最近観た映画。

久々に見返したくなって、『LAコンフィディシャル』と『ユージュアルサスペクツ』をまたまたまた観ました。何度目だ?いやー若い。この2作品の両方にケビン・スペイシーが出てるんだけど、今よりだいぶ若い筈なのに全然印象が変わらない。ケビン・スペイシーは映画ごとに雰囲気が違うからかな?いや、単に老け顔なのかも。(笑)でも、ベネチオ・デル・トロとラッセル・クロウが若い!この2人も作品毎に雰囲気が違う筈なんだけど。その若さがまたセクスィーですな。2作品とも結末が分かっててもまた見たくなるサスペンスの傑作です。

『ひゃくはち』 ★★★★☆

実録・連合赤軍あさま山荘への道程(みち)』 ★★★★

『トロピック・サンダー〜地上最低の作戦』 ★★☆

『おろち』 ★★★☆

『独立少年合唱団』 ★★★★

アキレスと亀』 ★★★

『ハンサム☆スーツ』 ★★☆

『ペネロピ』 ★★★

『クレイマークレイマー』 ★★★★

いつか眠りにつく前に』 ★★★☆

めぐりあう時間たち』 ★★★

『21グラム』 ★★★

ダージリン急行』 ★★★☆

あしたの私のつくり方』 ★★★★

スナッチ』 ★★★★

『リバーランズ・スルー・イット』 ★★★☆

『青春☆金属バット』 ★★★

『ストレンジア』 ★★☆

『全然、大丈夫』 ★★★☆

『ゲットスマート』 ★★☆

沢山、観たんですが、中でもイチオシなのは『ひゃくはち』かな〜。良い良いって前評判を聞いてて、かなり期待して観たんだけど、その期待以上に良かった!これ、竹内力がプロデュースしてたんだったかな?だから最初にドンっと『RIKI ●●●●』って文字が出て来て、一瞬、不穏な空気になったんですが・・・・・・・・。(笑)あ、RIKIは映画にも目一杯登場してくれてます。ただ、この竹内力も含めて良い。特に主役の2人の補欠高校生がいいんだな〜〜斎藤嘉樹中村蒼中村蒼は何となく知ってたんだけど、斎藤君は全然知らなかったな。他では見掛けないけど、これから出て来るんだろうか?出て来て欲しいな。2人とも自然なのに凄く上手いんだな。中村君なんて、ちょっとウォンビンに似たかなりの美形なのになぁ。最近、カルピスのCMに出てる彼がそうかな?これから凄い人気出るかもしんない。あと、他のメインの高校生役に北条隆博高良健吾。高良君は最近、観る映画で良く見る顔になったなぁ。端正な顔に負けない確かな演技と、出演作に『フィッシュ・ストーリー』、『サッド・ヴァケイション』と良作が多いのも強み。待機作には『ソラニン』があるんだね。北条君もオトコマエなのにイイ演技してますわ。ゼクシィですな。これはもうね。単純に泣ける。泣ける映画とかっていんじゃなく、普通に泣いちゃう。勿論、人は死なないし、劇的サヨナラホームランも無いけど、ジンジンと胸が熱くなるんだな。映画観てる間、ずっと彼らを応援してましたよ。ガンバレ!ってさ。この映画は今まであまり描かれなかった高校野球の補欠部員の日々を描いてるんだけど、これぞ『裏・高校野球』ってなもんで、飲酒シーンもあるし、喫煙シーンもあったりして。普通に合コンしたりね。そういうある意味普通の高校生の青春も描いてあって。『高校野球』を神聖化してはいないのね。それでも、補欠部員として生きる彼らの姿はとても美しく、神々しくすらある。そこが凄い。これはオススメ。是非、観て欲しいです。先に書いたように高校生による喫煙や飲酒シーンがあるので、そこで眉を顰める人もいるかもしれないけどね。その時点でダメな人には向いてないかも。だから、今から高校野球を目指すチビッ子にはオススメしない。(笑)大人に観て欲しい。これ監督が森義隆って聞いた事のない人なんだけど、この人が、監督・脚本・編集の全てを自分で手掛けているんですよね。この森義隆という人物は要チェックだな。次回作が何か楽しみです。

