最近観た映画&ドラマ話。

随分と間を空けてしまいました。うひゃ、3ヶ月も!春の連ドラはちゃんと全部完走して見たのは『アイシテル〜海容〜』ツレがうつになりまして。のみ。何と『Mr.BRAIN』は1回も見てません。(笑)結局、面白かったの?あれ。『白い春』は回りでも評判良くてちゃんと見りゃ良かったかな〜〜とは思いつつ、最終回のネタバレを知って別に見なくて良かったか?なんて思ったりして。実は、深夜の『漂流ネットカフェ』もずーるずる最後まで見てしまったんだけど、あれは全部見た事実を消したくなるぐらいの最終回の酷さだった。逆にあそこまで酷い最終回も珍しいかも。(苦笑)最後、しばし呆然でした。『アイシテル〜』は最後をどう決着をつけるのかと気になってたんですが、最終的には無難な場所に上手く着地出来たのかな?と。でも、ちょっと加害者側への思い入れの比重が強過ぎたのと、やっぱり奇麗事だな〜〜って冷めてしまう部分もあり、手放しに良いドラマだった!とは言い難い感じ。でも、原作は気になるので、いつか読んでみたいな。『ツレうつ』はこれ原田泰造の鬱演技が本当に良くって唸りました。顔の表情筋の動かし方からして上手い。心に病を抱えてる人ってあんな感じで頬の辺りが微妙に引き攣ったりするんだよね。ただただ、原田泰造に感心した。ストーリーも3話構成で1話、1話上手く配分して丁寧に作ってあった。鬱ってテーマの割りには重過ぎず、かと言って軽く扱われてもなく丁度いい塩梅で見易かったな。原田泰造も良かったけど、主人公の藤原紀香も良かった。こんなにイイ藤原紀香を見たのは初めてってぐらい。プライベートの噂はどうであれ、ちゃんと女優として仕事をやって行けたらそれでいいんじゃないかな。次の作品でもこのドラマ並に良い演技してくれたら、藤原紀香の印象がガラっと変わるかも。夏のドラマは今の時点でちゃんと見てるのは、プライムタイムだとリミット-刑事の現場2-ぐらい。後は、『任侠ヘルパー』と『官僚たちの夏』を流し見程度にだらだら見てます。『リミット〜』はあんまり遊川和彦の脚本は好きでないんだけど、NHK土曜ドラマらしい重厚な作りと、ダークヒーロー的存在の武田鉄矢のキャラ設定、それに感化されていく若手刑事・森山未來の行く末が気になって。これは全5話だったかな〜?あと2話でどう話の決着を付けるのか楽しみです。ただ、遊川脚本は風呂敷を広げるだけ広げて広げっ放しっつーのも多いので、そこまで期待せずにもいますけど。あと、これは深夜だけど、スタッフが良いので、夏ドラマでは一番期待してた『猿ロック』が全然面白くなくってガッカリ。ROBOT制作なのにー。いや、期待が大き過ぎたのか?あんなもんかもなぁ。でも、スベリ具合は『STAND UP!』のそれに似てる。内容も被ってる。まぁ、まだ1話で見限るのは早いと思うけどね。2話、3話見てダメだったら止めます。これ映画化もするらしいけど、大丈夫なのかな?(笑)同じ深夜なら、『漂流ネットカフェ』枠の『帝王』のが面白いかなー。展開早くて超ビビるけど。凄まじいジェットコースターぶり。そしてナレーションが麒麟の川島そっくりで笑えます。あ、長瀬智也の『華麗なるスパイ』も超ガッカリだったなー。あんなに役者やスタッフが揃っててもダメな時はダメなもんか。ガッカリ度だけは高くなる一方で。 今、一番、楽しみにしてるのがBS hiのマチベンの再放送という・・・・。これは本放送の時に見てなかった事を後悔するほど面白いですね。録画した最終回早く見なくっちゃ。

