最近観た映画

本当はもっと数は観てるんですが、一向に追いつかないので書けたのからぽつぽつと。

レッドクリフ Part I』 ★★★★

容疑者Xの献身』 ★★★☆

『アイアンマン』 ★★★☆

運命じゃない人』 ★★★☆

魂萌え!』 ★★★

レッドクリフ Part I』は試写にて。始めに言っておきます。私には殆ど三国志の知識がありません。登場人物で知ってるのは劉備諸葛亮孔明関羽張飛曹操ぐらい。かなり有名な趙雲も映画観るまではまともに知らなかったし、先に書いた人物も名前を知ってるって程度です。何をした人達なのかサッパリ。はっきり分かってるのは孔明がめちゃめちゃ賢い軍師ってぐらい。それぞれの人物の関係性や歴史上の流れは全くって言っていいほど知りません。そんな三国志オンチな私ですが・・・・・・この映画はとても面白く観れました。もうね、完全に娯楽に徹してるっつーかさ、それぞれのキャラクターを如何に個性的に格好良く描くかに拘ってて、そこが良かったです。まぁ〜〜世界各国の人間に愛されてる不朽の名作『三国志』なんですから、そのまんま作れば面白いに決まってる訳ですわ。しかもその『三国志』の一番面白いと言われる『赤壁の戦い』を描くんですからね。鉄板ネタなんですよ。それをジョン・ウー監督で製作費100億円も掛けりゃ、つまらなく作る方が逆に難しいぞと。つまりは万全の布陣なんですよ。あ、何で三国志なのに『レッドクリフ』ってタイトルやねーんってね。私と同じ三国志オンチの人なら思うでしょう。もっと分かり易い名前にしたらいいのに・・・・・・・・レッドクリフですぐに赤壁の戦いはなかなか出て来ないぞ、と。でも、あんだけ宣伝してりゃ大丈夫か。
派手なアクションの戦乱を描きながらも一方でそれぞれのキャラクターが丁寧に描かれてある。これは三国志ファンへのサービスもあるんだろうなぁ。ただ、前後編のこの作品、そのキャラクター紹介で終わってしまった感はありますが。まぁ、タイトルは『赤壁』だからね。『赤壁の戦い』じゃないからねー。赤壁って場所は一杯出て来たからねーって。そう、前後編の時点で大方の三国志ファンはお分かりかと思いますが、ぶっちゃけ前編であるこの映画では赤壁の戦いを全くやりません。(大笑)試写会場ではエンドロールの直後、大勢の観客が一斉に「ここで終わりかーい」とツッコんでおりましたもの。あんな騒然とした試写会は初めて。エンドロールの間、皆さん口々にツッコんでました。映画の終わりには、全て撮り終えたであろう後編の予告と、予告の最後に『来年4月公開予定!』というデカデカとした文字が。その瞬間、会場は爆笑の渦。「んな待てるかーい」って。つー訳で、この映画はこれから!って良いシーンでぷっつり終わるんで、この映画だけでは評価はし難いんだな。ただ、逆に言うと、メインの『赤壁の戦い』が描かれておらず、キャラクターの顔見せと、赤壁の戦いの前の前哨戦で終わってるのに、十分面白いし、映画の間はワクワクしました。今は続きが観たくてしょうがない。とんだ生殺し状態ですよ。半年って長いよなぁ。
次の後編に備えてちょっとは三国志の知識を入れようかと、手始めにWikipediaを見ましたが、あまりのキャラクターの多さに3分で挫折。(短)そんな私でもこの映画ではあまり混乱せずに済みました。映画の登場人物は三国志の多くのキャラクターでも本当に重要な人物だけに絞ってあるみたいだし、キャラクターの関係性が史実を曲げない程度により濃く繋がってて、分かり易く脚色されてます。だから見易かったなー。それぞれの武将がめっちゃカッコいいの!三国志のゲームとかやってる人はキャラ萌えも出来るんじゃないかしら。俳優はトニー・レオンとか金城武は言うまでもなく超カッコいいし、呉の孫権を演じるチャン・チェンがめっさオトコマエ!カッコいいんだわー。孫権は弱さも強さも描かれてて、一番人間味がありキャラクターに深みがあったな。後編の孫権に注目。あと絶世の美女と伝えられる周瑜の奥さんの小喬がめちゃめちゃ綺麗でオマケにエロい。演じるのは初演技のモデルのリン・チーリンですが、堂々としたもんでした。小喬はその美貌で赤壁の戦いの鍵を握る人物にまでなるようですが、リン・チーリンがめっちゃ綺麗なんで説得力ありましたなー。あと、中国製作の映画に特別出演というよく分からない表記の中村獅童は結構ちゃんと出て来ます。ただ、中村獅童の役がなくてもあんま問題ないんだけど。調べたら架空のキャラクターのようですなぁ。まぁ、それでも目立ってたし、存在感はありました。
赤壁の戦い』ではない前編だけど、これを観てると観てないでは、後編の本番の『赤壁の戦い』のテンションが全然違うと思うので、2本でセットだと思って諦めてこの前編も観て下さい。ちなみに、三国志オンチの私は、試写会の同行者に何冊もの三国志小説を読破している超三国志好きを連れて行ったのですが、この三国志好きの友人がキャラクターのイメージが自分の思ってたまんまだったと感激しておりました。ちゃんと三国志が好きな人間にも喜ばれる作品みたい。あと、映画としても、ジョン・ウー監督なんで抜かりないです。ジョン・ウーのファンはここで白い鳩ーーー!と別の感動も出来ると思われます。これは三国志を好きな人もそうでない人もオススメ


