最近観た映画。

最近、デジタルテレビにしたのを機にWOWOWとスカパーに加入したんですが、そっちばっか見ちゃって困ってます。HDDの録画が増える増える。んで、地上波を全く見てないという・・・・・・・今期、冬のドラマはほぼ全滅。いや、『ありふれた奇跡』だけはずーっと真面目に見てたんですが、途中で録画してた筈が失敗してしまって・・・・・・・うーん、あれは全部見たいんだけど、DVD待つかなぁ。あ、そうだ、ドラマといえば、今、WOWOWでやってる『超人ウタダ』がかなり面白いです。ストーリーの根本の謎とそれぞれのキャラクターの謎が気になるる〜〜今、唯一、次を楽しみにしてるドラマです。制作に映画会社のアスミック・エースが関わってるみたい。主題歌の電気グルーブもめちゃカッコイイ。こうなると益々、BS、CSばかりになる・・・・・・・あ、でも『ラブシャッフル』がなかなか面白いと友人から聞いたので次の金曜はちょっと見てみようと思います。野島伸司が嫌いなのと、恋人交換っちゅーのにドン引いて1話から見てなかったんですが。

少年メリケンサック』 ★★☆

長い長い殺人』 ★★★


少年メリケンサック。試写デス。うーん、これはどう言ったらいいんだろうか・・・・・・・・・映画としてはあまり評価出来ないんだけどなぁ。でも・・・・・・・・・嫌いじゃないゼ、って感じか。クドカン×女性主人公って事で私的に不安要素だった宮崎あおいがアリも大アリで文句なく良かったし、逆にこの映画の救いになってるというか・・・・・・・この映画、宮崎あおいでないと色んな意味で破滅してたと思います。(笑)ん〜〜〜最近のクドカンはあんま好きじゃないんだけど、これはメチャクチャだけど、そのダメな部分がちょっと愛しい気分にはさせられました。私ね、実は『流星の絆』を4話でリタイヤしたんですよね。今までクドカン作品はぜーーーんぶ見てたのに。昼ドラの『吾輩は主婦である』だって録画してずっと見てたのに。『流星の絆』はダメだったんですよー。すんごい不協和音が耳障りに感じて。東野圭吾×クドカン脚本×役者というトライアングルの全てが上手く絡まずに、それぞれが大きな音を立ててて煩く感じてしょうがなかったの。あと、あのドラマは役者の化学反応も今ひとつに感じたんだよね。特に肝心の3兄妹が。女優・戸田恵梨香個人としては収穫に感じたけどね。
クドカンの脚本って役者を選ぶっつーのか、幾ら個人個人に実力があってもアンサンブルが良くないと、物凄く微妙に感じてしまう・・・・・・・・スレスレの脚本だと思うんですよね。脚本に殆ど説明がないし。そういう意味で、今回の『少年メリケンサック』は役者のアンサンブルは非常に良かったと思います。だから、割りと観てられたんですけど、肝心の脚本がダメダメだったんんだなぁ。あの役者陣でもうちょっとちゃんとした脚本になってたら、かなり面白い作品になってたと思うんですが・・・・・勿体無いねぇ。まず、あの題材にしちゃ、上映時間が長過ぎるんだよなぁ。さすがに最低でも1時間40分ぐらいには出来たんじゃない?だから余計にダラダラに感じる。それとシャレにならない部分が多過ぎるんだよね。過激なパンクに魅せられた青年から中年への変遷っつーのを面白おかしく、情けなく描いてんだけど、狂気の部分が一線を越えてしまっててさすがに笑えない。うわっそれはシャレにならんっつーのが結構あってね。これが完全にギャグだったら笑えたんだけど、シリアスな部分も多いんで、笑うに笑えないというか・・・・・そこはもうちょっと踏み止まって大人に描けなかったのかって。このギャグとシリアスの混ざりの悪さは『流星の絆』の時にも感じたんだけど、この映画でもすごーく感じました。『未来講師めぐる』ぐらいまで徹底的にギャグに徹してくれてたら過激な部分も笑えたのかもね〜。ま、そんな無茶苦茶な部分やエグい部分も、宮崎あおいのお陰でかなり中和されるっつーのか。彼女の存在が凄い。ホントにこの映画の救いになってる。彼女じゃなかったら、きっとこの映画はダメだったと思います。クドカン、ナイスキャスティング。宮崎あおいは可愛いってだけでなく、クドカン脚本を理解して凄く良い間を取ってるのね。最初のユースケ・サンタマリアとのやり取りの時は少し不安に感じたけども、佐藤浩市や他のメリケンサックのキャラクターや勝地涼演じる年下の彼とのやり取りとかそれぞれ凄くいいんですよ。可愛くって面白くって。んで、佐藤浩市が凄い良かったんだな〜〜。『誰も守ってくれない』とは全然違うダメ中年をダメ〜な感じで演じてました。この佐藤浩市、かなり好きです。ダメでもカッコイイのがずるいよなぁ佐藤浩市。あと、今回の反則技は田口トモロヲ。一言、ズルイ。(笑)キム兄はな〜立ってるだけでキャラクターとしては文句なくいいんだけど、役者としてはやっぱちと落ちちゃうんだな。ちょっとキム兄で流れが悪くなってる部分はあったかな。あと勝地君が『未来講師めぐる』に引き続き非常に良い仕事してますわ。かなりオイシイんでない?若手俳優は他にも出てて、佐藤浩市の若い頃を佐藤智仁が演じて、木村祐一の若い頃は波岡一喜三宅弘城石田法嗣。んで、田口トモロヲ峯田和伸という。(笑)峯田君を若手俳優っつっていいもんだか分かりませんが、それぞれ良かったです。波岡君や石田君(ドラマ版『火垂るの墓』の清太)が実力あんのは分かってましたが、『ギラギラ』の佐藤智仁がなかなか存在感出してて良かったなぁ。美味しい役だったし。結構、中年メンバーの若い頃も出て来るんですよね。ここの俳優は皆良かったです。波岡一喜木村祐一の流れは有り得なさそうだけど有りそうなのも絶妙だったわ。
初監督作品の『真夜中の弥次さん喜多さん』みたいなトンデモよりは随分と観易くなっておりましたが、あの映画のがトンデモだった分、何でもアリで逆に引っ掛かりは少なかったような気がするなぁ。どっちが好きって言われたら迷うけど。(笑)しかし、この映画はどんな内容だったって、ノリに乗ってる「宮崎あおい」×「宮藤官九郎」だから間違いなくヒットするわな。『篤姫』に『流星の絆』だもんね。うーん、あのクドカンがこんなにヒットメイカーになれるとはねー。キャッツやマンハッタンの時からは考えられないねぇ。昔を知ってる身としては少し寂しい気分。そんで、クドカンだから鉄板で見る!という気持ちが少しずつ薄れつつある自分に対してもちと寂しい気分。