最近、とんと日本のヤンキー映画に飽きてしまい、例え評判が良くとも『ドロップ』やら『クローズZERO2』やら観る気が起きないんですなぁ。『クローズZERO』は1好きだったんだけどなーんか食指が伸びない。そして『ROOKIES』か。大ヒットだそうで。これもドラマは全部観てて好きだったけど、きっとこのまま観ないだろうなぁ。テレビで流れたら見るかもしれないけど。多分ね、同じような「ヤンキーは実はイイ奴。男の友情に熱い」的な題材が重なり過ぎなんだろうねー。今やヤンキー物は完全にヒット狙いの道具にされてる。最近の日本では難病モノより鉄板になりつつありますなぁ。せめて、これらの作品が3ヶ月ぐらい間を置いて上映されてたら全然印象が違ってたかも。続けざま過ぎなんだもん。あ、続けざまと言えば、もう『ごくせん』が上映されてるんだっけ?これはお茶の間でぼーーっと見るドラマだからこそ成り立ってた作品なのに、同じヤンキー&熱血教師の『ROOKIES-卒業』が大ヒットしている中、相乗効果でヒットするとも思えないんだけどな。さすがに世間もそろそろヤンキー物に飽きると思うよ。若いイケメンワラワラにすぐ飽きたように。つかね〜〜〜もう、安易なドラマの映画化は本当に止めて欲しいんだな。それ、スペシャルドラマでやればいいだろってのが多過ぎなんだわ。でも、そういうものほどヒットしたりして。あと、宣伝さえすりゃヒットするみたいなさぁ。『ROOKIES』はさすがに辟易したし、『ごくせん』も凄かったよね。あと、『アマルフィ』とかもハンパない宣伝量だった。それで内容とか関係なしにヒットしてそんなんでいいんだろうか。うーん、なんか寂しい。宣伝するなとまでは言わないけどさ。

『ディア・ドクター』 ★★★☆

ターミネーター4』 ★★☆

俺たちに明日はないッス』 ★★★☆

宮廷画家ゴヤは見た』 ★★★☆

グラン・トリノ』 ★★★★☆

ミリオンダラー・ベイビー』 ★★★★☆

『チェイサー』 ★★★

鴨川ホルモー』 ★★★

『デスレース』 ★★☆

純喫茶磯辺』 ★★★☆

『ジャージの2人』 ★★★

蛇イチゴ』 ★★★☆

『1408号室』 ★★☆

告発のとき』 ★★★

『バッシング』 ★★★

永遠のこどもたち』 ★★★★

ヘルボーイ』 ★★★

バンテージ・ポイント』 ★★★

河童のクゥと夏休み』 ★★★★


あ〜〜溜まりに溜まりまくりですね。まずは一番最近観た『ディア・ドクター』。これは、西川美和監督のポテンシャルの高さが良く分かった作品でした。この方はどんな題材でも、常に平均点以上、60点以上は必ず取れる人なんじゃないかな。西川美和作品に外れなしって。まだ、長編は3作品目だけど、ブレがないなぁと思いました。この作品、聞こえてくる内容のあらすじが、昔読んだ『ブラックジャック』のある一編の話によく似てて、その辺はどうかな〜〜っと思いましたが、西川美和なりにきっちりアレンジしてあって、似て非なる話になってました。そして、相変わらず、玉虫色というか、観る人間によってどうとでも取れる内容になってるのも凄いなぁと。お話として、1本ちゃんと筋が通って完結してあるのに、見様によってどうとでも取れる映画になってるのがね。感心するなぁと。この話、簡単に消化し切れない色んな問題があってね。医療問題だけでなく。もっと人間としての本質にも迫ってて。ただ、そういう映画としての作品としての上手さは感心したんだけど、ちょっと登場人物の感情的な部分が薄くなってて、観てるこっち側も作品に対しての思い入れみたいなのが薄まってしまうような。上手いな〜〜凄いな〜〜〜とは思うけど、だからめっちゃ好き!って感じではないし、鮮烈には印象に残らない。平たく言うと、上手過ぎて綺麗にまとまっちゃったって感じでしょうか。ここ!って引っ掛かりがあんまりないんだよね。良く出来た作品なんだけど。役者は、とにかく笑福亭鶴瓶がハマり過ぎで。(笑)この方はどの作品でも自然体なのがいいな〜〜演技してるんだか、してないんだか。でも、これってちゃんとセリフがある映像作品では一番難しい事なんだよね。決められたセリフをまるで演技してないように喋ってるって事だもん。そういう意味である意味究極の演技を見せて貰ったわ。鶴瓶が凄く良かった。この起用だって西川監督の計算なんだもんね。あとの役者さんもそれぞれみーんな良かったです。ただ、瑛太の役がちょっとどっち付かずで分かり難かったけども。そうそう、井川遙が綺麗でね〜〜〜西川監督が綺麗に撮ってるってものあるだろうけど、彼女は年齢を重ねて行く毎に綺麗になる。女優としてもどんどん良くなる。何と羨ましい存在か。(笑)

