだよな〜。んで、キャラクターの行動が支離滅裂なんで、誰がど〜〜なろうと、どうでも良いわって。売りのアクションもCG多発で、大して目新しくもなく、ど〜〜でもえぇわと。まぁ、ジェームズ・マカヴォイアンジェリーナ・ジョリーのファンにはオススメ出来るかな〜〜?アンジェリーナ・ジョリーは相変わらずイイ女だったし、アクションもさすが様になってる。ただし、主演はジェ(略)


クローバーフィールド〜HAKAISHA』。これはもうアイデア勝ちって言葉に尽きるなぁ。ただ、そのアイデアに乗っかっただけでなく、そのアイデアを最大限に活かす為に丁寧に作られてるとは思います。映画全部が素人が撮影したビデオフィルムって設定なんだけど、そこに無駄があるようでいて無駄がないんですよね。余計な物を撮ってる風で実はそうじゃない。そこがやるなと。突如、巨大生物に襲われて、混乱する一般市民って、そこだけにピンポイントを当てたのが良かったな。今まで一番端折られてた部分だもんね。もし、そんな事が現実にあったのなら、何があったか知ることもなく死んでいく人間が殆どなんだろうな〜って。そこが非現実な中のリアルで、それをトコトン追及してて、映画を観ているこっち側もちょっとした当事者気分を味わえたりして。だから、ドキドキしましたよ。素人フィルムって設定の割りには、モンスターパニック物としてのサービスも結構あったりしてニヤリ。その辺のバランスがいいんだなと。『ミスト』のフランク・タラボンが言ってましたわ。見えない恐怖もあるけど、モンスターの姿が分からないモンスター映画は退屈だと。すっげ分かる。(笑)公開当初、手ブレ映像が多いので、この映画を観ると酔うって聞いてましたが、普通の三半規管の人なら、多分、大丈夫です。ただ、極端に乗り物酔いし易い人には勧めません。あと、白黒ハッキリしないと気が済まない人には向いてないかも。私は十分楽しめました。巨大生物好きにもオススメ。(笑)


意外と掘り出し物だったのが『ローグ・アサシン』。これはストーリーがなかなか良く練られてます。アクションはジェット・リーに『トランス・ポーター』のジェイソン・ステイサムなので肉弾戦から銃撃戦までお手の物。生の迫力があります。ただね、結構、日本が関わっててね。石橋凌とかケイン・コスギが出てたりして。映画の中の日本のあまりのヘンテコぶりに日本人はガクーンとなってしまうのが、ちと勿体無いかも。デボン・青木とかさ、日本語吹き替えなのよ。(笑)他にもエキストラで出てくる日本人が多分、日系の人使ってんだろうね〜〜〜そこも吹き替え。しかもプロの吹き替え使ってんだよね。日本語吹き替えって全編吹き替えで観る分にはいいけど、そこだけ吹き替えになるとめちゃくちゃ違和感あんだね。吹き替えの人特有の喋り方がリアルだとすんごい違和感。それが上手けりゃ上手いほど。良い発見だったわ。(笑)まぁ、私はその辺のトンデモも逆に楽しめましたがね〜。ただ、そのトンデモ日本の描き方にも言えるんだけど、いちいちVシネチックっつーか、安っぽいのが惜しい。映画!って感じしないんだよな〜。でも、話は良く出来てました。だから退屈せずに観れたかなー。まぁ、テレビで放映したら観てみて。そのぐらいで観るのが丁度いいかも。


他は手短にいきましょうか。ピューと吹く!ジャガー THE MOVIEは何でも映画化すりゃいいってもんじゃねぇぞの典型。これ、映画館で観た人のその場の空気がとっても心配。何たる寒さ。凍りつく寒さ。役者は一生懸命マンガの世界に追いつこうとしてるのに、肝心の監督がマンガの面白さをまるで分かっちゃいない。だから余計に居た堪れなく寒いことになってる。まぁ、うすた京介の世界観を実写化するのは普通に無理だと思うわ。ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂこれはドストレートな青春映画です。イイ大人が見たら恥ずかしくなるぐらいの青春映画。そこのメッセージがあまりにストレートに描かれ過ぎてて居心地が悪いのと、夜な夜な現れる謎のチェーンソー男と美少女の死闘っつーSF的設定と微妙に噛み合ってない。つか、設定を活かし切れてなくて勿体無い。若い子が観るとまた見え方が違うのかも?『ドラゴン・キングダム』は試写で観たのに、感想書くの忘れてた。(笑)ジャッキー・チェンジェット・リーの2大アクションスター夢の共演。私はこの2人のアクション物には全く興味のない人間なんですが、そんな人間でも2人のアクションには目を奪われました。スゲーって。ストーリーはよくあるファンタジーアドベンチャー物で王道も王道の展開。でもその単純さがこの映画には丁度良かったです。2大アクション俳優のファンへのサービスに徹した映画です。ファンには感涙ものじゃなかろうか。プラダを着た悪魔はとにかくアン・ハサウェイが綺麗で、メリル・ストリープがかっこいい。服も超オサレで物凄い目の保養が出来ます。ストーリーは笑えるほど王道なんだけど、その分、あまりにこちら側の望みどおりのストーリー展開で、全くストレスを感じることなく最後まで観れます。これはキャスト勝ちかも。キャスト勝ちと言えば、『恋空』もそうだろうな〜〜〜。これ凄く頑張った映画かも。あらすじにしたら「なんじゃ、こら」って失笑するしかない原作の、使える部分だけを残し、使っちゃいけない部分は全て削ぎ落として、若くてキラキラ眩しい新垣結衣三浦春馬って2人に全てを託した作品。結果は大成功。しかし、真面目に考えると「何で!?」と我に返ってとてもまともに観れなくなって大変なので、その眩しさに上手く誤魔化されてみましょう。そしたら意外や意外、感動出来たりするかもしれません。超ウルトラC難度の技をこなした、ある意味、凄い作品。アポカリプトメル・ギブソン監督作品。メル・ギブソンと言えば、痛そう〜な暴力シーン。今回もめっちゃ痛そうでした。先住民族の戦いなど迫力はあるものの、リアルを追及し過ぎて、映画としての面白味にちと欠けてたかと。あと主役が顔はカッコいいけど、表情が乏しくてそこも退屈。ただ、メル・ギブソンは本当に映画好きなんだな〜ってそれはよく分かる映画でした。次回作に期待。


ちなみに、今、一番、観たいのは『ゲット スマート』です。(笑)