長い長い殺人宮部みゆき原作をWOWOWで映画化・・・・・・・と思ったらこれドラマWだったんだ。(笑)映画じゃないのかよ〜〜〜って一応、映画館で上映したんだね。だから、ま、いいか。WOWOWは金取ってるだけあって、NHK同様、一定の質を保っているので、安心して観れます。ところで、WOWOW×宮部みゆきといえば、大林宣彦監督の『理由』が思い出されるのですが、(ついでに必ずアノ歌が頭を流れます。さーつーじーんじけーんがつなーぐーきずなー♪)あの映画同様、この作品も少し毛色が変わっておりまして。登場人物の財布視点で話が進んで行くという不思議なスタイルです。財布視点て。財布があれこれ持ち主の状況を喋りよります。なんじゃそら。バカらしいですが、ちゃんとそんなにバカらしく感じない作りになってます。登場人物が沢山出て来るんですが、それぞれが本筋とガッチリ絡んでたり、掠る程度にしか絡んでなかったりして。でも、それぞれのキャラクターのエピソードが進むにつれ、自ずと事件の謎が紐解かれて行く構成はなかなか面白い。宮部みゆきの本は読んだ事ないんですが、この『長い長い殺人』といい、『理由』といい、推理物のアドベンチャーゲームのような、読者が傍観者的に読むのではなく、登場人物に寄り添って一緒に謎を解いてくような感覚の話を書く方なんでしょうかね?たまたま、私が観た映画がそういう形なだけかもしれないけど。ちょっと変わってますよね。これもこの構成のお陰で飽きずに観れました。ただ、本元の殺人事件自体はそこまで面白い話でもないんですよね。ちょっと偶然が多過ぎるし。それでも沢山の登場人物が交わったり交わらなかったりして行くうちに段々と状況証拠が積み上がって、確信に迫って行く形になるのは新鮮でした。こりゃ、構成勝ちだな。役者は主役の長塚京三、脇に仲村トオル谷原章介大森南朋窪塚俊介、と男性陣がかなり豪華でそれぞれ好演。その分、女性陣の印象がちと薄いかも。特に谷原章介がいかにも胡散臭い優男風の冷徹な男を超ハマり役で演じてました。この人、正月やってた金田一耕助の『悪魔の手鞠唄』のドラマ版の時といい、人でなしの胡散臭い二枚目がハマり過ぎです。あのエェ声が更に胡散臭さに拍車を掛けておりますな。いや、タニショーは色んな役こなせるから、もっと評価されるべきだとは常日頃思ってますけどねー。『ハンサムスーツ』も観なきゃ。ドラマとしてはかなり豪華。あ、これもうすぐWOWOWでやります。チキショーDVD借りちゃった。