次はいかに〜もハリウッド大作!な二つの作品。ターミネーター4トランスフォーマー:リベンジ。正直、映画としての出来はどっちも似たようなもんなんですが、オススメするとしたら、私は『トランスフォーマー:リベンジ』かなぁ。いかにもハリウッド的で頭すっからかんにして観たいって人なら余計にね。ターミネーター4はちょっと、不親切過ぎるんだよね。私は1と2はちゃんと観て内容も大まかに憶えている、だけど、3は観たような気がするけど内容は忘却の彼方・・・・・・みたいな、一番多いパターンの典型だと思うんですが、ある程度の知識があっても、映画の中での説明描写が不足してるので、4の世界観が上手く掴めないんですよね。そこに未来と過去が交錯するタイムパラドックスが絡んでくるから、ややこしくてしょうがない。んで、世界を救う救世主の筈のジョン・コナーがクリスチャン・ベールが演じてる割にはあんまり魅力的でない。もう一人の主役であるマーカス・ライトのが断然魅力的。この映画の主役は彼ですね。ただ、彼には秘密があるんですが、その秘密が明らかになっても、「なんで?」って腑に落ちないんだよなぁ。そんな遠回しな事せんでもえぇんでないか?彼の存在自体が『?』って感じなので、よく分からない世界観が益々訳が分からない。ただ、ターミネーターシリーズとして観ると、このT4は所謂、序章としての役割であり、そこから先の話が気にはなりますけどね。この話をどう決着つけるのかってね。シリーズの構成的にはスターウォーズっぽいんだよね。新作の方が1や2の元になる話・・・・・・でも、未来なんだけど。うーん、ややこしい。あ、1でマイケル・ビーンが演じてたジョン・コナーの父・カイル・リースが若くイケメンでカッコ良かったです。オホホホ目の保養。ある意味目玉?なシュワちゃんは、プレステ3のゲームみたいで私も会場も失笑でした。そこだけ笑い声が。トランスフォーマー:リベンジは、1を観た時に、正義側と悪側の区別が全く付かず、戦闘シーンが何がどうなってるのかサッパリ分からなかった私にとってもある意味リベンジな作品。この野郎〜〜今度こそは区別してやるぜ!って意気込んで臨みました。あ、先に言っておこう。こんな私みたいな人には吹替版がオススメです。何故って、声優の声で判別出来るから。(笑)最重要人物(人物?ロボ物?)のオプティマス・プライムを演じているのが、かの玄田哲章氏なのでその声だけで十分判別出来ました。ただ、他のトランスフォーマー達がなぁ・・・・・・・・私の判別方法は、『正義側はカラフル』のみ。(大笑)でも、これで前半から中盤はしのげたんだい。しかし後半戦の総力戦はもう・・・・・・敵にも色付いてるやんか!(当たり前)まぁ、最後の総力戦の辺りなんて、あまりにスピードが速いしオマケにガッチャガチャ変形しよるしで、ロボットの識別云々の前に何が起こってるのかサッパリ分かりませんが。めまぐるしいスピードでわちゃわちゃ戦ってがちゃがちゃ姿を変えるんで、オバちゃんの動体視力では無理でっす。でも、若者でも無理と思いたいです。ただ、この映画はそんなの小せぇ小せぇって感じで、開き直ったかのように大作りでもう細かいとこなんぞどうでも良くなるというか。アホ映画だしね。いかにもマイケル・ベイだしね。前作の時よりも更にアホさ加減が増して、下ネタも増してました。くだらない部分が前作より増してる。(笑)出て来るキャラクターが全てアホなんですが、段々と、愛着も湧いてくるし、今回出て来るロボ爺(勝手に命名)はさながら『グラン・トリノ』のように年寄りの意地を見せてくれてカッコいいしで、映画としては決して評価出来ないけど、嫌いじゃない。私は前作よりも好きです。このトランス・フォーマーシリーズは変にかしこまらないで全力でバカ映画として突き進んでくといいと思います。続編も絶対あるだろうから、観に行くよ。

