『Mother』

あ〜あんまり視聴率良くなかったんだねぇ。久し振りに見入るドラマだったのに残念だわ。私が見なかった『絶対零度』がビックリするぐらい数字が良くて、そしてこのドラマは低視聴率・・・・・・・軽く死神気分を味わってます。本日のツイッタードラマ『素直になれなくてなう』も私が最初からスルー対象にしてるドラマなのできっと数字は良いことでしょうな。くそーフジめ。
でも、このドラマ、視聴率があまり良くなかったのも分からんでもない。私も全部は見れてないんだよね。途中の15分ぐらい早送りしました。あまりに耐え切れず。最初から中盤まで食い入るように見てたんだけど、どーーしてもっ!あの女の子が虐待されるシーンは見れなかった。ゴミ袋に詰められるとかさ。無理無理無理無理・・・・・・・。必然な描写なの分かっててもねぇ。居た堪れなかったです。ただ、安心なのは、ストーリーの展開上、こんな辛い描写はこの先あまり無さそうだなという事。まぁ、松雪泰子と女の子の新生活が順風満帆に進む訳がないので、別の意味で辛い気持ちになりそうだけどね。

いやあ、見応えありました。早送りした手前、きっちりと感想は言えないんですけど、坂元先生、もしかして奇跡起こせるんじゃない〜?いや、それよりも、遊川先生に次いで坂元先生の本気を見て、今のテレビ業界、脚本家がいかに厳しい状況で脚本を書かされてるんだろうと余計な心配をしてしまいましたよ。どんだけ制約された中で脚本を無理矢理書かされてるのかってね。その点、最近の水10枠ははっきりとテーマが決まった上で、人気者を売り出す為に無理してドラマを作ってる感じがしない分、脚本家が自由に書けてるのかなぁと。坂元裕二が本当に書きたい脚本ってこういうテイストなんでしょうか。これはNHK土曜ドラマチェイス』も期待していいかもしんない。ガンバレ〜坂元裕二
これ脚本も丁寧だったけど、演出も凄く良かったですね。水田伸生の演出はカメラアングルや空白の取り方がやっぱり映画っぽいねぇ。画面の色も。もしかしたら『木更津キャッツアイ』の時に使ってた特殊なカメラで撮影してんのかな?あのカメラで撮ると青空が物凄く綺麗なんだよねー。なんか凄く空気感が似てました。北海道のちょっと片田舎なロケーションっつーのも似てるのかもしれないけど。俳優陣はどの方も良かったけど、やっぱあの子役の女の子が凄くてね。あまりに健気で可愛らしくて、虐待してる側の尾野真千子綾野剛が本当に憎たらしく感じたもん。嫌な役だけどこの2人も素晴らしい好演でした。尾野真千子の演技は生々しいんだね。それがまた実の我が子を虐待するという若い母親に合っててムカつくんだ。(笑)役者は本当に皆いいなぁ。これから山本耕史とか酒井若菜とかどう絡んで来るのか楽しみだわ。松雪泰子はどんな風に血の繋がらない娘に対して母性を出して行くのかねぇ。それがこのドラマの鍵だろうな。そしてそして田中裕子だ。最後出て来て全部持ってくあの存在感たるや。高畑淳子も別の意味の存在感だ。(笑)この虎と龍の闘いはどうなるのかねぇ。あれって、どちらかが松雪泰子の生みの母親で、育ての母親って設定なのかな?普通に考えると田中裕子が実の母親・・・・と思うけど、どうも松雪&高畑親子の感情の軋轢を考えると、そんな単純なものではないのかもしれない。田中裕子と高畑淳子のキャラクターの登場のさせ方で、このドラマが何を描いて行きたいのか分かった気がします。生みの母親と育ての母親の両方の母性を描いて行きたいんじゃないのかな?だからタイトルが『Mother』なのかなと思います。児童虐待はその母性を描く為に必要な悪なんでしょう。

でも、これ、あと8〜9話どういう方向で描くのかなぁ?子供を救う為とはいえ、自作自演の行方不明事故にして、警察や報道まで介入させる辺りが、ちょっとやり方が非現実的だなって思うんですよね。逃走劇の方がクローズアップされるとか、変な方向に迷走しなきゃいいんだけどねぇ。1話が良かっただけに余計な心配をしてしまいます。でも、期待してますよ、坂元先生。