実録・連合赤軍あさま山荘への道程(みち)』。これも良かった。この作品も前評判の良さを耳にしていたので観たんだけど、評判に違わぬ凄い作品でした。この作品の感想って凄いって言葉が真っ先に出るんだな。いや、凄かった。これさ、上映時間が長いんだよね〜〜調べたら190分。う〜わ〜〜そんなに長かったんだ。3時間以上ですか。私はこの上映時間を全く知らなかったんで、こんなに長い作品だと思わず観たんだけど、全然ダレる事なく、ただただ緊張しっ放しで最後まで観ました。その緊張感たるや。出演している俳優それぞれがまるで演技していないみたいに、鬼気迫る姿を見せてます。もうね、怖い。ホラー映画なんかよりよっぽど怖いよ、この映画。これ、「あさま山荘への道程」っつー事で、そこに行き着くまでの、連合赤軍による無残なリンチ事件をかなり大きく描いてるんだけど、誰かがリンチの標的になる度に、なんか自分の事のようにビクビクした気持ちになったもん。次は自分かもしれない・・・・・・・・みたいな壮絶な緊張感でしたよ。主演の坂井真紀。彼女は最近活躍目覚ましいな〜〜どの映画でも凄く印象に残る演技をしてます。最近は『青春☆金属バット』の巨乳アル中女が良かったし、早く『ノン子36歳(家事手伝い)』が観たいな。ARATAもいい!このARATAが凄くいい。しかし、この映画は先に書いた坂井真紀とARATA以外は無名の役者が殆どと言ってもいいぐらい知らない俳優ばかりなんだけど、それぞれ痛烈に印象に残ってます。特に永田洋子を演じた並木愛枝は強烈。ほぼノンフィクションのこの映画。連合赤軍の中における『総括』という名のリンチが克明に描かれています。リーダー森恒夫永田洋子がいちいち「総括せよ!」と叫ぶ様はかのオウム真理教を思い出しました。何かに盲信して憑かれる者達の不条理とその極限状態における集団心理というのはげに恐ろしいもんだな。そこに若さが加わると余計にね。あ、これ、5月にWOWOWで放送するようなんで気になった人は観てみては?早ぇええ。何だか、最近、WOWOWの回し者みたいだな。(笑)

その『実録・連合赤軍』の後に観てある意味良かったのが、『独立少年合唱団』。これも実に良い映画。暗いけどねー。何で連合赤軍の後に観て良かったかって言うと、時代背景が全く一緒なんですよ。1970年代かな。学生運動が盛んだった頃の時代で、作品の内容にもそれが関わってくるので、先に学生運動が一体どういった物だったのかを知れたのは良かったです。この辺の話はあんまり詳しくないからなぁ。主演は伊藤淳史と藤間宇宙。伊藤君は今でもしょっちゅう映画やドラマで見るけど、藤間君は見ないなぁ。ちょっと使い辛い容姿の人だからかな?不思議な顔立ちの人ですね。デビューし立ての頃の松田兄みたい。その不思議な容姿がこの映画で凄く活かされてたと思うんですが、他では使い辛い感じがするかもね。伊藤君も藤間君も良いです。そして何といってもこの映画の香川照之は良い。物凄く良いです。改めて思ったわ。これね、伊藤君と藤間君の少年2人が全寮制中学の少年合唱を通して友情を深めていくんだけど、そこには少年期特有の危うさがあって。ちょっと『少年愛』も含まれてると思うんだな。私は最後の方には伊藤君がいつ藤間君にチューしちゃうんじゃないかってヒヤヒヤしながら観てたもん。(笑)この少年愛っちゅーのは、最近流行りのボーイズ・ラブとかそういうもんでなく、若い未熟な精神故に、同姓へ固執する感情を恋愛と勘違いしてしまうという、そういう不安定であやふやなものです。故に恋愛ではない。だから大人になっちゃうと消えたりして。そういう危うさが画面の節々に感じられるんですね。この少年2人だけでなく、香川照之が演じる先生もそうだし、彼を訪ねてくる学生運動の女性も。この作品の時代背景である1970年代の危うさが画面の中に凄く良く出てましたねー。香川照之が学生闘争に走る若者に対して言った「行き詰ってるだけだ」って言葉が印象的だったな。『実録・連合赤軍』を観た後だけに余計にね。藤間宇宙の役は素晴らしいボーイ・ソプラノの声の持ち主なんだけど、ボーイ・ソプラノを聴くと心がざわつきますね。何とも言えない感情なんだけど。そのボーイ・ソプラノと映画が見事にリンクしてます。劇中で合唱団が歌うロシアの民謡が未だに耳から離れない。色んなインパクトの強い映画です。