いや〜〜〜これは良かった!グラン・トリノ。評判が高いから観に行ったんだけどさ〜。もう、ダダ泣きですよ。もうね、ズルイよ、クリント・イーストウッドがこんな映画に主演して監督しちゃったら。酸いも甘いも知り尽くしたシワシワおじいちゃんのイーストウッドがさ、あんな頑固だけどピュアで可愛いジイさん演じちゃったらさ。それだけで泣けますわ。次にこの映画観た時はイーストウッドの顔見ただけで泣きそうだわ。(笑)これが俳優としての最後の映画になっちゃうのか〜〜クリント・イーストウッドにとっては。惜しいし、寂しい気がするけど、彼にはもっともっと素晴らしい映画を作って欲しいから監督業に専念するのは良い事なのかもなぁ。俳優業の集大成として、この『グラン・トリノ』は申し分ないと思うし。この映画、監督としても勿論だけど、俳優としてのイーストウッドの良さを全て出し尽くしてると言っても過言でないもの。そのぐらい良い役。クリントじいちゃんは御歳79歳か。来年は80歳!うわ〜〜そりゃ、あんなシワシワにもなるわ。でも、エネルギッシュだよね。内から力強さが漲ってるからまだまだ現役でイケるんじゃないかしらん。この映画は平たく言うと片田舎に住むアメリカ人の頑固ジジイとその隣に住む移民・モン族の姉弟との心の交流のお話。クリントはとんだクソジジイです。(笑)口が悪くいつも怒ってばかりで家族との折り合いも悪く、他の人種に対しての偏見意識も強い。差別用語もすぐ使う。日本にも田舎に行ったらこんな爺さんはうようよ居そうですけどね。そんな爺さんが最愛の奥さんと死別して、一匹の老犬と一人暮らす中で、そこに隣のモン族の姉と弟、その家族や一族が関わって来て、偏屈だった爺さんの心が少しずつ和らぎ心を通わせ合って行くんですが、その様が実に自然で、実に心温まるんですよね。結構コミカルでクスクス笑えます。こういう演技もイーストウッドはお手の物だもんね。ここは良く練られた脚本、熟練の演出、そして、モン族の姉・スーと弟のタオを演じた2人の若手俳優の演技の自然さと、名匠クリント・イーストウッドの人間としての懐の深さの賜物だろうな〜。クリント・イーストウッドの演出ってとにかく観客側に寄り添って分かり易く、それでいて洗練されているんだよね。無駄な描写は一切ないし。そして、容赦もない。イーストウッドの映画は時に辛辣で暗い気分になる事もあるんですけど、この『グラン・トリノ』は実に後味が爽やか。決してハッピーな映画ではないんだけどね。あと、実に映画らしい映画で、『あー映画観た』って気持ちにもなれます。アクションドカンドカンのハリウッド映画ではないけども、こういう作品こそ劇場で観て欲しいかも。さすがにもう映画館でやってないかな?こういうのロングラン上映して欲しいんだけどな〜〜〜名画座とかでさ。まぁ、DVDでも観て欲しい一作だわ。ちなみにタイトルの『グラン・トリノ』は私はこの意味を知らなかったんだけど、映画を観ればすぐ分かります。これは調べずに観て「なーんだ」って思った方が面白いと思います。

