『タイガー&ドラゴン』 第4話。〜権助提灯の回〜

(※5/29UP分)
今回はクドカン常連というか、ほぼ皆勤賞な森下愛子がゲストです。クドカンの描く森下愛子像はどのドラマでも判を押したように同じなんですが(笑)ま〜ここまで姿もキャラクターも可愛い中年女優ってそうは居ないだろうし、そこを惜しみなく描いてるので、『いつも同じ』とか言うのは野暮ってもんですか。小春ちゃんの可愛さは森下愛子ならではですよね。オバサンなのにあの不思議ちゃんっぷりがリアルなのは。可愛く見えちゃうのは。マコっちゃん母もローズさんも千倉先生も今回の小春も一緒なんだけど、ここまで同じだとお約束的な安心感もあるってもんです。
権助提灯の噺は全然知らなかったんですが、見る前に予習してました。正妻と愛人の間を行ったり来たりする旦那の話が、どん兵衛と組長の間を行ったり来たりする小春の話に変わるのは面白かったんですが、提灯=ナビはちょっと無理があったかな?夜明けで提灯が必要なくなるってのは分かるけど、それがナビになるとそうでもないもんね。特に虎児には必要でしょう。(笑)あと、虎児の落語が現代(車のハンドルを回す仕草など)と昔(提灯)が入り乱れてて分かり難かったなぁ。構成員とか言ってるし。そういう無茶苦茶なのが虎児らしさだと描きたかったのかもしれないけど、今までは過去と現在の線引きをちゃんとしてたから違和感アリアリでした。そこが気になったなぁ。
純情中年・どん兵衛と組長と小春の関係は可愛かったですけどね。最初、あらすじ知った時はどん兵衛に対して「小百合ちゃんって人がありながら!」って思ったんだけど、小春とはプラトニックな関係でホッとしました。小百合ちゃんと小春が仲良しっていうのはクドカンならではですよねー。

ツボったセリフ。

  • 「ここは流星会のシマなんだコラァ〜〜!!」(またアルフィーの高見沢)
  • 「泣いてねぇよ真面目に答えてんじゃねぇよ気持ち悪ぃな。ったくよぉ、噺家がダラダラとオチも無い話をしやがってよー。大体、アンタ守れてなければ幸せにも出来てねぇじゃねぇかよ。あぁ?しょっちゅう女房泣かせてんじゃねぇかよ。言うだけかよ。この言うだけ亭主が」(酷過ぎる。そりゃ、どんちゃんも泣くよ)
  • 「男物のシャツってな、ありゃあ、女が着るもんだ」
  • 「覗いてますよ。毎晩ジリッジリっしながら覗いてますよ。寝不足よ!」(これぞ正に逆ギレ)
  • 「つぶつぶマスコットだよ」(つぶつぶマスタードかと思いましたがマスカットなんですね。お恥ずかしい)
  • 「めがねすっきり曇り無し。お鍋すっかり食う物なし」
  • 「あーダメだ。誰かに喋りてぇ。でも、面白く喋る自信がねぇ」「大丈夫だよ。ボクが面白く話すから」「ボクとか言ってる時点でもう面白いんだけど」
  • 「Yo-チェックチェック、ワンツー、チェック、ワンツーアハ、イハ、エヘ。いよいよ、CLUB-YOSE大トリの登場だYo!YoYo-要相談!」(サダヲのエセラッパーはお見事)
  • 「なんだか噺がリアル過ぎないかぁ〜?」
  • 「オレ達はタイガー&ドラゴン&シルバーじゃねぇのかよ!?」「シルバーは生き物じゃなくて色だから・・・」(色だったらマズイのか?)
  • 「オレらも年食ったらどっちがホテル行ったか分かんなくなんのかな?」「それはねえ!!!」(それはねぇ、それはねぇよ虎ボルタ)

ツボ。

  • 蕎麦屋の辰っちゃんの高座。出囃子は氷川きよしの「やだねったらやだね〜♪」の『箱根八里の半次郎』。マンハッタンの時の「イボリったらイボリー♪」繋がり?
  • 竜二の凄い勝負服。『竜二』の名札付き。そこまでしてメグミに名前を覚えて貰いたいか。
  • 威嚇し合うどん兵衛、どん太、竜二。竜二の動きが動物っぽい。
  • クドカン作品御馴染みの無茶苦茶な過去モノローグ。西田敏行岡田准一笑福亭鶴瓶長瀬智也森下愛子伊東美咲
  • 長瀬君の鶴瓶は見た目は全然似てないけどキャラクターがそっくり。
  • 荒川良々権助
  • どん兵衛と組長の回想が真逆。しかしコロッケは変わらない。
  • 春ちゃんが塚本&鶴瓶、岡田&西田親子の不思議をやっとツッコんでくれた。このドラマの世界ではあれが当り前っていうんじゃなくってホッとしました。
  • 『中谷中』(どっちだよ!)
  • 「タイガータイガーじれっタイガー!」がウケてる!観客に求められてる!


竜二がメグミに言った「上手いけど説得力がない」と言うのは凄く良く分かるなぁ。落語だけに限らず、技術的に完璧になり過ぎると、そこに『思い』を入れる余地がどんどん無くなっていくんだよね。その点、虎児の噺は隙だらけ。(笑)技術が無い分、それを面白く伝えたいって『思い』だけで話してるんだけど、そういう物ほど人の琴線に触れたりするんだよね。芸術って技術ばかり優れてしまうと、面白みが無くなってしまうもの。落語に詳しくは無いけど、人を笑わせる落語だとそれがより顕著なんじゃないかな?上手いけど説得力がない竜二と下手だけど妙に説得力のなる虎児。凄くキャラクターを表してる言葉だなぁと感心。ちょっと、演じてる本人達にも通じるような気がせんでもないんですけどね。いや、岡田君の演技が説得力ない訳じゃないし、長瀬君が演技が下手って訳じゃ決して無いんだけど、キャラクター性がね。直感型の長瀬君、分析型の岡田君って感じなんですよね。これもコッチの勝手なイメージですが;