容疑者Xの献身。当初、全く観るつもりのない映画だったんですが、レディースデイに一人で観て来ました。女も三十半ば過ぎると一人映画なんぞ余裕どころかもう日常茶飯事です。公開して四週間は経つのかな?それでもシネコンの大きなスクリーン押さえてて、観客もかなり多い。大ヒットしてるんだなーとヒシヒシ感じました。私は基本的にはテレビドラマの映画化ってあんまり好きじゃありません。んで、私はこのドラマのファンでも福山雅治のファンでもありません。おまけに、これを観たいって友人・知人は私の周りには皆無。・・・・・・そんな悪条件でも私がこの映画を観に行こうと思ったのは、至ってシンプルな理由で、この映画の世間での評判が良かったから。私の場合、よっぽど興味のない題材以外は評判が良いって聞くと単純に観たくなるミーハーな人間なんですよ。(笑)んで、観て納得。こりゃ評判良い筈だわー。だって凄く良く出来たストーリーなんだもん。まず犯人の動機とそこに関わる殺人トリックの統合性と必然性がお見事としか言いようがない。素晴らしい。話の筋としては完璧とすら思えました。今までも東野圭吾の作品は映像で幾つか観て来て、何本か面白いと思った作品はありましたが、これは初めて原作を読んでみたいと思いました。そして映画で観て損した!とも。(苦笑)今更だけど東野圭吾って凄いんだなあって分かりましたわ。そりゃ、世間で大人気なのも分かる。この映画で『容疑者Xの献身』という作品の筋を知っちゃったのはかなり勿体無かったかもなー。大元のトリックも素晴らしいんだけど、その大きなトリックの間にも、幾つものミスリード的トリックが散りばめられていて、見事に盲点を突かれました。一つ一つのトリック自体は割と初歩的なのに、その積み重ね方が斬新で今までにない推理作品になっていたんではないかと。最後に行き着く頃には感心して思わず溜息が出そうになりました。しかも、その真実の切ない事といったら。トリックだけでなく、人間の心理描写も素晴らしいんですよ。だから、感心するやら泣けるやらで。終わり頃はボロボロでしたわ。こりゃ、評判良いわー。
俳優ではこの作品の陰の主役である堤真一が本当に良かった。ここが揺るぎなかったんで、作品としてピンと一本筋の通ったものになったんだろうなぁ。だから、その対比としての主人公である湯川教授を演じた福山雅治もハマってると思えました。ドラマの時は福山雅治福山雅治でしかないと思ってたけど、この映画では、格好良過ぎる湯川教授というのに大変意味があった。福山雅治も湯川のキャラをきっちり作って演じてたしね。天才・容疑者Xが堤真一ならば、その友人の天才・湯川教授は福山雅治で良かったと思えました。他に松雪泰子もハマってたし、長塚圭史が出演時間は短いながらに強烈な印象。この人は舞台演出家として有名だけど、役者としても凄くいいんだよね。『リアリズムの宿』とかも自然だったし、凄くその作品に馴染む力がある人。配役にはそんなに文句はない・・・・・・ただ、これだけ素晴らしいプロットだったら、ちゃんと独立した映画作品として作って欲しかったなぁ。すんげぇ勿体無い。(苦笑)この映画はやっぱドラマ『ガリレオ』が無ければ成り立たない作品なんだわ。独立した作品としては明らかにキャラクターの説明不足があるし、逆に不必要なシーンやキャラクターも多い。そんなシーンを入れるよりも、もう少し容疑者X・石神の人となりの描写が欲しかった。あくまでドラマの続きとして作品は作られているのね。ドラマの映画化だったらそれが当たり前っちゃ当たり前なんだけど、それにしてはドラマのファンにサービスがある訳ではなく、明らかにドラマの世界とは異色に作られてる。それならば映画一本で成り立つように作って欲しいと思うんだな。テレビドラマの映画化って、ちゃんと映画作品として成立させるか、ドラマのファンに徹底的にサービスしてお祭りにするか、どちらか明確にしないと映画にする意味ないと思うんですよね。そういうのでないなら、普通にテレビでスペシャルにすりゃいいじゃんって思っちゃう。残念ながらこの映画版『ガリレオ』はそのどっちも中途半端になっちゃってんだよね。話の筋は文句なく良いし、役者もきっちりキャラクターになりきって熱演してるのに、映画作品として観ると何ともモヤモヤが残る。
東野圭吾って人は自分の作品が映像化されるのに全く拘らない人のようなんですが、この作品はちゃんと一つの作品として映画化されるように留まって欲しかったかな・・・・・・なんて全く東野圭吾を読んだ事もないのに偉そうに言ってるんですが、凄く良い話だけに実に勿体無い映画になってました。映画としてはあまり評価出来ないんだけど、やっぱり素晴らしいストーリーなので。東野圭吾に敬意を。