そして、『グラン・トリノ』にやられて、そういや観てなかったミリオンダラー・ベイビー』 も観てみました。この映画、評判良かったのに、何で観なかったんだろ?って思ったら、確か、暗い気持ちになるって評判だったからかな?クリント・イーストウッドは前に『ミスティック・リバー』を観てズドーンと重い気持ちになったので。この作品、『クラッシュ』の監督・脚本のポール・ハギスが脚本を書いてるんだね。これも良かったなぁ。ちょっと『グラン・トリノ』にも通じる頑固な老人が若者を指導していき、心の交流を経て深い絆で結ばれて行く話なんだけど、こっちは後半に掛けてかなりヘビーな話で、ズドンと重いテーマになっていくんですが、不思議と後味は悪くなかったです。『ミスティック・リバー』はあれだけ後味悪かったのに。一見、救いが無い話なんだけど、クリント・イーストウッド演じる老トレーナーとヒラリー・スワンク演じる孤独な女性ボクサーの間の深い絆が丁寧に描かれているし、その2人を見守るモーガン・フリーマンの優しい視点もあって、辛い話なのに不思議と救われてる気になる。ヒラリ・スワンクはアカデミー賞も納得の演技。演技も素晴らしいけど、ボクシングシーンの迫力と、美しい筋肉も見所。これは観て良かったな。で、ヒラリー・スワンクがとても良かったので、これも後味が悪いと敬遠していたボーイズ・ドント・クライも観てみました。これは噂通りに救いが無かった。(笑)後味悪い悪い。これ本当にあった話なんだもんな〜。『イントゥ・ザ・ワイルド』の時も思ったけど、アメリカの映画って実際にあった話の実写化でも容赦ないっていうか、登場人物の悪い部分も包み隠さずに映像化しちゃんだねぇ。日本みたいに本人に気遣って、変に美化したりしないって感じ。この映画、主人公含め出て来る人間全てに非があるというか、勿論、殺人を犯した加害者が一番悪いけども、被害者の非もちゃんと描いてある。ぶっちゃけ善人の出て来ない映画です。そこがよりダークで救いない感じするのかな〜。でも、現実はそんなもん。残酷だよなぁって。性同一障害で、女なのに男の心を持った主人公をヒラリー・スワンクが演じてるんですが、これが見事な男っぷり。ちゃーんと男に見えるけど中性的で素敵なんですよ。少女漫画の男の子みたいなルックスでちょっと胸キュン(死)です。その救いはあったかも。(笑)あれは男でも女でも誰でも男と騙されるかもね〜。まぁ、気分の落ちてる時にはオススメしないけど、後味悪くても平気な人にはオススメは出来る。ちゃんと作られた映画でした。

