『タイガー&ドラゴン』 第9話。〜粗忽長屋の回〜②

結局、3回見たんですけど、やっぱり今回のお話はあんまり好きになれないかも。話の上手さには凄いと唸らされたんだけど、感情的に好きになれないの。ヤクザの話が嫌って訳じゃないし、話の中に殺しが入るのも不快じゃないんだけどね。だけど、話の展開上で仕方ないとしても、虎児がウルフ商会の金を使い込んだヤクザ・ヤスオを竜二の部屋や谷中家に連れて行ったのがどうにも引っ掛かるんですよ。虎児ってバカだけど、ヤクザとしては立派なプロなんだから、ヤバい組に追われてるヤクザをかくまっただけで回りに被害が及ぶ事を分かりそうなもんでしょ。それに、虎児がその大事な2つの関係を巻き込まなきゃいけないほど、ヤスオと虎児の関係に深い繋がりを感じなかったんですよね。SPでは虎児をボコボコにしてたし、どうしようも無いヤツだもんね。ヤスオについては、後から『ちょっといい奴』的なエピソードがついてきたけど・・・・・なんか取って付けたみたいだったしねぇ。自分の噺の参考の為にヤスオに肩入れしてたっていうのでも、ど〜にも納得出来ないし。やっぱね〜〜劉さんやチビTがヤクザにボコられたり、ドラゴンソーダがむちゃくちゃにされたりっていうのが生々しかったかなぁ。それがヤクザなんだけどね。あの描写はやっぱ引っ掛かったな。哲也がピストルで撃たれて殺されたのは何とも思わなかったんだけど。(笑)

だけど、今、私が書いてる事ってドラマのストーリー上では、『それ言っちゃおしまい』的なことのように思うんですよね。だから感情的に好きになれないっていう事なんです。虎児がヤスオをかくまわないと全然、話が展開しないもんね;そっからのヤクザから追われるヤスオの顛末が現実で有り得ない『粗忽長屋』へとリンクしていくのはお見事でした。本当にまぁ上手いこと繋がったなぁ。ウルフ商会のヤクザの哲也と泰次の舎弟関係の描き方は上手かったなぁ。特に車の中での2人の会話は秀逸。泰次が不満を爆発させたのに凄い説得力ありました。泰次役の小路勇介が若い頃のチンピラ役ばっかりやってた柳葉敏郎みたいで笑えたなー。あれは絶対、ワザとビジュアルをそっくりにしてるなー。猪野学の「そら殺されるわ」っていう嫌な奴っぷりも見事。「かしこまりぃ〜」って何だよそれ。(笑)お見事っつったら、ヤスオ役の北村一輝も良かったなぁ。どうしようもない奴なんだけど、愛嬌があるのよね。女にだけ異様にモテるのも何か分かるし。どうしようもない『粗忽者』のヤスオに愛嬌があったから、まだ、虎児の落語の部分が面白く感じれたのかもね。トルコ人のクォーターって・・・・・(笑)クォーターじゃなくって、ダイレクトにトルコ人でいいんじゃない?

タイガー&ドラゴン』って今まで見たクドカンのドラマや映画の中で一番、ストーリー構成が上手いなぁと思うんですけど、その上手いストーリーの為に時々、キャラクターが「え?」っていうような行動を取るのがね〜なんか頭では分かってるんだけど、感情的に引っ掛かっちゃうんですよね。特に今回の虎児は引っ掛かったなぁ。そんだけ、虎児ってキャラに入れ込んでるんでしょうけどね。ただ、ドラマを全部見終えた後に、この回を見たら、きっと面白く見れると思うんですよね。「どうなるの?どうなっちゃうの??虎児!」っていうじりじり感が無くなったら、きっとこの回は掛け値なしに楽しめると思う。死体遺棄を手伝おうとした虎児に「噺家が捕まったらまずいだろ」って言ったヤスオの優しさを見ると、虎児がヤスオをかくまったのも結果的に良かった事だと思えるし。「死んでも誰も悲しまねぇ人間なんていねぇんだよ」って虎児の言葉も当り前の言葉なんだけど、グッときました。

やっぱ面白いなー(また見てる)