『アイアンマン』・・・・・・ロバート・ダウニー・Jrの魅力全開のオッサンヒーローアクション・・・・もといオッサンヒーロー発明ムービーです。これはアメコミ原作の映画化らしいけど、アメコミっぽさはあんま感じなかったです。主人公がオッサンだからか。(笑)まぁ〜最近のマーブルヒーローものは『スパイダーマン』にしても『バットマン』にしても主人公が正義を貫くことに対しての苦悩や葛藤に割りと重点を置いて描かれてるんだけど、この映画はそんなウェットな要素は一切ナシ。このオッサンヒーローは全く悩みません。ちょっとここで悩めよ!とか悲しめよ!!みたいなトコでも至って素。素です。クールなんてカッコ良さげなもんじゃありません。素です。この映画はロバート・ダウニー・Jrの変人オーラのお陰で普通のヒーロー物とは一味も二味も違う作品になっております。ある意味ザ・ロバート・ダウニー・Jrムービー。細部のおかしな部分もロバート・ダウニー・jrの変人っぽさで薄められてるっつーのか、何でもアリっぽく感じてくるっつーのか・・・・・・・・・大体、この映画の敵ってどいつもこいつもアホ過ぎるんですよ。(笑)めちゃめちゃ詰めが甘いし、作戦は穴だらけだし・・・・・・だから全然緊張感がないんだけど・・・・・・・・・・・まぁ、そもそもアメコミアクション物の割りにはバトルシーンはかなり少なめで地味ですし。映画の7割が変人オッサンが発明品を作るシーンと言っても過言ではないのだ。だからメカフェチとか発明オタクには溜らん映画だろうな〜とは思いますが、女子には大層ウケが悪そうな映画だと思います。内容的にもデートムービーにならん感じ。日本では女子にウケが悪い映画はあんまヒットしないんだよな〜〜って思ってたら案の定。(涙)いや、元々、日本でヒットはしないと思ってたけど・・・・・・・予想以上。でも、面白かったよ!ただ、万人には勧められないかなぁ。ちょっと観る人を選ぶ映画。「あのロバート・ダウニー・jrがアメコミのヒーロー物に出るなんてめちゃ面白そう!」って思うピンポイントな方には太鼓判でオススメ出来るんですがね・・・・・・・・こんなんごく少数派だろうしなぁ。派手なドッカンバッカンアクション映画を好きって人にはちとオススメし辛い。ただ、ロバート・ダウニー・Jrだから観たい〜〜なんて人には超オススメ。これは胸張って言える。ロバート・ダウニー・Jr演じるトニー・スターク社長が超ステキな変人さんなんですよー。すんげぇドストライクに好きなキャラクターです。んで、その変人社長に振り回される美人秘書のグウィネス・パルトロウが超可愛い。この2人のエェ歳してるクセに恋愛とも呼べない中2みたいな関係がこれまた萌え。グウィネス・パルトロウが本当に可愛いんですよ〜。この映画、思いっきり続編ありきで作られており、エンドロールの後に思わぬ人が出て来ます。んで、「つづく」ってか。だから映画全体的に序章っぽい感じはしました。それでも退屈はしませんでしたよ〜。これさ、アイアンマンのCGに相当金掛かってると思うんだけど、そこまでCGの精度が良くなくても十分楽しめたと思えます。出来上がった物よりもそこに行き着く経緯が楽しいし、やっぱトニー・スタークが魅力的。続編も必ず観ます。日本でちゃんと公開してくれますように。