『スラムドッグ・ミリアネア』は今年度のアカデミー賞を総なめしたダニー・ボイル監督作品。インドのスラム街出身の若者を描いた映画です。これさ、タイトルにある通り、クイズ・ミリオネアが出て来るんだけど、ミリオネアのBGMとか効果音って万国共通なんですね。日本のテレビのと全く同じでした。そして答えの後の司会者のなが〜〜い溜めも。(笑)しかも、この映画に出て来る司会者もみのもんた並に胡散臭いんだよな〜。あのオッサン美味しいな。(笑)そういう部分も実に面白いんですが、この映画はダニ・ボイルらしく、疾走感があって一気に観れる映画です。目を覆いたくなるようなインドのスラム街の悲惨さも描かれてるけども、実は、この映画、一人の男の子の一途な恋心を描いた純愛映画なんだな。だから甘酸っぱくて爽やかな印象も受けます。ネタバレになるけども、最後はマサラムービー全開の歌って踊ってのエンディングなんだけど、ここで唐突にインド映画になる以外は、ダニー・ボイルらしい映画だと思いました。ちょっと渇いた感じなのねん。そこがまたスラム街生まれのキャラクターに合ってたし。ちょっと色々と上手く行き過ぎる所もあるけど、そこはご愛嬌ぐらいに思える感じで。だから最後のマサラムービーエンディングも合ってるっちゃ合ってたかも。鴨川ホルモーは設定が面白い作品。でも、設定が奇抜過ぎて、その説明に時間を費やし過ぎというか。あと肝心なオニのバトルがそんなに面白く感じないのも勿体無い感じ。それでも役者が皆が個性的なキャラクターを好演してるので、最後まで楽しむ事は出来ました。主演の山田孝之はもうベテランの風情だね。(笑)何の心配もいらん。栗山千明があの美貌なのに見事なほどの非モテ女子を演じてて素晴らしい。あと、濱田岳がなんかもう凄いなと。あまりに強烈で濱田岳ばっかり印象に残ってるもん。俺たちに明日はないッス』は『百万円と苦虫女』のタナダユキ脚本監督作品。これはさそうあきらの原作を映画化したものなので、タナダユキのオリジナルではないですが、いいですよ。これは男子高校生の青春ならぬ、性春の話っつーか・・・・・一見、セックスに興味津々でやる事ばっかり考えてる高校生男子達の話っぽいんだけど、そこには十代独特の複雑さと脆さと危うさがあってね。大人になってからでは大した事でなくても、この時期だから躓いてしまうという事もあったりして。その辺は凄くリアルでした。三人の男子の恋愛エピソードがどれもありそうで、どれも若いが故の熟しきれてない苦さが良く表現されてます。関わって来る女子がどの娘もめちゃくちゃ可愛いんじゃないのがまたリアル。セックスセックスで、下ネタも多いけど、何だか妙に清々しい感じもする。私は『百万円と苦虫女』よりもこっちのが好きかも。オススメ。宮廷画家ゴヤは見た。これはもうハビエル・バルデムナタリー・ポートマンの演技派合戦といいますか。すげ〜〜な〜〜この2人って。いや、でも内容も面白いですよ。中世ヨーロッパの歴史に詳しかったらもひとつ面白いかもしんない。それにしてもハビエル・バルデムが強烈過ぎて。(笑)『ノーカントリー』の時も気付けばハビエルしか残ってないというあれに近い印象だなや。それだけ力のある俳優って事でしょうけど。

『チェイサー』韓国映画です。これは実際に6、7年前?ぐらいに韓国で起こった連続殺人事件を元にした映画です。アメリカの実話を元にした映画作品も容赦ないけど、この作品も凄いというか、まだ事件が経って間もない殺人事件を映画にしちゃうってのがまず凄いなぁと思いますけど。しかも凄い事件なんですよ。殺した数が20人〜31人って。殺人犯本人も分からないほどの数の人を殺してるんですよね。しかも相当残忍な手口で。事件の詳細は「ユ・ヨンチョル」で検索すれば出て来ると思います。ま、この韓国史上最悪の殺人事件を元にした映画で、私のマイフェイバリットムービー・ベスト5に入るこれも韓国映画の『殺人の追憶』を彷彿とさせる・・・・・なんて聞いちゃ観に行かない訳にはいかない。凄い楽しみに行ったんですが、結果は・・・・・・・・・ここ、2、3年で一番イライラする映画でした。まーこれが、酷いのよ。作品が酷いってんじゃなくって、この映画の中で描かれてる韓国警察が酷い。これ、実際にあった話って謳われてるのに韓国警察はこれを許したんでしょうか?いや、実際にそうだったとしたら、韓国には絶対住みたくない。(笑)警察の捜査の甘さに苛々しっ放しでした。すんごいストレスでしたよ。んで、犯人を追い詰める主人公がさ、元警察で今はピンサロの経営者って設定なんですが、(実際もそうだったらしい?)その刑事でもない彼が犯人を見つけていく過程もスリリングではないんですよね。主人公が犯人を捜そうとしてるってよりも、どっちかというと巻き込まれてしょうがなしに・・・・・みたいな感じだから。だからどこにも正義は無いの。ま、この映画の場合はそこを描きたかったのかもしれないけど、映画っていうエンターテイメントとして考えると、主人公を含め犯人を追う側はアホばっかりだわ、犯人もそのアホのお陰で逮捕されずに犯罪を続けてるというぬるさだわ・・・・・・で画面一杯に緊張感はあるけども、追う側追われる側のせめぎ合いはないんですよ。だからひたすらストレス溜まるし、犯人によって次々殺されていく被害者が可哀相で可哀相で。もうちょっと警察がしっかりしてたら・・・・・・・ってそっちばかり考えてしまうんですよね。映画作品としては、ずどんと重い空気で骨太感はあるんだけどさ。これ、デカオプリオがハリウッドでリメイク権を買ったらしいんだけど、アメリカではこれをリメイクって無理だと思うよー。日本でも無理だな。同じく韓国映画シークレット・サンシャインソン・ガンホに惹かれて。これは映画としてはかなり良く出来てると思いますが、私は好きじゃない。(笑)良く出来過ぎてるっつーか、この映画でカンヌ他数多くの主演女優賞を取った女優・チョン・ドヨンの演技が素晴らしいんですけど、この主人公の物凄く女の嫌な部分が描かれてて、そこが生々しくて、同性として凄く観てて辛い。分かっちゃうんだよなぁ。ソン・ガンホも素晴らしいです。役者の演技が凄く良くって、逆に嫌な気分になっちゃうっつーのもなんか勿体無い感じもするけど、これが率直な感想ですね。作品としては素晴らしいと思うけども。時間が経ってもかなり鮮烈に場面場面が残ってます。この『シークレット・サンシャイン』と同じ印象の映画が『バッシング』です。これも占部房子の演技が上手過ぎて・・・・・・生々しすぎて。すっきりする作品ではないにしろ、ものっそいモヤモヤ感が観てる間ずーーっと続く。主人公がバッシングされる原因が徐々に明らかになっていく過程と、バッシングする側、される側の両方に共感と反感を抱えるという不思議な作品。まー暗い作品です。(笑)