『おろち』は梅図かずおの漫画原作の映画化です。原作を全然知らずに観たんですが、これはホラーというよりは、心理サスペンスというか・・・・・・・ホラー映画が苦手な人でも多分、大丈夫だと思います。最終的に怖いのはやっぱ人間っていうね。原作を知らない人間には表題にもなってる"おろち”という名の不思議な能力を持つ女の子の存在がちょっと掴み難かったのが難点でしたが、それ以外は良く出来たサスペンスだと思います。とにかくね。女は怖いね。最近、乗りに乗ってる木村佳乃がここでも良い仕事をしてますが、それに負けず劣らず中越典子もいい。彼女は『ストベリーショートケイクス』でもめちゃめちゃ良かったですけど、もっともっと評価されてもいいと思うなぁ。これ、木村佳乃中越典子の2人の女優が良い仕事してこそ成立する作品で、この映画はその賭けに見事に勝ったんだな。おろち役の谷村美月の不思議な存在感も実にいい。彼女は『トリハダ』といい、サスペンスやホラーに似合うなぁ。なかなかオススメです。『トロピック・サンダー〜地上最低の作戦』は副題の通り最低の映画です。(笑)この映画は評価が真っ二つに分かれるだろうな〜〜。ちょっとやり過ぎなんだよね。アメリカのジョークって日本人が理解すんのはちと難しいのかも。あと、必要以上にグロいのも笑えなくてマイナス。私はグロでかなり引いたもんな。途中で止めたろかと思ったんだけど、それでも何とか最後まで観れたのは役者達の好演が故でしょうか。あと、豪華カメオ出演陣とかね。あとくだらないパロディも。こんな映画でアカデミー賞にノミネートされた「嫌がらせか!」のロバート・ダウニー・Jrがイイんだな〜〜。でも、これでアカデミーノミネートはやっぱ罰ゲームか。(笑)これ、本国の映画事情の裏を描いてあるし、映画のパロディが随所にあるので、アメリカでウケた理由は分かるわ。あと、英語がちゃんと分かればね。カメオ出演トム・クルーズがとても生き生きしてたのが印象的。あのトム・クルーズはサプライズだよね〜。最初は眉を顰めて観てたけど、段々と愛すべきバカ映画って印象が変わったんで、これはこれで良いとしますかね。興味ある人は不必要にグロいっていう前知識で観て下さい。あと豪華カメオ俳優陣は知らない方が楽しめると思います。アキレスと亀。私は北野武の映画は苦手なんですが、この映画は題材的に興味があったんで。いつもの北野監督作品より観易かったんですが、どうしようもない人間がどうしようもなく痛々しく壊れていく様ってぇのはやっぱ観てて辛いんだな。その辺の描写力って北野武監督は凄いと思います。でも、やっぱ苦手。しかし、才能のない芸術家っていうのはある種ヤクザよりもタチが悪いんだな。(笑)でも、その純粋さや、それを包む人の温かさには心惹かれる物はありました。いつもとちょっと違う角度の作品だったので、次の監督作品は何が来るのか楽しみではあります。

いつか眠りにつく前に。これは結構オススメです。豪華キャストだし、主演のクレア・デインズがいいわ。とても綺麗。単に容姿ではなく、内から出る美しさと言いますか。とても魅力的な女性を演じています。他の豪華実力派俳優も良かったですが、複雑な心理に揺れる花嫁の弟のヒュー・ダンシー演ずるバディという若者が刹那的で美しいです。これで一気にヒュー・ダンシーのファンになっちゃった。ちょっとオーランド・ブルームに似てるんだよなぁ。あしたの私のつくり方これは故・市川準監督の長編劇場作品としては遺作なのかな。主演は成海璃子。他は割りと無名な若い俳優達ばかりかな。あ、高岡蒼甫が教師役で出てますね。この成海璃子が素晴らしくハマり役。中学生から高校生という多感な時期の女の子を嘘臭くなく、瑞々しく描いてあります。しかし、市川準は実に惜しい才能だったなぁ。まだ若かったのに。『ペネロピ』。これはな〜んか惜しい。この映画、凄く演出がいいんだけどなぁ。世界観もいい。その分、ちょっと話の展開がもどかしいんだよね。この題材でそうなっちゃうかって。ただ、クリスティーナ・リッチが凄く愛らしいし、『ウォンテッド』で超絶ヘタレだったジェームズ・マカヴォイが腹立つぐらいにカッコ良い。そのジェームズ・マカヴォイをもっと活かしてくれたら文句なかったのにな。(笑)この映画観たら、女子の98%はジェームズ・マカヴォイに惚れると思います。そして『ウォンテッド』でガックリ。いや、きっとジェームズ・マカヴォイがそんだけ達者なんだわ。若いのに。『ゲット・スマート』はギャグが空回りしてる感があってちょっと居た堪れない気分にもなりつつ、段々と主人公が可愛らしくなってくる不思議。アン・ハサウェイは相変わらず眼福だし、他、個性的なキャラクターもアホアホで愛着が湧いてくるんだな。決して、映画としては評価出来ないけど、続編出たらまた観たいかもしんない。(笑)スナッチは『木更津キャッツアイ』のモデル的映画。そんだけで観るべし!ってなもんですが、これが実に面白い。最後まで良く出来た映画。『リバーランズ・スルー・イット』。若き日のブラピを観るだけでも価値ある映画。(笑)いや、内容もいいけどね。映画『釣りキチ三平』はこのぐらい釣りを美しく撮って欲しかったな。釣りも素晴らしいけど、ヒューマンドラマとして秀逸。監督・ロバート・レッドフォードの力量は確か。『全然、大丈夫』。いかにもありがちな邦画っちゃ邦画なんだけど、ちょっとした外しが上手い感じ。そしてリアル。んで、ここでも木村佳乃がいい感じです。この映画の大東俊介は一見の価値ありかも?凄い。