ドラマW『蛇のひと』

最近、民放のドラマ(特に連ドラ)をあまり見なくなったんですが、WOWOWドラマWはほぼ毎回チェックしてます。特に単発のドラマWは映画並に力が入ってて、キャストも手堅く豪華な布陣で有料放送ならではのお得感もあります。しかし、このところのパーフェクトブルー『その時までサヨナラ』とちょっと期待外れな出来だったので、今回の蛇のひとも期待半分ぐらいに見てたんですが、面白かったです。これは第2回WOWOWシナリオ大賞を受賞作品なんですね。『パーフエクトブルー』も『その時までサヨナラ』も映像がどうとかよりも、単純に原作が面白くないんじゃ・・・・・・・・?と思わざるを得ないほど、お話が稚拙だったんですよ。『パーフェクトブルー』なんかは「本当にこれが宮部みゆき?」って疑いたくなるほど話の筋に無理があるし、犯人の動機もなんじゃそりゃレベルで驚いたんですけどね。あれはドラマで酷いアレンジされてるのかしら?忠実だとしたら、ちょっとなぁ〜。『その時までサヨナラ』も最初から最後まで何だかな〜と思ってエンドロール見たら「原作・山田悠介」・・・・・・・あ〜なるほどと。使い古された設定に最後まで何の捻りもないストーリー展開はいっそ清々しかったですが。それでも実力派俳優が軒を連ねるドラマWはそこそこ鑑賞に耐え得るんですけどね。
蛇のひとは主演が永作博美西島秀俊板尾創路劇団ひとり田中圭勝村政信ふせえり佐津川愛美北村有起哉奥貫薫河原崎建三石野真子國村隼・・・・・とこれでもか!とばかりに堅実かつ豪華な役者陣で、話の根本は揺るぎなく、それでいて、いか様にでも取れる不思議な話に仕上がっており、なかなか上質な作品でした。監督は『Landry』『重力ピエロ』等の森淳一。製作にはROBOTが関わってるので、どこか映像は映画風。いや、やっぱりフィルムのそれとは明らかに違うんだけど。これが初脚本という三好晶子はこれから注目して行きたいと思います。
ストーリーを要約すると、突然行方不明になった西島秀俊がいわゆる“魔性の男”なのか?を主人公の永作博美が色んな人と会って追求して行く話。これ、1時間40分ぐらいの短い作品なのも好感度高いんですよね。中身が濃くって、途中で「あれ?まだ40分しか経ってない?」ってちょっとビックリしたぐらい。豪華俳優陣も良い具合に散りばめられてて、それぞれ印象深く上手い。西島秀俊の子供時代のくだりなんかは背筋をゾクリとさせられるような、心霊でもホラーでもない『人間の業』で恐ろしい気分になるんだな。でも、真実は闇の中〜で作品中ではきっちりと語られてないので、ああいう意味なのか?こういうことだったのか?と色々と考えられて余韻も強いんですよね。
ただね〜〜西島秀俊の関西弁があまりに違和感強過ぎてね。(笑)いや〜〜下手っていうんじゃないのかな?やっぱ下手なのか??とにかくこの人が関西弁喋る度にズコーっとなるのでなかなか話に集中出来なかったという・・・・・・・・う〜ん、ドラマの設定をどうしても関西出身にしないとダメだったんだろうか?西島さんなら、東北の方が合う感じだけども。多分ね、西島秀俊の喋り口調(元々、スティック読みだよね。そこが味なんだけど)と関西弁がミスマッチ過ぎるんだよね。あとイメージの問題か。豊川悦司がネイティブなのに関西弁下手って言われたのと一緒なのかも。普段、抑揚をあまり付けない喋り方の人が関西弁の癖で喋ると無理して喋ってるように聞こえるんだわな〜。ま〜〜ズコーってなったわ。あれも慣れたらいいんですけどね。西島さん、何考えてるか分かんない風情は魔性の男って雰囲気にはピッタリなんだけどな〜〜あの関西弁がな〜〜でも可愛いんだよな〜。はっ!これはもしや魔性の男の・・・・・(笑)

面白かった『超人ウタダ』と同じ枠のミッドナイト☆ドラマ『SOIL』公式サイト)は本放送をうっかり見逃したので今日の再放送を録画。これも密かに楽しみです。監督・山口雄大清水崇。主役の星野真理といい、田山涼成のズラといい何から何まで怪し過ぎます。