他に観た中でオススメは永遠のこどもたち河童のクゥと夏休みでしょうかね。『永遠のこどもたち』は『パンズラビリンス』のギルレモ・デルトロ監督のプロデュース作品。『パンズラビリンス』のあの暗くて幻想的な雰囲気が受け継がれてます。これはちょっと『サイレントヒル』に似てるかもな〜〜。究極の母性愛がテーマです。結構、ちゃんとホラーなんで、観てる途中に体がビクっとなったり、ゾっとしたりするんですが、(但し、あまりグロい残酷さはないので、それ系が苦手な人でも大丈夫かも)その母性愛の部分がしっかりと芯になってるので、ただのホラーでなく、複雑な作品になってます。これはかなり面白かったです。オススメします。『河童のクゥの夏休み』は映画『クレヨンしんちゃん』で有名な原恵一の脚本監督作品です。ダウンタウン松本人志が泣いて喜びそうな直球の河童映画です。よくクレヨンしんちゃんの映画は大人でも泣けるって言われてて、そっから『BALLAD 名もなき恋のうた』なんて実写映画も出来ちゃうぐらいんなんですけど、この映画も大人の方が泣けるかもしれません。色々と吸いも甘いも知り尽くした人間にこそ響くかもしんない。これ、ジブリ作品のようなイメージを持たれるかもしれませんが、全く非なる作品です。それぞれのキャラクターが持ってる悪い部分もちゃんと描かれてるんです。善人だからといって、やる事成す事全て善行なんてこたぁない。そして人間の嫌な部分もかなり辛辣に描かれています。子供向けアニメを思って見ると、えぐい部分もあるので、印象が悪くなるかもしんない。でも、子供が見ても楽しめる作品にもなってるんだよね。人間の醜さが描かれつつも、河童が居たらいいな〜〜って単純に思えるアニメらしい可愛らしさもある。河童のクゥが可愛いんだよー。そしてひと夏の少年の成長物語もある。かなり懐の深い作品になってます。ちなみに主人公の少年の母親と父親の声を西田尚美とココリコの田中直樹が演じてるんですが、最初はまんま2人の声に聞こえて違和感があるものの、その普通の感じが作品に馴染んでて結構良かったです。これはかなりオススメです。親子で楽しんで欲しい。


溜め込んでた分、もんのすごい長くなってしまいました。近日ロードショーで観たい作品は色即ぜねれいしょん南極料理人『女の子ものがたり』です。『ちゃんと伝える』も少し気になる。もう少し先だったら、BALLAD 名もなき恋のうたも。アニメと映画の違いを確認したいな。