俳優への褒め言葉。


突然ですが、俳優さんにとって一番の褒め言葉っていうのは「演技が上手い」という言葉ではないと思うんですよ。
「演技が上手い」なんて言葉ははっきりとしてるようで、かなり曖昧な言葉ですよね。大体、何をもって演技が上手いのかの基準もあって無いようなもんだし(逆の『下手』は分かり易いけどね)観る側の主観も大いに含まれるし・・・・・「演技が上手い」って俳優さんへの褒め言葉としては一番手っ取り早いんだけど、でも、その俳優さんが何をもって『演技が上手い』のか説明してくれって言われたら答えられない人が多いんじゃないかな?結局、突き詰めると『好き』か『嫌い』かだったりするんですよね。特に私たち素人が日記に書いてる批評めいたものは、『好き』なものを褒めて『嫌い』なものを貶すだけの所詮、『日記』なんですよ。書いた文に何の責任も持ってないですもんね。でも、その素人が損得勘定無しに書いてる事に新たな発見があったりする訳だから、これはこれで立派な文化ではあると思うんだけど。

話が逸れました。「演技が上手い」以外の俳優さんにとっての一番の褒め言葉ですが。勿論、「顔が良い」「声がいい」とか表面的な事でもなく、「滑舌がいい」なんて技術的な物でもなくて・・・・・・「どんな役でも演じられる」?これもなかなかの褒め言葉だと思うんですが、私は「あの人でなければ演じられない」が俳優さんにとって一番の褒め言葉じゃないかと思っています。まーちょっとニュアンスは違うけど、『ハマリ役』っていう言葉。あれは軽く使われがちだけど、演じる側への最上級の褒め言葉だと思うんですよね。だって、キャラクターにピッタリって事なんだもん。俳優がキャラクターを演じる上で、それ以上に望まれる事って無いと思うんですけどね。ピッタリだったら、それでいいじゃん。

だからね、原作のある物って怖いんですよ。マンガでも小説でも・・・・・先にキャラクターが存在してるんだから、それに合う人でないとハマれないんですもんね。どんなに表現力に優れてる人でも、見た目や雰囲気が違ってたら、それを演技でカバーするのは難しいでしょう。というか、無理でしょう。キャラクターのビジュアルまで確定してるマンガなんかは、どうやったって『演技<ビジュアル』になるもんねぇ。でも、それは仕方ないよね。映像ではやっぱ見た目が一番印象に残るんだもん。見た目が全然違うのに、原作ファンにハマってるって思わせられる人なんていないでしょう。だから、最近、やたらとマンガ原作が映像化されてるけど、そんなお手軽なもんじゃないと思うんですよねー。