運命じゃない人。これは『アフター・スクール』の内田けんじの初長編監督作品。これがま〜出演者がめちゃめちゃ地味でして。下手すれば出演者の誰一人知らないって人も多いかも?(笑)さんな地味な人達の小さな世界の話なのに、なかなかどうして面白いんですよ。ストーリーの構成は『アフター・スクール』とあまり変わらないんだなぁ。前フリの後に種明かし→ドンデン返しが何ターンも盛り沢山。この場面の裏ではこの人物がこう動いてて実はこうなってたのか〜!ってひとしきり感心出来ます。『木更津キャッツアイ』の表の回の後に裏の回があって〜ってあの構成をより濃縮してとことん追求した感じかな。これがま〜良く出来てる。『アフタースクール』もよ〜出来てたけど、こっちのがより話に無理がないし、時間軸の使い方が上手い。あっという驚きは『アフター〜』のが強かったけどね。何より、役者がほぼ無名どころなので次の展開が役者本人の力関係では予測出来ないのが良いのよ。(笑)しかし山下規介なんて久々に見たわー。『ヒントでピント』(古)以来じゃなかろうか。ま、サングラス掛けてる姿を余裕で山本譲二と間違えたんですけどね。ちゃんと有名どころ出てんじゃ〜〜ん!って思って見てたら、サングラス外したら山本譲二とは別人だし、でも、全然知らない俳優の筈だけどなーんかどっかで見た事あるな〜・・・・・・ってエンドロールを確認したら山下規介でした。規介の老けっぷりに驚いたけども、『ヒントでピント』がいつの話よ?ってなもんだ。ごめん、規介。おっと規介は置いといて・・・・・主演は俳優の名前が出てこない・・・・・あれだ、『医龍2』で神経質な臨床医師をやってた人。この人の如何にもそこらに居そうな感じが凄くいい。あと、ドラマや映画見てたら年に10回は見る山中聡も珍しく小汚くだらしなさそうだけどイイ奴な探偵がハマってたわ。内田けんじのって探偵好きだよねー。(笑)『アフター・スクール』とは違う、地味なりの楽しさがあって良かったです。オススメ。


魂萌え!。これは高畑淳子が主演してたNHK土曜ドラマのが確か先に放送されたんじゃなかったかしらん?こちらは映画の方で風吹ジュンが主演。残念ながらドラマの方は見てなかったんですが、なかなか評判が良かったようで。この話って主演を演じる女優さんのキャラクター性で話の印象がガラッと変わりそうな気がします。映画を全くそのままに風吹ジュン高畑淳子に置き換えただけでも全然印象が違う映画になりそうだわ。(笑)高畑淳子だと力強い感じだけど、風吹ジュンだと、どこか弱さや隙があって女も感じる。だから映画は中年女性の生き様がより生々しい感じになってました。風吹ジュンがね〜どこにでも居そうな感じの主婦をなかなか体当たりに演じてます。セミヌードも見れちゃうぞ!ベッドシーンも見れちゃうぞ!!意外と俳優も豪華で豊川悦司常盤貴子も出てたりして。んで、由紀さおりらが風吹ジュンの学生時代からの友人を演じてるんだけど、この中年女4人の友情がむちゃくちゃリアルでね。見てて面白かったです。友人グループの力関係って何年経っても変わらないんだよねー。こういう『うわっ』て思うリアルが所々にあって、これと言ってワクワクするようなストーリーでもないのに、最後まで退屈せず見れました。高畑版のドラマも見てみたいな。


試写で『ハッピー・フライト』も観たんですが、これはまた今度に。